フェンダー・ジャパンのエレキギター

[記事公開日]2014/2/9 [最終更新日]2024/8/22
[編集者]神崎聡

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フェンダー・ジャパンはその名前の通り、フェンダー社の正式なライセンスを受けている日本のギターブランドです。低価格でありながらも、本家フェンダーに勝るとも劣らないクオリティを持っているのが特徴。オリジナルモデルやアーティストモデルも多数生みだし、幅広い層に受け入れられています。

フェンダー・ジャパンの歴史

フェンダー・ジャパン

フェンダージャパンのロゴ

1970年代以降、日本には大手ギターブランドであるフェンダーのコピー商品が多く出回っていました。そこでフェンダー自身が日本で安価なギターを販売するため、子会社としてフェンダー・ジャパンを設立。コピー版を一掃する目的と、フェンダーの廉価版シリーズである“Squier(スクワイヤ) by fender”を普及させるための戦略でした。
しかし経営難から売却や統合を余儀なくされ、フェンダー・ジャパンは一時解散。その後、フェンダーの代理店だった神田商会が新たにコピーライセンスを取得して、フェンダー・ジャパンを自社のプライベートブランドとして再興させました。国産製品ならではの品質の高さや、オリジナルモデルが多くのファンに評価されていましたが、神田商会とのライセンスが終了した2015年3月20日を以って Fender Japan ブランドは終了となりました。

フェンダー・ジャパン・ギターの音や特徴

木材はバスウッドを多用

本家フェンダーに多く使われているのは「アルダー」という木材。柔らかなサウンドや低音から高音までバランスよく響く特徴をいかして、スタンダードな材質として親しまれています。それに対してフェンダー・ジャパンの多くが使用している木材は「バスウッド」。こちらは安価であるというメリットのほか、軽くて扱いやすく、音質もプレーンでクセがないことを特徴としています。フラットな音なので、アンプやエフェクターで加工しやすいのも魅力。自分好みの音作りを楽しみたい人にぴったりです。

最近ではアユース材(アフリカ原産で、軽さと乾燥後の狂いが非常に少なくヨーロッパの建築物にも使用されている材)をボディ材に採用したモデルが人気です。
比重0.4以下で、アルダーの比重0.4~0.5、バスウッドの比重0.42程度を大きく上回る軽さという新しい素材を使ったギター(一部のベースにも採用)です。

本家よりも安価、侮れない品質

また、物作りにおいて日本の製品は細部まで丁寧に作り込まれているとよく言われます。フェンダー・ジャパンも同じく、本家USAよりも安価とはいえ侮れない品質を持っているのが特徴。また、日本人向けに使いやすくしてあることや、他のブランドにない豊富なカラーバリエーションをそろえているのも魅力です。もちろん値段もリーズナブルなので、初心者やアマチュアにとって頼れる1本となるでしょう。
パーツや細部の仕様はUSAと異なりますが、モデルによってはUSA製のピックアップを使用しているギターも有るので、ピックアップにこだわりがある方には良いかと思います。

豊富な企画商品

fender-japan-st62_spl FENDER STRATOCASTER 60th Anniversary Model:ST62-SPL
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もう一つの魅力としては、フェンダーJAPANオリジナルの企画商品が多い事です。日本市場を意識したマニアックな仕様や素材を使用したギターが多いです。日本人に人気のあるアーティストのシグネイチャーモデル(マーカス・ミラー、リッチー・コッツェン、イングヴェイ・マルムスティーン)や、本家アメリカではあまり人気の少ないムスタングが充実している事、日本人向けのミディアムスケールのストラト等、個性的な商品も多くラインナップ。速いサイクルで新商品が投入されるので、見逃さないようにチェックして頂きたいです。カタログ外の限定モデルや限定カラーが投入される事が本当に多いのでファンとしては嬉しいですね。

フェンダーを選ぶ選択肢として、フェンダーJAPANがある事も覚えて頂きたいです。

フェンダー・ジャパン・ギターのラインナップ・各ラインの特徴

本家フェンダーと同じように、ストラトキャスター/テレキャスター/ジャガー/ジャズマスターモデルが販売されています。また、ムスタングやスティール・ギター、ウクレレといった珍しいタイプも網羅されているのが特徴。また材質から仕上げまで徹底的に再現したヴィンテージ・リイシュー・シリーズも好評です。本家にはないオリジナルモデル、リッチー・コッツェン(Mr.Big/ポイズン)やイングヴェイ・マルムスティーンなどのアーティストモデル、ボディがアーチ状になっているので弾きやすく、初心者向けの仕様に特化したエアロダイン・シリーズなど、さまざまなニーズに応えるモデルがあります。

-使用ギタリスト-

  • NAOTO(ORANGE RANGE / delofamilia)
    沙田 瑞紀(ねごと)
    上中 丈弥(THE イナズマ戦隊)
    澤 竜次(黒猫チェルシー)

ほか

フェンダー・ジャパンはどんな音楽シーンで使われてきたか

使用ギタリストを見てわかるとおり、比較的若手のギタリストに愛用されています。その理由は、フェンダー・ジャパンが廉価版として親しみやすいだけではありません。というのも、特徴のところで述べたように音をアレンジしやすいことがあげられます。「ロック」というカテゴリーでもロックンロール・ハードロック・パンクロックとさまざまなジャンルがある中で、現代のロックサウンドは型にはまらないスタイルを求めていると言えるでしょう。
その音づくりのニーズに応えるギターとして、若手ミュージシャンに選ばれていると考えられます。

もちろん国産品質の安心感や信頼感もフェンダー・ジャパンならではのメリット。値段やブランドにこだわらない、本当のロックンロール・スピリッツやポリシーを持ったギタリストに愛好されていることは間違いありません。

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