デューゼンバーグ(Duesenberg)のギターについて

[記事公開日]2015/1/17 [最終更新日]2024/6/23
[編集者]神崎聡

デューゼンバーグ(Duesenberg)のエレキギター

「デューセンバーグ」は1930年代を象徴するハンドメイドの高級車「デューセンバーグ」の名を冠したドイツのブランドです。クルマのデューセンバーグはハリウッドスターやマフィアの御用達でした。ギターのデューセンバーグはこの時代の流行である「アール・デコ」調のデザインを特徴としており、幾何学的なモチーフやギラっとしたカラーリングで独特の風合いがあります。

このレトロ感の漂うルックスは男性目線では「クール」に見え、女性目線では「かわいい」と言われ、ロック/パンク/ブルースのアーティストを中心に人気です。

デューゼンバーグの歴史

1978年に設立したパーツメーカー「ロッキンガー」社が、ドイツのハノーバーで世界初となるエレキギターのキットを販売して成功した事からはじまります。ネックやピックアップなどパーツ製造でシェアを拡大していき、1981年にはアメリカにも事務所を建て、1986年にギターブランド「デューセンバーグ」が設立されます。経営が傾いて生産が止まった時期がありますが、現在では生産を再開。
インパクトたっぷりのルックスとしっかりした作りで人気を集めています。

デューゼンバーグ・ギターの特徴

デューゼンバーグ(Duesenberg) V-type旧モデル:V-type

全パーツ自社開発

グレッチやギブソンを彷彿とさせる伝統的なエレキギターの設計をベースにしながらも「古き良きアメリカ」を思わせる大胆なデザインがまず目を引きます。ピックガードやペグのつまみ、コントロールノブなどに至るまで統一感のあるデザインがされており、もちろんハムバッカー、P-90タイプなどピックアップやブリッジ、トレモロシステムまで自社開発で、いかにもパーツメーカーが展開しているブランドだということを実感させられます。

扱いやすく、自由度の高いトレモロユニット

ビグスビーを思わせるレトロなルックスのトレモロユニットは「ダイアモンド・デラックストレモロ」と名付けられており、デューセンバーグのオリジナルパーツのひとつです。可動部分にはベアリングがはめられており動作がスムーズで、アームの傾き加減や長さをネジで調製する事ができます。またビグスビーの泣き所であった、弦交換のやりにくさが改善されています。

「PLEK」による高精度な指板/フレット

2009年から、デューセンバーグのギターは全て「プレーク(=PLEK)」の処理を受けて出荷されます。正確な音程、美しいサウンドのためのネック/フレットの調製が行われる、近年流行している調製法です。

デューゼンバーグ・ギターのラインナップ

デューセンバーグのエレキギターはフルアコ/セミアコ/ソリッドボディで20種以上のラインナップを誇り、受注生産を含む多彩なカラーバリエーションがあります。どのモデルも一貫して統一感のあるデザインになっており、開発者ディーター・ゲルスドルフ 氏(Dieter Gölsdorf)の趣味が伺えます。

Starplayerシリーズ

Duesenberg Starplayerシリーズ

デューセンバーグの定番機で、スプルーストップ、メイプルバック、ロングスケールメイプルネックのセミアコです。ソリッドボディ、デタッチャブルネックの「Special」を除いた全てにダイアモンド・デラックストレモロが搭載されています。椎名林檎氏がデビュー前にローンで買い、PVなどで使用して一躍知名度を上げたのはこのシリーズです。

一見レスポールやグレッチを思わせる外観ですが、1ヴォユーム1トーン、セレクタスイッチという構成で操作はシンプル。右肩に輝くブランド名の頭文字「D」のエンブレムがとてもクールな印象を受けます。
代表機のStarplayer TVはアーチトップ&バック、6弦側にFホール、フロントにP-90タイプピックアップという構成で、これを基本に2H(TV Deluxe)や3H(TV Custom)のピックアップ、両側にFホール(TV Deluxe)、Fホール無し(TV NF)、フラットトップ&バック( III)というバリエーションがあります。

デューセンバーグ・ギターの主な愛用者

カールカールトン、ロンウッド、キース・リチャーズ、マイク・キャンベルといったギタリストも、デューセンバーグのギターを使用した経緯があります。

椎名林檎(1978-、ex.東京事変)


日本でにおけるデューセンバーグ普及の最大の功労者はこの椎名林檎氏で間違いないでしょう。1988年のデビュー以来StarplayerII(廃盤)をトレードマークにし、アーティストモデルもリリースしました。シングル、アルバムともに作品を多数発表し、アーティストへの楽曲提供やカバーなど、多方面に精力的な活動を続けています。

ジョニー・デップ(John Christopher “Johnny” Depp II、1963-)

johnnydepp_model ジョニー・デップ・モデル

映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」などで知られるジョニデ氏ですが、ハリウッドスターの他にミュージシャンの顔も持っているということは、日本では余り知られていません。オアシスの曲やローリング・ストーンズのアルバムにもギターで参加し、自身のアルバムを発表する程に活動は本格的です。氏の身体を彩るタトゥーをあしらったアーティストモデルが世界限定52本生産されています。

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