徹底紹介!マルチエフェクターのおすすめモデル
コンパクトペダルとマルチエフェクター(BOSS GT-1000)を並べた様子。サイズは大きくなるが、高品質なマルチエフェクターだと様々なエフェクトやアンプモデルを搭載しているので、1台で音作りが完結できる
マルチエフェクターは、一台に「様々な種類のエフェクトを詰め込んだ万能ペダル」です。オーバードライブのような歪み系をはじめ、空間系やモジュレーション系、コンプレッサーからノイズゲートまで、1台のマシーンにありとあらゆるエフェクトが内蔵されています。
マルチエフェクターを使うことで「様々な種類のエフェクトに触れる」ことができ、一つ一つを試して音の掛り方を学ぶことができます。またアンプモデルが搭載しているなど本格的なモデルになると、ライブやレコーディングなどで活用することも十分に可能です。ギター初心者から上級者まで、多くのギタリストが注目するマルチエフェクターについて、みていきましょう。
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1: マルチエフェクターの使い方 1.1: まずはプリセット・サウンドを鳴らしてみよう 1.2: マルチエフェクター = ギター初心者ではない! 2: 定番のマルチエフェクター 2.1: BOSS 「GTシリーズ」「MEシリーズ」 2.2: Line6 2.3: ZOOM 3: コンパクトサイズのマルチエフェクター 3.1: ZOOM MS-50G 3.2: KORG PANDORA STOMP 3.3: TECH21 SANSAMP「FLY RIG 5」シリーズ 3.4: MOOER GE200 4: 格安のマルチエフェクター 5: ハイエンド・マルチエフェクター 6: 最高品質のマルチ「ギター・プロセッサー」とは?
マルチエフェクターの使い方
液晶をみながらアンプモデルやエフェクトをON/OFF、パラメータ操作を行う
マルチエフェクターでは複数のアンプモデルやエフェクトを自分の好きなように設定し、セッティングを保存することができます。保存したセッティングはフットスイッチの操作によって即座に呼び出すことができるので、単体のエフェクターを複数並べるよりも素早くセッティングを済ませることができます。様々なジャンルのエフェクトが一通り入っているわけですから、自分の理想とするサウンドにかなり近づけることができるでしょう。
サイズはコンパクトエフェクターと同程度のものからエフェクトボードにギリギリ収まるくらいの大きさのものまで様々ですが、音作りや足元のセッティングをマルチエフェクター1台で済ませられるのは大きなメリットです。
マルチエフェクター = ギター初心者ではない!
ちなみに、「マルチエフェクターは初心者が使う物」というイメージが強いですが、それは大きな間違いです。特に最近の製品は本物と区別がつかない程モデリング技術が向上しており、アマチュアはもちろん、プロが現場で使用する製品も増えています。
「マルチエフェクター=初心者」というのは一昔前のイメージに過ぎず、今ではマルチエフェクター(及びそれが進化した「ギター・プロセッサー」)がライブの即戦力なり、幅広いレベルのギタリストに使われています。
マルチエフェクターを使った有名ギタリスト:スティーブ・ヴァイ
TC Electronic G-SYSTEM
世界的超絶ギタリストであるスティーブ・ヴァイ氏のサウンドの中核を担っているのが TC ELECTRONICの「G SYSTEM」です。氏は元々巨大なラックシステムを使っていたのですが、後に「G SYSTEM」に移行しました。彼が「G SYSTEM」を導入したことにより、「世界的プロもマルチエフェクターを使っている」、ということを認知させるきっかけになりました。完全プロ仕様の製品で、国内アーティストでは LUNA SEA の SUGIZO 氏も導入した経緯もあります。
2012年に発売された「BOSS GT-100」は、本田毅氏、SUGIZO 氏をはじめとする多くのプロギタリストがライブで使用するなど、プロの現場でも高い評価を得たモデルです。
まずはプリセット・サウンドを鳴らしてみよう
多数のエフェクターを駆使して理想のサウンドを追い求めることができるマルチエフェクターですが、初心者がいきなり理想の音を一から作りだすのは難しいことです。マルチエフェクターにはプリセットと呼ばれる「あらかじめ用意されたサウンド」が内蔵されています。プリセットには様々なジャンルに対応するサウンドが多数用意されているので、まずはプリセットを鳴らして自分好みのサウンドを見つけてみましょう。
BOSS GT-1000 Preset 50個をギター博士が弾いてみた!
