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「現代音楽」の進化は、いつの時代も演奏技術の進歩とサウンドの烈しさを伴いました。そして現代の楽器もまた、そんな現代音楽の要求に応えるべく進化を続けてきました。フェンダーの「メイドイン・ジャパン(MIJ)モダン」シリーズは、まさに「今」の音楽に最も有用な、最も弾きやすく、また最も激しいサウンドが得られるラインナップです。今回は、従来のイメージを覆しながらもフェンダーらしさを失っていないと言われる、この「MIJモダン」シリーズに注目していきましょう。
Style of Modern Vol.1 : マーティ・フリードマン
独特のピッキングフォームと個性的なフレージングを持ち味とする、マーティ・フリードマン氏。ヘヴィな演奏の中に、茶目っ気も決して忘れません。日本語が堪能でトークの面白さにも定評があり、また演歌の「こぶし」を、ビブラートのヒントにするほどの親日家です。MIJモダンの登場以前は、フリードマン氏がフェンダーのギターを弾く姿など、誰も想像しえませんでした。
ギターもベースもリリースされているMIJモダンですが、設計のおおまかなコンセプトは全機種で共通しています。特徴的な仕様をチェックして、MIJモダンとはだいたいどういうものなのかを考えていきましょう。
MIJモダンのヘッドは、フェンダーの伝統的な形状はそのままに、金属製のブランドロゴとモデル名のみ表示という、洗練されたデザインです。この意匠は「アメリカンウルトラ」シリーズと同様で、この時代の「モダン系最強最新鋭」モデルを象徴します。
ボディとヘッドが同じカラーになる「マッチングヘッド」も多く、クールな印象を持たせます。トラスロッドはヘッド側に開口しており、ネックを外さなくとも調整ができます。
全機種共通で、指板には木目が美しく色調の濃い、上質なローズウッドが厳選されます。ナット部の9.5インチRからエンド部の14インチへと徐々に変化する「コンパウンド・ラジアス」指板は、弦高を思い切り下げたセッティングが可能です。
またネックにも「コンパウンド・ラジアス」シェイプが採用されています。ローポジションはぎゅっと握れるモダンCシェイプ、ハイポジションへ行くに従ってつまむような押弦に有利なDシェイプへ変化し、各ポジションで良好な弾きやすさを感じることができます。ヒールカットによりハイポジションの演奏性が高められ、またネック裏はサラッサラのサテン仕上げで、引っかかりのないスムーズなポジション移動が可能です。
MIJモダンのボディは、外側へ行くに従って緩やかに厚みが無くなっていく、流線形が大きな特徴です。見た目の美しさはもちろん、右手がちょうど良く収まる設計です。またこのトップはボディ材を大胆に削るので、本体重量が軽減されます。
アルダー材の「3P構造」であることも注目に値します。フェンダーは伝統的に「ボディ材のプライ数はサウンドに影響しない」という立場を取っていました。しかし木材は、張り合わせることで強度を増す性質があります。木材を「川」の字に張り合わせる3プライ構造は剛性が高く、弦振動を力強く受け止めます。この高いボディ剛性が、しっかり歪ませてもコシを失わない明瞭なサウンドに一役買っていると言って良いでしょう。
「モダンモディファイド・ハムバッキングピックアップ・タイプ1」は、その名の通り現代のサウンドに合わせたモダン志向のピックアップです。しっかり歪むパワーがありながら、コードがしっかり聴き取れる分離の良さを保つ、クリーンでも美しいサウンドが得られる設計です。しかもノイズがしっかり抑えられる、高い性能を持っています。
「カバードでボディに直付け」という仕様も特徴的です。ピックアップカバーによって、やや柔らかいサウンドキャラクターが作られます。これを直付けすることで、リズム弾きに良好なキレの良さが追加されます。
シングルコイルは、第4世代のノイズレス・ピックアップです。出力は控えめでヴィンテージ系のサウンドキャラクターを持っていますが、パッシブの素直なサウンドのまま、驚くほどの静粛性があります。
ペグとブリッジについても、しっかりモダン系に振りきっています。例えばストラトキャスターHHでは、ペグにダイキャスト製のバックロック式ロック式ペグ、ブリッジは2点支持のシンクロナイズド・トレモロユニットにブロックサドル、という組み合わせです。弦交換が素早くできて、アーミングがスムーズで、チューニングが安定して、サスティンが伸びる、という高機能です。
ブリッジについては各モデルに違いがあり、それぞれのサウンドに異なるニュアンスを含ませています。
MIJモダンからは今のところ、ギターが6モデル、ベースが2モデルリリースされています。こんどはこのラインナップ全体を眺めていきましょう。木材やピックアップが共通するモデルが多いですが、楽器としてのキャラクターはしっかり付けられています。
3タイプあるHH配列機は共通して、ピックガードなし、カバードのハムバッカー直付けという仕様です。操作系はシンプルですが、特にセレクタースイッチの位置にモデルごとの違いがうかがえます。また、3機種とも異なるブリッジが採用されており、ニュアンスの違いを生んでいます。
ストラトキャスターHHは、5つのカラーバリエーションすべてがマッチングヘッドになっています。各ピックアップのトーン、マスターボリューム、レバー式3WAYセレクタースイッチという操作系で、ブリッジは2点留めのシンクロナイズド・トレモロユニットです。ブリッジの下にはザグり加工が加えられているので、ちょっとしたアームアップを含む大胆なアーミングが可能です。
