モモセ(MOMOSE Custom Craft Guitars)

[記事公開日]2015/1/16 [最終更新日]2021/6/1
[編集者]神崎聡

Bizen Works 2016楽器フェア展示モデル

モモセ(MOMOSE Custom Craft Guitars)は有限会社飛鳥の製作によるハンドメイドギターのブランドです。飛鳥は高い技術力が認められており、James Tyler Japanのギターを加工している事でも知られています。

所属するクラフトマンが五感を頼りに材の個体差を判断し、手で加工することを重視しています。50~60年代の伝統的な製法を継承して1本1本手作りしているので、大量生産にはないクオリティとフィーリングを堪能できます。

MOMOSE の歴史

1977年、株式会社ディバイザーの経営者八塚恵氏が、著名なルシアーである百瀬恭夫(ももせやすお)氏を招き、「ヘッドウェイ・アコースティックギター」を創業します。
有限会社飛鳥は2004年にディバイザーから分社、工場が建造されます。
momoseはこの飛鳥工場で、百瀬氏の監修により生産するブランドとして立ち上げられました。

ギブソン・レスポールやSG、フェンダー・ストラトキャスターやテレキャスター、ムスタングなどをmomose流にアレンジしてリリースされたエレキギターなど、その確かな作りの良さから多くのプレイヤーから絶大な信頼を寄せられています。

様々なブランドで提唱する新しい価値:ディバイザー訪問インタビュー

MOMOSE ギターの特徴

職人の技を味わえる木工とパーツのセレクト

ゴトーのマグナムロック ペグ部分

momoseは「伝統の継承」を重視しながら「現代の志向にマッチする」こと、また「日本人に馴染む」ことを目指して設計されており、「日本人が手で作った」プレミアム度の高い高品位なギターをリリースしています。

「構えた時にストレスを感じさせない優れたフィット感」のためには「楽器全本体の重心がどこにあるのか」、が重要です。momoseでは木材それぞれに違いのある重量を考慮し、バランスが上手くとれるように整形、組み合わせをしています。

電気系では高級機のスタンダードであるCTSポット、及びスイッチクラフトジャックを採用。またペグには世界的に信頼のあるゴトーのマグナムロックをセレクト。ストリングポスト自体が弦を固定し、巻き数を減らしてチューニングを安定させます。ストラップピンも独特な「シルクハット型」で、ストラップが抜けにくくなっています。

「サーモウッド」の採用

サーモウッド

フィンランド発祥の技術で「加圧水蒸気下高温加熱処理」という長い名前の処理を施した木材を「サーモウッド」といいます。これは製材の段階で特別な熱処理を加える事で、水分を飛ばしてしまう行程を経ています。この処理を施す事で、木材の「経年変化」を人工的に進行させることができることからヴィンテージギターに近いフィーリングのサウンドが得られ、木材が安定する事から反りやねじれが出にくくなる、という大きな利点があります。ルックス的には色身が濃くなってシックな印象になります。

この加熱処理自体、またこの加熱処理を施した材木の事をサーモウッドと言いますので、言葉としては「サーモウッド加工したメイプル材」、「ネック、ボディ共にサーモウッド」という具合になります。

品番に「TW」が付いているものはネックがサーモウッド、「WTW」が付いているものはボディもサーモウッドになります。

MOMOSE ギターのラインナップ

momoseのラインナップは「ヴィンテージシリーズ」と「オリジナルシリーズ」の二つに分けられます。ヴィンテージシリーズはコピー度の高いモデルですが、単なるコピーモデルの範囲を超えたクオリティとアレンジが施されています。オリジナルシリーズは、伝統的なスタイルを継承しながらも機能性を重視したアップデートを施したカスタムギターになっています。

Vintage Series

MOMOSE Vintage Series Guitar 左から:MST2-SP/M NA/OIL 、MST2-SP/NJ BLK/OIL 、MTL1-STD/NJ CAR 、MJM1-STD/NJ SOB-MH 、MLS・KOA-LTD/NJ NA、MLC・KOA-LTD/E SB