プリセットの音を聞くことで、そのマルチエフェクターでどんなサウンドを鳴らすことができるのか、ある程度わかる。
定番のマルチエフェクター
マルチエフェクターの定番ブランドと言えば「BOSS」「ZOOM」「Line6」でしょう。いずれのブランドもマルチエフェクターの開発に歴史があり、BOSS、ZOOM共に日本のメーカー、Line6は本社はアメリカ合衆国にあるもののヤマハ株式会社の子会社と、この分野では国産ブランドがリードしています。
BOSS「GTシリーズ」「MEシリーズ」
定番エフェクターブランド BOSS では、エフェクトだけでなくアンプモデルやMIDIなど多彩な機能を搭載した「GTシリーズ」、マルチエフェクターとしての機能に重点を置いた「MEシリーズ」、という2シリーズからマルチエフェクターがリリースされています。
両モデル共に開発の歴史は古く、GTシリーズは
- 1996年:初代モデル「GT-5」
- 1998年:2代目「GT-3」
- 2001年:3代目「GT-6」
- 2004年:4代目「GT-8」
- 2008年:5代目「GT-10」
- 2012年:6代目「GT-100」
- 2016年:7代目「GT-1」
- 2018年:8代目「GT-1000」
MEシリーズは
- 1988年:初代モデル「ME-5」
- 1992年:「ME-10」
- 1995年:「ME-8」
- 1997年:「ME-30」
- 2003年:「ME-50」
- 2007年:「ME-20」
- 2009年:「ME-70」
- 2010年:「ME-25」
- 2014年:「ME-80」
というように、それぞれコンスタントに進化を遂げています。
おすすめは2016年発売の「GT-1」
BOSS GT-1
これからはじめてマルチエフェクターを手にするというなら、2016年に登場した「GT-1」がおすすめです。2012年当時のフラッグシップ(最高峰)モデル「GT-100」のサウンドエンジンを搭載した高品質なサウンドながら、マルチエフェクターとしてはリーズナブルな2万円を切る価格帯となっており、マルチエフェクター入門機に最適であるだけでなく、中級者やガンガンライブを行うようなギタリストにも納得のいくクオリティに仕上がっています。
BOSS GT-1をギター博士が弾いてみた!
BOSS GT-1 - レビュー記事
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Line6
Line6 POD 2.0
Line6は独自モデリング技術を駆使した「レコーディング向けマルチエフェクター」を開発しているメーカーです。代表的なのが「PODシリーズ」で、フットスイッチなどは搭載せず、デスクの上で操作するという手のひらサイズの製品です。内蔵エフェクトはもちろん、アンプシュミレーターのクオリティが非常に高く、PODが普及したことにより「自宅でもリアルなギターサウンド」を楽しむことができるようになりました。特に「POD2.0」は自宅レコーディングの敷居を下げた名機の一つです。
PODシリーズの大ヒットの後は「HD500X」といったフットペダルを搭載したフロアタイプや、スイッチと内蔵エフェクト数が選べる「Mシリーズ」など、ライブ向け製品をリリース。モデリング技術はさらに進み、現在では
- アプリで音作りができる「AMPLIFi」シリーズ
- AMPLIFiを発展させたフロア型マルチ「Firehawk FX」
- フラッグシップモデル「HELIX」
- HELIXからエフェクト部分だけを取り出した「HX Effects」
など、豊富なラインナップを揃えています。
人気の高い「Firehawk FX」、リーズナブルな「AMPLIFi」
Line6 Firehawk FX
「HELIX」を頂点とした高級路線のLine6のマルチエフェクターの中で、比較的リーズナブルな「Firehawk FX」が人気を集めています。200種以上のアンプとエフェクトを搭載、iPhone/Androidアプリを使った音作りに対応し、音作りが手元で簡単に行えるのが特徴となっています。アプリでの音作りは「AMPLIFi」シリーズを発展させたもので、サウンドは以下の「AMPLIFiシリーズを弾いてみた」動画でも参考になるでしょう。「Firehawk FX」では多彩な入出力端子が用意され、ライブやレコーディングでもガンガン使えるモデルとなっています。
一方「AMPLIFi 100」はさらにリーズナブルなモデルで、とりあえず自宅で使いたいという人はこちらがおすすめです。
LINE6 AMPLIFi FX100 をギター博士が弾いてみた!