MIJ Modern Stratocaster HHを…
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テレキャスターHHは、5色のうち3色がマッチングヘッドです。3WAYトグルスイッチは低音弦側にあり、テレキャスター・カスタムやテレキャスター・デラックスに近い操作感です。ボディ背面にはコンター加工が施されており、フィット感もじゅうぶんです。
ブリッジは弦をボディ裏から通すハードテイル・ブリッジで、弦振動をしっかりボディへと伝達します。肉厚なブリッジプレートはボディに埋め込まれるように配置されるので、ボディからの弦高は低めに抑えられています。シングルカッタウェイのボディとこのブリッジによるためか、HH配列機3モデルの中でこのテレキャスターHHが最も力強い低音域を持っています。
MIJ Modern Telecaster HHを…
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ジャズマスターHHは、5色すべてがマッチングヘッドです。3WAYトグルスイッチは、本来のジャズマスター同様に高音弦側ホーン部に配置されます。
チューン・O・マチックタイプのブリッジが採用されていますが、そのためかHH配列機3モデルの中では比較的、高音域に存在感があります。ジャズマスターを評するときによく使われる「じゃじゃ馬」感が、このMIJモダンでも味わうことができます。
MIJ Modern Jazzmaster HHを…
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シングルコイルを搭載するモデルは、ピックガードがありマッチングヘッドは非採用で、伝統的なフェンダーの延長上にあることを強く感じさせます。しかしその中身には、しっかりモダンな仕様が組み込まれています。
テレキャスターは一組の第4世代ノイズレスピックアップを載せた、ローノイズかつシンプルなギターとして仕上がっています。シビアなセッティングを追い込むことができる6連ブロックサドルはブラス製で、テレキャスターらしい倍音感が得られます。ボディ背面にはコンター加工が施され、脇腹にやさしいフィット感が得られます。
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MIJ Modern Stratocaster
ストラトキャスターはSSS機とHSS機の2タイプあります。HSS機のハムバッカーはHH機と同じですが、こちらはトーンポットのスイッチによりコイルタップが可能です。
2点支持のシンクロナイズド・トレモロユニットは、HH配列機と同様にボディ接地面のザグり加工が施されており、ちょっとしたアームアップを含む大胆な表現が可能です。FRTではすっかり常識化したこのザグり加工ですが、シンクロナイズド・トレモロではまだまだ珍しく、フェンダーの歴史ではおそらく初採用です。
MIJ Modern Stratocasterを…
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ジャズベースは基本設計の共通する4弦と5弦の2タイプで展開しています。5弦のカラーバリエーションは3色ですが、4弦ではMIJモダンで最多の7色という気合の入れようです。
Made in Japan Modern Jazz Bass
他カラーラインナップは全部で7種類
4弦/5弦共にMIJモダンの基本設計に従った楽器本体ですが、ブリッジに注目すべき特徴が見られます。アメリカン・プロフェッショナルと同じ「Hi-Mass Vintage」ブリッジは堅牢で重量感があり、アタックとサスティンに優れます。また弦ごとにトップロード/裏通しを選択でき、好みのテンション感を得ることもできます。これに加えてMIJモダンでは、ボディの接地面を掘ることでブリッジ本体をボディに沈め、ボディからの弦高をちょっと下げた設計になっています。このちょっとした違いが、技巧的な演奏では大きなアドバンテージになります。
操作系は、現代のアクティブベースとして必要十分な仕様です。ミニスイッチでアクティブ/パッシブを切り替えることができ、パッシブ時にはマスターボリューム、トーン、バランサーが使用できる普通のジャズベースとして使用できます。第4世代ノイズレスピックアップが採用されているため、弾いた音しか出ません。アクティブ時にはこれに加え、ブースト/カットできる3バンド・イコライザーが使用できます。
プリアンプは18V仕様でゆとりのあるヘッドルームが得られ、タッチが敏感に反映されます。
以上、メイドイン・ジャパンModernシリーズをチェックしていきました。日本製のフェンダーでは最高グレードに位置するラインナップですが、それでも現実的な価格に抑えられているのは、大きなメリットです。「《最高の演奏性、最高のトーン》Fender MADE IN JAPAN MODERN STRATOCASTER」記事にて、かつての最強最新鋭「アメリカン・エリート」との比較を試みていますが、MIJ モダンは10万円もの価格差を感じさせない高性能なモデルであることがわかります。ショップで見かけたら、最高レベルの演奏性と現代のサウンドを、ぜひチェックしてみてください。
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