《あらゆる音楽表現を可能とする多機能なギター》Fender MIYAVI TELECASTER

[記事公開日]2020/12/22 [最終更新日]2020/12/22
[ライター]小林健悟 [編集者]神崎聡

Fender MIYAVI TELECASTER

「サムライギタリスト」との異名をとるMIYAVI(みやび)氏が「これ1本で、どこでも闘えます」と称賛するギターが、フェンダーよりリリースされました。サムライに相応しい日本製、かつあらゆる音楽表現を可能とする多機能なギターに仕上がっています。今回は、この「MIYAVI TELECASTER」に注目していきましょう。


MIYAVI Telecaster
モノトーンのルックスがクールなギターです。

MIYAVIとは?

MIYAVI氏は大阪府出身、ピックを使わないパーカッシブな演奏スタイルを武器に若くしてデビュー、これまで12枚のアルバムを発表しているアーティストです。ご自身の活動では約30か国350公演以上のライブ、また8度のワールドツアーに出ています。このほか、

  • YOSHIKI氏(X JAPAN所属)とのユニット「S.K.I.N.」結成(2006)
  • アンジェリーナ・ジョリー女史監督映画「不屈の男 アンブロークン(2014)」にて映画俳優としてデビュー
  • 亀田誠治氏プロデュースのもと、ジャンルの異なるアーティストたちとセッションするプロジェクト「SAMURAI SESSIONS」を始動(2011)
  • UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使を受命(2017)
  • ファッションブランド「GUCCI(グッチ)」の広告キャンペーンに着任(2020)

など、ジャンルも国境も超えた活動を続けています。


MIYAVI GUCCI アコースティックライブ 「未来を変える私たちのアクション!」| ELLE Japan
もともとアコギをシバくスタイルでデビューしたMIYAVI氏。エレアコを使いながらもマイク録りで演奏することで、ボディの打撃音がナチュラルに響きます。

Fender「MIYAVI TELECASTER」の特徴

このほど発表されたシグネイチャーモデルは、MIYAVI氏ご本人が全幅の信頼を置くフェンダー・カスタムショップ製テレキャスターを出発点に、ご自身の監修で完成されました。その尖った特徴をチェックしていきましょう。

サスティナー搭載

MIYAVI TELECASTER

デビュー当初こそアコギのカッティングやスラップ奏法で名を成したMIYAVI氏でしたが、近年ではサスティナーを起用した正反対のフレージングも用いることで、表現の幅を倍増させています。本機のサスティナーは、ピックガード上にスイッチが付いているのが大きな特徴です。大振りのストロークを行うには注意が必要ですが、ピッキングの直後に起動させるなど、クイックな操作が可能です。

こだわりの3ピックアップ仕様

ピックアップ配列では、テレキャスターではかなり珍しい、HSS配列を採用しています。サスティナードライバーがフロントピックアップを兼ね、センター位置に「アメリカン・ヴィンテージ’65ストラトキャスター」 シングルコイル、リアにはセイモア・ダンカン「リトル ’59 Tele」ハムバッカーが搭載されます。

セイモア・ダンカン「リトル’59」は、1959年製「P.A.F.」ハムバッカーのサウンドをシングルコイルに収めたピックアップで、出力に頼らず中高域のレスポンスが良い、暖かく滑らかな音色を持っています。

アーミング可能

MIYAVI TELECASTER:ボディ

ブリッジはスーパービー社「マーべリック」が採用されており、テレキャスターの個性を残したままでアーミングができます。「マーべリック」のアーム可動部分はリアピックアップのプレートと接しており、「マイクロフォニック」と呼ばれるテレキャスター特有の音響特性を踏襲、今なお支持の厚いブラス製3連サドルにはオクターブ・ピッチを考慮したカットが施されており、正確なピッチで演奏できます。

ちょいマニアックな本体

MIYAVI TELECASTER:ペグ

これまで見てきたように、MIYAVIテレキャスターは全く新しい仕様を採用した最新式のギターです。しかし、ギター本体はというと21フレット仕様でコンター加工もヒールカットも無い、クラシカルな設計です。アルダーボディ、メイプルネック、ローズ指板という木材構成、並びにトーン/ボリュームのフラットノブ、セレクタースイッチのシルクハットノブという操作系は60年代のスタイルです。これに対してピックガードは、黒い一枚板の5点留めという50年代仕様が採用されています。ペグも伝統的なクルーソンタイプです。

また、フロントピックアップを兼ねるサスティナードライバーがボディに直接マウントされており、「高さ調節のためにはピックガードを外さなければならない」というところまで、ヴィンテージ・スタイルを踏襲しています。

MIYAVI氏の意向を反映したシェイプを持つネックについては、やや丸みを残した9.5″指板Rとミディアムジャンボフレットという仕様が現代的です。ネック裏塗装はグロス仕上げで、適度なグリップ感が得られます。

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。