LINE6 AMPLIFi 75/AMPLIFi FX100徹底紹介! - レビュー記事
Line6 Firehawk FX - Supernice!エフェクター
ZOOM
マルチエフェクターの先駆けとも言えるZOOMでは、コストパフォーマンスに優れた初心者向けモデルを数多く発表しています。初めて手にしたマルチエフェクターはZOOMという人も少なくないでしょう。定番モデルとなっている「G3」「G5」などのGシリーズ、ストンプボックスサイズの「MS-50G」など、年々進化するモデリング技術によって、現在ではリーズナブルながらも高いクオリティの音源を搭載するモデルが登場しています。
「G3n」、「G3Xn」、「G5n」
ZOOM G3n/G3Xn
2016年1月に登場した 「G5n」は ZOOM マルチエフェクターの最上位機種「G5」を進化させたコストパフォーマンスモデルで、「G5」や「MS50G」に比べてさらに歪みの質が向上しています。2016年9月に登場した「G3n/G3Xn」は「G5n」のダウンサイズ版で、上述の「BOSS GT-1」とも比較対象にあげられる人気機種です。ボリュームペダルやワウがいらないという人は「G3n」を選ぶと良いでしょう。いずれのモデルも初心者の強い味方になってくれるのは間違いありません。
さらに安く、という人には「G1on / G1Xon」が候補に挙げられます(後述)。
ZOOM G3n - 価格比較
ZOOM G3Xn - 価格比較
ZOOM G5n - 価格比較 - Supernice!エフェクター
古い型式だけど人気の高いモデル
定番ブランドの最新マルチエフェクターを紹介しましたが、これらのブランドのマルチエフェクターでは、型落ちしてしまっても機能面で新作と劣らなかったりサウンドのクオリティが高いなどの理由から、依然高い人気を誇るモデルがいくつか存在します。型落ちモデルは新作が登場することで安くなることもあるので、最新の定番モデルと共にチェックしてみると良いでしょう。
2016年のGT-1、2018年のGT-1000と新作が次々と登場するBOSSのマルチエフェクターの中で、2012年登場の「GT-100」は根強い人気を保っているモデルです。新作の登場によってどんどん求めやすい価格となってきているので、GT-100を選択肢に入れておくのもありでしょう。
BOSS GT-100
Line6「M13」は、「FM4」「DL4」などStompbox Modelerシリーズ4機種のエフェクトをそのまま移植したものを含む、全79種類の高品位なエフェクトを「12個のフットスイッチ」で操作することができるマルチエフェクター。一つ一つのエフェクトが単体のペダルを上回るクオリティとなっており、本機を単体エフェクターの集合体のように扱うことができるようになっています。
2013年に登場したLINE6 POD HD500Xは、「Helix」が登場するまでの間、LINE6 のフラッグシップとして君臨したモデルです。こちらも徐々に求めやすい価格に下がってきていますが、ライブやレコーディングに対応できる十分にハイエンド機材です。
LINE6 POD HD500X
コンパクトサイズのマルチエフェクター
マルチエフェクターを導入したいけど、エフェクターボードの中で場所を取りたくないという人は、コンパクトサイズのマルチの導入を考えてみてはいかがでしょうか。
ZOOM MS-50G
2012年に登場した「MS-50G」は、通常のエフェクターと同程度のコンパクトなサイズながら、47種のエフェクトと8種のアンプモデリングから最大6種類のエフェクトを同時使用できるという画期的な「マルチ・ストンプ」です。
マルチエフェクターとして十分なエフェクトを搭載しながら、チューナー機能搭載、単三電池駆動に対応など機能面でも充実しており、発売以来ロングセラーを続けるモデルとなっています。
Ver2.0になってからエフェクト数が100以上となり、歪み系からモジュレーション系まで、たくさんのエフェクトを場所をとらないコンパクトサイズで、かつ低価格で楽しむことができます。
