音もルックスも新しいギター Fender METEORA

[記事公開日]2026/1/5 [最終更新日]2026/1/19
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

Fender Player Plus METEORA Player Plus METEORA(生産完了)

Fender「Meteora(メテオラ)」は2018年に限定モデルとして発表され、2022年には Player Plusシリーズでレギュラー入りを果たしました。2024年にはモダン系最強最新鋭「American Ultra II」シリーズのラインナップに加わったことで、ストラトキャスター先輩とテレキャスター先輩に並ぶ、フェンダーの看板モデルとなりました。
新しくも懐かしくもあるルックスと、パワフルながらフェンダーらしい新しいサウンドのある、これまでフェンダーを選ばなかったギタリストも含めた弾き手の創造性を強く刺激するギターです。今回は、このメテオラに注目していきましょう。

小林健悟

ライター
ギター教室「The Guitar Road」 主宰
小林 健悟

名古屋大学法学部政治学科卒業、YAMAHAポピュラーミュージックスクール「PROコース」修了。平成9年からギター講師を始め、現在では7会場に展開、在籍生は百名を超える。エレキギターとアコースティックギターを赤川力(BANANA、冬野ユミ)に、クラシックギターを山口莉奈に師事。児童文学作家、浅川かよ子の孫。

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webサイト「エレキギター博士」を2006年より運営。現役のミュージシャンやバンドマンを中心に、自社検証と専門家の声を取り入れながら、プレイヤーのための情報提供を念頭に日々コンテンツを制作中。


Exploring The American Ultra II Series Meteora | Ultra II | Fender

がっつり歪ませた図太い音にも絶妙な分離感がある、新しいけどやはりフェンダーらしさを感じさせる音。

さっそく紹介!Fender American Ultra II「Meteora」

Fender American Ultra II Meteora カラーバリエーションは3タイプ。ボディカラーに合わせて、指板材とピックガード&プラスチックパーツの色調が決められています。

現在のメテオラは、2018年に限定生産で初めて登場したレトロかつスタイリッシュなスタイルはそのままに、2基のパワフルなハムバッキングピックアップをそなえ、フェンダーの最強最新鋭「American Ultra II」シリーズのフォーマットに従った設計が採用されています。
最も高い基準で選別された素材と最新の設計が投入され、世界最高のステーにでも使用できる性能と、長期間の使用に耐える安定性を兼ね備えています。ではこのメテオラには、どんな特徴があるのかを見ていきましょう。

楽器本体の特徴

メテオラはフェンダーらしい作りと音を継承しながらも、これまで同社が採用してきた設計に一石を投じる新しい要素を採用しています。木材構成はアルダーボディ、4点留めメイプルネック、クォーターソーン・メイプルもしくはエボニー指板というオーソドックスさですが、特にボディ形状とスイッチの位置において、同社の他のモデルとは一線を画した設計です。
メテオラをフェンダーの代表機種、ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスターと並べてみましょう。何が見えるでしょうか。

Fender Player Plus METEORA:ウェスト 画像のメテオラはPlayer Plusシリーズ(生産終了)

第一に、1弦側のウェストの深さに注目してみましょう。他の3モデルのウェストは、深さが全部同じです。これに対してメテオラのウェストは、もうちょっと深くなっているのがわかります。ストラトやテレキャスより全長こそあるギターですが、抱えた時にはスリム/コンパクトに感じるわけです。

第二に、6弦側に設置されたトグルスイッチの位置を見てみましょう。テレキャスター・カスタムと比べると、かなり弦に近い位置に置かれているのが分かりますね。スリムなボディ形状に合わせた配置でもありますが、一瞬早く切替できます。
大きく伸びた印象のあるボディですが、エルボー部分が大胆にカットされているので、座っていても自然な感覚で演奏できます。

コンター加工
「Ultra コンター加工」と称されるバックコンターは深めで、フィット感は抜群です。ネックヒールは滑らかに整えられており、ハイポジションの演奏に有利。

ジャズマスター風のヘッド

ジャズマスター風ヘッド

ヘッドストックはジャズマスターを彷彿させるちょっと大きめサイズです。旧モデルではジャズマスター同様の羽のような曲線が添えられていましたが、現在は廃止。ロゴにはフェンダー上位モデルに採用される、金属シートが使われています。

現代的な弾きやすさを追及したネック

ネック

ネックはあらゆる演奏スタイルを想定した汎用性とタフな仕様環境に耐える安定性の両立を狙った、Modern “D”ネックシェイプのクォーターソーン(柾目材)メイプル製です。Modern “D”ネックシェイプは親指を出して握り込むスタイルに良好なワイドショルダーでありながらスリムさもあり、クラシカルスタイルでの押弦にも良好。クォーターソーン・メイプルは木目がまっすぐに延び、良好な調整を長期的に維持できます。
指板材にはエボニーまたはクォーターソーンメイプルを採用。適度に広いナット幅42.8mm、エッジの丁寧なロールオフ処理、10″~14″コンパウンド・ラジアス、ミディアムジャンボ・フレット装備という仕様は、現代のギタリストの運指をやさしくサポートします。また蓄光式Luminlay®サイドドットにより、ポジションの視認性も抜群です。

個性とフェンダーらしさ、そして多様性を備える電気系

ピックアップ

2基のHaymakerハムバッカーを備えるHH配列。「Haymaker(ヘイメイカー)」は格闘技で「相手を倒すつもりで繰り出す、大振りの強烈なパンチ」を意味します。力強い生命力に溢れた明瞭なトーンが持ち味で、甘く澄み渡ったクリーンからモダンなクランチサウンドまで、幅広くカバーできる表現力を持っています。

コントロールノブ

コントロールノブは、マスターボリューム、マスタートーン、ベースカットです。ボリュームは操作しやすいところに、トーンは誤作動が起きにくいところに、ベースカットはもっと誤作動させにくいところに、それぞれ配置されています。このベースカットがメテオラの大きな個性で、HH配列の出力を活かした暴虐なサウンドから、低域をガッツリと削った軽やかなサウンドまでを掌握できます。
ボリュームポットは「S1スイッチ」になっていて、アタマを押し込むとコイルタップが起動し、再び押し込むと解除されます。

機能性の高い金属部品

ブロックサドル

ステンレス製ブロックサドルは立ち上がりの早いアタックと豊かなサスティン、そしてしっかりとしたチューニング安定性を確保できます。大きなアノダイズド・ピックガードはアルマイト処理を施したアルミニウム製で、美しさと強さに加え、外来ノイズに対する強力なシールドになります。

ロッキングチューナー

ショートポスト・ロッキングチューナーは、ナットへの弦角度を確保することでナットに弦をしっかり圧着させ、音響性能を向上させています。ロック式となっており、烈しいプレイにも耐えるチューニングの安定性があります。背面のサムホイールで弦をロックする仕組みで、弦交換の作業時間を大幅に短縮することができます。


フェンダー・メテオラ

以上、フェンダーのニューモデル「メテオラ」に注目していきました。
メテオラは歴史あるフェンダーというブランドにおいて、全く新しいシェイプと音を持っているギターです。そのためどんなアーティストがどんなジャンルで使うものなのか、といった「ギターに対するイメージ」も固まっていません。むしろこれまでフェンダーを選ぶことのなかったギタリストに訴求するポテンシャルまであります。

PR動画ではヘヴィ路線のサウンドがフォーカスされていこそすれ、このメテオラがどんな場面で使われるイメージを持たれるかは、新しい世代のプレイヤーの手に委ねられているわけです。ぜひこのメテオラを手に取って、新しいギターがこれから歩んでいく歴史を作ってみてください。

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