ヴィンテージギターのサウンドとルックスの「再現」に留まらないクオリティとアレンジを施した、伝統的なスタイルのギターです。

品番に「何年モデル」のヒントとなる数字はありませんが、それぞれ50年代中頃、60年代初頭、60年代後半など目指している年代が設定されており、ボディ材(アッシュ or アルダー)や指板材(メイプル or ローズ)がそれに合わせてセレクトされています。また各年代のサウンドを目指したmomoseオリジナルピックアップが搭載され、年代ごとのサウンドを味わう事ができます。

サーモウッドを採用したモデルもラインナップされいており、注目を集めています。

ラインナップ
MST:ストラトキャスタータイプ
MTL:テレキャスタータイプ
MLS、MLC:レスポールタイプ
MJM:ジャズマスタータイプ

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旧モデル:モモセ流ムスタング MMG1-LTD

MMG1-LTD

サドルにチタンを採用、芯のしっかりした歯切れの良いサウンド/ローミッドの押し出しが増したムスタング・タイプのエレキギター。弦振動の安定、音質向上、豊かなサスティーンが実現しています。旧ヘッド、ノンコンターボディ、白ノブペグ等、ヴィンテージスタイルを意識したスペックです。

Original Series

MOMOSE Original Series左から:MC1-STD/NJ CAR、MC2-STD/NJ NA、MT1-STD/NJ 3TS、MT2-STD/M NA、ML1-STD/NJ FCS、MSG1-STD/NJ CR

現代的な仕様やmomose独自の設計を取り入れて、伝統的なスタイルのギターをアップデートしているモデルです。ヘッドのデザインはmomoseの「M」をかたどっており、遠くからでも一目でそれとわかるデザインです。カッタウェイはやや深めで、演奏性を向上させています。サーモウッド採用モデルは受注生産になります。

ピックアップには素直でストレートなサウンドが特徴の「YUTAピックアップ」がマウントされています。変なクセがなくエフェクタとの相性もいいのですが、素直であるがゆえに「鳴りの悪いギターには付けられない」ピックアップです。これを採用することに、momoseの自身が伺えます。

指板には「ウッドバインディング」が施されていますが、滑らかな指板サイドを実現させながらも、ルックスに影響が出ないように指板材と同じ木材が使用されています。

ハイポジションの演奏性が重視されるヒール部分は、伝統的なサウンドのフィーリングを残すために敢えて特別な設計になっていません。しかしネックプレートを落とし込んでおり、そのぶんスリム化して弾きやすくなっています。

ラインナップ
MC:ストラトキャスタータイプ
MT:テレキャスタータイプ
ML:レスポールタイプ

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モモセ流ストラトキャスター:MC2-STD

MC2-STD

ボディにアッシュ材を採用しており、抜群のアタック感、クリアーで抜けの良いサウンドを実現したストラトキャスター・タイプのエレキギター。ピックアップには素材の音色を引き立てるナチュラルなアルニコピックアップYUTAシリーズを採用。内部電装パーツも信頼性が高く、音質にも優れたUSAパーツで構成されています。
センターとリア両方を可変するトーンノブ、一手間加えフィット感を増したコンター加工、ロッド調整が容易なネック。ハイポジションでのプレイアビリティも高く、本家のクオリティを凌駕しているといっても過言ではありません。

旧モデル:モモセ流SG MSG1-STD

MSG1-STD

ギブソンSGの王道スペックを踏襲したMSG1-STD/NJは、MOMOSEが目指すビンテージテイストなサウンドと高精度な作りによる洗練度を体感できます。
最大の特徴は、なんといっても高品質なニューハカランダを使用したフィンガーボード。そしてこのMSGモデルのために新たに開発したピックアップはSGらしい豊かなミドルレンジと、クリーン/ディストーションの両方での優れたバランスを特徴とします。

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