ZOOM MS-50G - の価格を比較する
KORG PANDORA STOMP
2013年に登場したKORG「PANDORA STOMP」も上述のZOM「MS-50G」と同様、コンパクトサイズのマルチエフェクターとして高い評価を得ています。エフェクターやアンプモデリングなど158種類のエフェクトを同時7つまで使用することが可能、ユーザー・プログラムは200種類の保存に対応、外部入力対応のAUX INPUT、メトロノーム、100種類のリズムパターン内臓と機能豊富です。
またZOOM「MS-50G」がスタンダードなエフェクトを中心に内蔵しているのに対して、「PANDORA STOMP」では個性的な飛び道具系エフェクトを多数搭載しているのが特徴です。スタンダードなエフェクトも抑えつつ「変わり種」サウンドも使ってみたいギタリストにオススメです。
KORG PANDORA Stomp - の価格を比較する
TECH21 SANSAMP「FLY RIG 5」シリーズ
上から:FLY RIG 5、BASS FLY RIG、RK5、BRIT FLY RIG 5、CALI FLY RIG 5
プリアンプ/アンプシミュレーターとして長年に渡ってギタリスト/ベーシストに愛用されてきたSANSAMP(サンズアンプ)。そのサンズアンプの機能に加えて歪みセクション、ディレイセクション、リバーブを搭載したマルチエフェクターがTECH21「FLY RIG 5」シリーズです。3つのセクションはサウンドのクオリティはもちろんのこと、それぞれ十分に音作りを追い込めるようパラメータが搭載されています。またマルチエフェクターとしては驚異の薄さ・ギターケースにもすっぽりと収まるくらいのコンパクトさを実現しており、本機の大きな魅力の一つとなっています。
2014年に登場、マーシャル68年製プレキシトーンを意識したPLEXIセクションを搭載した「FLY RIG 5」、ベース用の「BASS FLY RIG」、リッチー・コッツェン・シグネチャー・モデル「RK5」、歴代マーシャルサウンドをカバーする歪みを搭載した「BRIT FLY RIG 5」、MESA Boogie Rectifier の歪みが得られる「CALI FLY RIG 5」と、5つのバリエーションがラインナップされています。
TECH21のマルチエフェクター一覧 - Supernice!エフェクター
MOOER GE200
2018年1月に登場したMOOERの「GE200」は、片手で収まるくらいのコンパクトなボディに、アンプモデリング55種類/エフェクト70種類/ルーパー/チューナー/50種類のドラムマシン/オーディオインターフェイス機能を搭載した、まさに全部のせといった様相を呈するマルチエフェクターです。MOOERがこれまでにリリースしてきた、著名なギターアンプサウンドをデジタルでモデリングしたエフェクター「Micro Preamp」シリーズが全て収録されている他、ほぼ著名なアンプサウンドが本機に内蔵されています。
エフェクターの並び順も自在に変更可能、エクスプレッションペダルも装備しているので、ワウなどのペダル操作が必要なエフェクトにも対応。3万円を超える価格帯なので手軽なマルチエフェクターとしては少々お高いと感じるかもしれませんが、従来マルチのアンプモデルに物足りなさを感じる人は一度試してみるといいかもしれません。
MOOER GE200 - の価格を比較する
マルチエフェクターとプログラマブル・スイッチャーが一台になった「BOSS MS-3」
BOSS MS-3は、アンプのチャンネル切替やエフェクトループのON/OFFなど足元のスイッチングを任意の設定にプログラムできる「プログラマブル・スイッチャー」機能と、全部で112種類のエフェクターを搭載した「マルチエフェクター」機能が一台に集約されるという、大変画期的なマシンです。
112種類のエフェクトはチューナーを含む歪み/空間系/モジュレーション/ピッチ他トリッキーなサウンドまで、あらゆるタイプを網羅。BOSSが培ったエフェクト・エンジンによるサウンドを享受できます。
