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Godin 5th Avenue CW Kingpin II(Burgundy)
「ゴダン(Godin)」は、カナダのゴダン・ギター社(CEO:ロベール・ゴダン氏)がプロデュースする、エレアコやエレキギターのブランドです。カナダ産の木材を多く使ってカナダ国内で作り上げることを一つのセールスポイントにしていますが、大胆な発想で最新の設計を盛り込んでいく野心的なラインナップは、エレアコはハウリングに強く、エレキギターはサウンドバリエーションが豊富で、特に「ライブに強い楽器」として定評があります。今回は、そんなゴダンのエレキギターについて見ていきましょう。
備考:ブランド名の読み方
社名の「Godin」は英語なら「ゴディン」と読みますから、英語圏の人はそのまま英語で「ゴディン」と読みます。カナダでは英語とフランス語がほぼ同じように使用されますが、ゴダン本社の位置するケベック州ではフランス語が公用語です。「Chopin」を「ショパン」、「Lupin」を「ルパン」と読むように、フランス語の発音で「ゴダン」と読み、日本語での読み方もこれに従っています(ゴダン社長ロベール氏も、英語読みではロバートとなります。ややこしいですね)。
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1: ゴダンの特徴 1.1: 「新しさ」の象徴、MIDI互換技術 1.2: 企業努力による高いコストパフォーマンス 1.3: 既存のイメージに縛られない「ニュートラル感」 2: ゴダン・エレキギターのラインナップ 2.1: フルアコ「5th Avenue」シリーズ 2.2: セミアコ「Montreal Premiere」シリーズ 2.3: Sessionシリーズ 2.3.1: 基本モデル「Session」 2.3.2: Session LTD 2.3.3: 上位機種「Progression Plus」 2.3.4: トップグレード機「Passion」 RG3 2.3.5: シングルカッタウェイ「Session Custom ’59」 2.3.6: Session Custom T’59 2.3.7: Session Custom LTD 2.4: レスポールタイプ「Summit Classic CT」 2.5: シンセが使える「LGX」「 txSA」シリーズ 2.6: エレキとエレアコのハイブリッド
カナダにはメイプルが多く自生しており、また植林も盛んで、メイプルの葉が国旗のモチーフになっているほどです。カナダの国旗で描かれるメイプルの葉は、「メープルシロップ」を作る「シュガーメイプル」のものです。このシュガーメイプルこそが、ハードメイプル、またはロックメイプルと呼ばれる木材になるのです。カナダでは特別に硬いメイプル材を「ハードロックメイプル」と呼ぶそうですが、まさにエレキギターを作るためにつけられたような名前ですね。ツブツブが浮き上がるものは「バーズアイメイプル」と呼ばれ、重宝されます。
このシュガーメイプル(=ハードメイプル)以外のメイプルが全て「ソフトメイプル」と呼ばれます。ただしこれは「ハード」との区別で「ソフト」を選んだというだけの呼びかたに過ぎず、ハードメイプルほど硬くないとはいえ、ソフトメイプルもたいそう硬い木材には違いありません。シルバーメイプル、またはシルバーリーフ・メイプルがその代表格で、キルトやフレイムなど美しい模様が浮かび上がることが稀にあります。
ゴダンが製品に使用するメイプル材は地元のもので、工場から1キロも行けば手に入れられるほど身近なものだといわれています。カナダは木材資源が豊かですから、ゴダンではメイプルの他にもローレンシアン・バスウッドやワイルド・チェリーなどカナダ産の木材を多く使用しています。
ゴダン・ギター社はギターのOEM生産を請け負うメーカーとして1970年代に創業、有名ブランドの製造を引き受ける大企業へと成長していきます。社名を冠する「ゴダン」ブランドを立ち上げたのは1980年代終盤と伝えられていますが、エレキギターのような抱え心地のエレアコや、ギターシンセとして機能するエレガット、シンセの音もアコギの音も出せるエレキギターなど新時代のギターは、急速に市場に浸透していきました。
ゴダンのエレキギターは、「伝統的な工法と新しいコンセプトとの、完璧なバランス」を目指しています。OEM生産で蓄積してきたギター製造のノウハウをバックボーンに、
など新しいアイディアを積極的に取り入れていくことで、伝統に根ざしながら新しさのあるバランスの取れた楽器として完成されています。
ゴダン製品における新しさの象徴が、「ギターでシンセサイザーを鳴らすことができる」という機能です。専用ケーブルをローランド「GR-55」などのギターシンセサイザーにつなぐことで、ピアノやバイオリンなどさまざまな楽器の音をギターから出すことができます。