スイッチャー機能では、1バンクで4種類のサウンド切替/◯番のバンクを踏むと別のエフェクトのON/OFFなどの動作ができ、例えばAメロ/Bメロ/サビ/ギターソロなど1曲の中で4種類のサウンド切替が必要な時でも、これ一台でまかなえてしまえます。
3系統のエフェクトループを搭載し、外部エフェクターを3つまで接続可能。好みの歪みペダルを繋いで音作りも行える他、MIDI制御や外部フットスイッチの接続にも対応するなど拡張性も高く、ライブパフォーマンス時の足元周りのセッティングに悩んでいる人にとっては、最適な1台となるかもしれません。
格安のマルチエフェクター
初心者向けでいいので、とにかく安く手に入れたいという人には以下のモデルがおすすめです。
ZOOM G1on / G1Xon
左:G1on、右:GX1on
2013年に登場したZOOM「G1on」「G1Xon」は、75種類のエフェクト内臓/クロマチックチューナー機能/最長30秒までのルーパー/68種類のリズムパターンと、マルチエフェクターとして十分な機能を搭載しながらも1万円を切る圧倒的にリーズナブルな価格が魅力のモデル。「G1Xon」は「G1on」にエクスプレッション・ペダルを搭載したモデルで、「G1on」は重量380g/「G1Xon」が640gと、持ち運びに負担がかかならい軽量コンパクトなボディです。
ZOOM G1on - の価格を比較する
ZOOM G1Xon - の価格を比較する
ZOOM G1 FOUR / G1X FOUR
2019年1月に登場した「G1 FOUR」「G1X FOUR」は、上述の「G1on」の流れを組むエントリー向けマルチエフェクター。70種類以上のアンプ/エフェクトモデルを搭載、エフェクトは最大同時5個の使用が可能、リズムマシンやルーパーを搭載するなど手頃な価格ながら充実した機能を持ったモデルです。性能自体はG1onにかなり近いのですが、本機の最大の特徴となっているIR(インパルスレスポンス)スピーカーキャビネット機能を利用することで、好みのアンプモデル/キャビネットを組み合わせたリアルなアンプモデリング・サウンドが得られます。
価格だけみるとエントリークラスですが、じっくり作り込んだ音はライブでの使用にも耐えうるクオリティを実現しています。
ZOOM G1 FOUR - 価格比較
ZOOM G1X FOUR - 価格比較
VOX
StompLab IG / StompLab IB / StompLab IIG / TONELAB ST
左から:StompLab IG、StompLab IB、StompLab IIG、Tone Lab ST
VOXは小型フロアタイプマルチエフェクター、「STOMP LAB」や「TONE LAB」を販売しています。一般的なマルチエフェクターはオーバードライブなどの歪み系エフェクトが弱く、歪み系だけ別のペダルで代用しているギタリストが大半です。しかし、VOXのマルチエフェクターは真空管アンプを意識した自然な歪み方をするので、内蔵エフェクトでも十分良いサウンドを鳴らすことができます。
STOMP LAB IGは5,000円を切る価格帯で、他モデルについても大変リーズナブルなマルチエフェクターとなっています。
VOX のマルチエフェクター一覧 - Supernice!エフェクター
ベーシストはベース専用のモデルを
BOSS GT-1B:「GT-1」のベース版
ベースにギター用のマルチエフェクターを使っても音は出ますが、ベース用マルチではベースにおいて効果的なエフェクトが搭載されていたり、低音域でエフェクトが掛かりやすいようになっています。やはりベーシストはベース用のマルチエフェクターを使うのがよいでしょう。
おすすめのベース用マルチエフェクター - ベース博士
ハイエンド・マルチエフェクター
元祖プロ仕様マルチ「TC ELECTRONIC G-System」
TC ELECTRONICが誇るフロアタイプの完全プロ仕様マルチエフェクター。本体には厚さ10mmのアルミ削り出しボディ、フットスイッチは18個のクロムメタルスイッチを採用し、プロの過酷な現場にも耐える構造となっています。
「G-System」には歪み系エフェクトは内蔵されていません。搭載されているのは空間系をはじめ、モジュレーション系やフィルター系など25種類です。エフェクトの処理は2基のDSPエンジンによって行われ、マルチエフェクターとは思えない高品位なサウンドを実現しています。音色が25種類というのは少なく感じるかもしれませんが、即戦力の空間系があればプロ仕様のマルチとしては十分でしょう。
音を歪ませたい場合は、本体に搭載されている4系統の「アナログループセクション」に歪み系ペダルを接続するか、「スイッチアウト端子」とギターアンプを接続してアンプのチャンネルを操作する必要があります。完全プロユースということもあり、決して安い買い物ではありませんが、自身のシステムをプロレベルまで引き上げたい方は導入してみると良いでしょう。
TC Electronic G-SYSTEM - Supernice!エフェクター
Line 6「Helix」シリーズの弟分:Helix LT、HX Effects、HX Stomp
Helix LT、Effects、HX Stomp
実売価格20万弱という高級ギター・プロセッサー(後述)「HELIX」は、現在のLine6の技術が詰め込まれた最高峰です。そして後に発表された「Helix LT」「HX Effects」「HX Stomp」の3機種は、Helixと同じオーディオエンジンを搭載し、HelixのDNAを受け継いだ弟分に当たるモデルです。
- Helix LT:アンプモデリングは残しつつ、Helixの機能を縮小させたコストダウンモデル
- HX Effects:Helixからエフェクト部分だけを取り出した小型マルチエフェクター
- HX Stomp:アンプモデリングは残しつつ、最もシンプル&コンパクト&リーズナブルなモデル
3機種いずれもHelix譲りの高品位なサウンドが得られます。またLine6往年の名機エフェクト「Mシリーズ」「Stomp Modeler」のサウンドも搭載しており、かつての名機のサウンドが得られるのはファンにとっては嬉しいポイントです。
LINE6 Helix LT - Supernice!エフェクター
Line6 HX Effects - Supernice!エフェクター
Line6 HX Stomp - Supernice!エフェクター
HeadRush Gigboard
Gigboardは、HEADRUSHのフロア型ギタープロセッサー「PEDALBOARD」をコンパクト化したモデル。LINE6 Helixをコンパクト化した「HX Stomp」の競合にあたる機種で、どちらもフラッグシップモデルの機能限定版であり、サイズ感・価格帯とも似たところに落ち着いている製品です。
後述の「AmpliFire 6」ともかなり近い存在ですが、「Gigboard」はこの2機種に比べて若干リーズナブルという点がアドバンテージとなっています。また大きい画面のタッチパネル式ディスプレイも特徴の一つです。
HeadRush Gigboard - Supernice!エフェクター
Atomic「Amplifire」シリーズ
AmpliFire 6
モデリングアンプの新星として登場したAtomicの「Amplifire」シリーズ。コンパクトなボディに精度の高いアンプモデリングと豊富なエフェクトを搭載、他社製のハイエンドマルチよりも小ぶりで使い勝手が良さそうなのが大きな特徴です。
Amplifireは3個、「AMPLIFIRE 12」は12個、最新モデルの「AmpliFire 6」は6個搭載と、フットスイッチの数が異なる3モデルを展開しています。セッションなどに気軽に持ち運びでき1台で音作りを完結できるというのは、忙しいプレイヤーにとって大きな魅力です。
Atomicのエフェクター一覧 - Supernice!エフェクター
最高品質のマルチ「ギター・プロセッサー」とは?