ギターシンセと連携できるギターは、「SA(シンセ・アクセス)」と呼ばれます。SA機はサドル内にRMC社製ポリ・ドライブ・ピックアップ(ピエゾ)とトランスデューサー(変換器)が仕込まれており、各弦をそれぞれバラバラに検出します。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=46&v=EnfnfBjghPM
Godin Multiac Nylon Demo by Tomohiro Maeda with Leo Komazawa
各弦をバラバラに検出するため、例えばシンセ使用時に
なんていう設定もできます。またピエゾピックアップを利用していることから、エレアコとして使用することもできます。ギター一台で、エレキギター、シンセ、アコギの3つの音が出せるわけです。
また、ギター本体を設計する時点で、シンセを使用することを前提とした、ギターシンセとして最適化された作りを目指しています。
という研究の成果に従い、SA機では指板にリッチライトが使用され、アコースティックモデルですらボルトオンジョイントされます。リッチライトはエボニーの代わりに使用される人工素材ですが、安定性と密度についてはエボニーに勝っています。普通ならエボニーが無いから仕方なくリッチライトを使うのですが、こちらではより良い結果を得るために、積極的にリッチライトを選択しているわけです。
Godin XT-SA Rosewood 2016 Limited:13ピンのMIDIケーブル端子が搭載されている
ギターシンセと連携できる機能が「最初から内蔵されている」のもポイントです。ふつうギターシンセを使用する場合、普通のエレキギターにギターシンセ専用のピックアップを取り付けます。これは楽器に埋め込むのではなくボディに貼りつけるものですから、外観を大きく変えてしまうことになりますし、クロスで汚れをふき取る時にも若干手間がかかります。
SA対応機種を…
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ゴダンのギターは仕様や品質のわりに比較的リーズナブルなことで知られていますが、これはカナダの物価が安いからでもゴダンが安いパーツを使っているからでもありません。ゴダンは量産ブランドでありながら、全ての製品を自社工場で製造しています。原木の選定からセットアップまで一貫して「自社工場製100%」という生産体制には、コストに関するあらゆることが自助努力でどうにかできる、というメリットがあります。ゴダンはケベック州(カナダ)に4箇所、ニューハンプシャー州(USA)に1箇所ある自社工場をうまく連携させ、効率的な生産体制を樹立しています。
価格を抑える上で最大のネックは人件費ですが、いろいろな工夫を積み上げていって生産の効率を上げていくことで、生産数当たりの作業時間を短縮し、人件費を抑えることができているというわけです。
ゴダン・ギター社はゴダン以外にも多くの自社ブランドを展開しています。「カナダ発祥ブランド」として、見たことがある、という人もいるかもしれませんね。
これらのギターはすべて、ゴダン・ギター社の工場で生産されています。どのブランドも品質の割にリーズナブルなモデルが多く、ゴダン・ギター社の生産力をうかがい知ることができます。
また、全機種3年間の品質保証が付いているのもポイントです。高級なブランドでは永久保証が目立ってきましたが、普通なら1年間です。日本国内でも、代理店を通して保証を受けることができます。
ストラトキャスター、テレキャスター、レスポールといった超スタンダード機に限らず、オーソドックスなスタイルのギターにはたいがい有名な愛用者や特徴的なサウンドがありますね。ギタリストなら誰しも、ギターごとに「これはこんなジャンルで使う」とか「このギターはこんなプレイに向いている」などのイメージを少なからず持つものです。そのイメージがうまく作用すると、そのギターだからこそ導き出すことのできる、雰囲気の良い演奏になりやすいと考えられています。
しかしこれがギターに対する「先入観」や「固定観念」になってしまうと、弾き手の自由な発想を邪魔することになる、とゴダンは考えました。そこで、ゴダンからリリースされるエレキギターはコピーモデルではなくどれもオリジナル・シェイプで、特定の癖がない弾き心地になっています。いろんなギターのイメージに引っ張られないニュートラルなギターによって、プレイヤーはより輝くことができるとゴダンは考えているのです。
では、ゴダンのエレキギターのラインナップを見ていきましょう。ゴダンはエレキギターブランドとしては新参になりますが、長年OEMを受注してきた生産力を武器に、大変幅の広いラインナップを展開しています。ゴダンのギターはエレアコでもエレキギターみたいな弾き心地を持っており、エレキギターとエレアコとの線引きをするのはちょっと苦しいんですが、ここでは「マグネットピックアップを備えている」ものをエレキギターとみなしています。
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