Fractal Audio AX8
近年、高度なエフェクト・モデリング技術だけに及ばず、ギターアンプのモデリング技術の向上によって、エントリー・モデルのマルチエフェクターにもアンプ・モデリングが搭載されていることも少なくありません。「ギター・プロセッサー」は極めて高品質なエフェクトやアンプ・モデリングを搭載し、自宅のパソコンと繋いでスタジオ・クオリティのレコーディングが可能な、まさにギタリストのための「オール・イン・ワン」な機材です。プロの間でも「レコーディングではアンプを使ってライブではギター・プロセッサー」という使われ方が多くなっています。
- KEMPER PROFILING AMP:真空管ギターアンプを「プロファイル」することで、実機が持つ振る舞いや特徴をキャプチャーする唯一無二のアンプ
- Fractal Audio Systems Axe-Fx II XL Plus:マルチエフェクター&プリアンプ&オーディオインターフェイスが一つになった、オール・イン・ワン・ギターシステム
- Fractal Audio Systems AX8:Axe-Fx II XL Plus からプリアンプ&マルチエフェクター機能だけを取り出したフロアタイプ
- Fractal Audio Systems FX8:Axe-Fx II XL Plus からマルチエフェクター機能だけを取り出したフロアタイプ
- Line6 HELIX:LINE6のフラッグシップ・モデル
- HEADRUSH PEDALBOARD:Eleven Rackの開発チームによって生み出された新たなブランドのギター・プロセッサー
- BOSS GT-1000:BOSSのフラッグシップ・モデル
といった製品が代表的なモデルです。
※KEMPERはギタープロセッサーではない。モデリングではなくプロファイリング
最高峰のサウンドを手に入れよう!ギタープロセッサー特集 - Supernice!エフェクター
BOSS GT-1000
2012年に登場した「GT-100」は、BOSSが手がけるマルチエフェクターのフラッグシップモデルとして長らく君臨しました。カスタムDSPとCOSM技術によるナチュラルなサウンドは、最上位モデルに相応しい高品位なものでした。
2018年4月に登場した「GT-1000」は、GT-100の後継機種に当たる次世代マルチエフェクターのフラッグシップモデルです。「ギター・プロセッサー」を自ら名乗り、内部処理は 32bit/96kHz と現時点で最高峰の音質となっており、「MD-500」「RV-500」「DD-500」などBOSSのハイエンド・デジタル・エフェクト、「OD-1X」「DS-1X」などXシリーズをはじめとするMDP技術を駆使したBOSSエフェクターを多数搭載しています。それだけでなく、独自技術「AIRD」によるリアルなアンプサウンド、豊富な接続端子、USB接続によるオーディオインターフェイス機能、Bluetooth対応によるワイヤレスでの音作りなど、次世代に相応しい多彩な機能を搭載しています。
ハイエンドモデルのマルチで、どんなことができるのかがわかる
他社のギター・プロセッサーに比べてアンプモデルの数は少ないですが、豊富な機能と高品位なエフェクト、何よりエフェクターボードよりもコンパクトなサイズで扱いやすいのが大きなメリットです。詳しくは次のレビュー記事を確認してみて下さい。
BOSS GT-1000 - レビュー記事

- [カテゴリ]エフェクター , [最終更新日]2019/09/05 07:41