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ポールリードスミス(PRS:Paul Reed Smith)

ポールリードスミス(PRS:Paul Reed Smith)

アメリカ合衆国の高級ギターブランド「ポール・リード・スミス(以下、PRS)」は、創業者ポール・リード・スミス氏によって、1985年のNAMMショウでデビューしました。
それに先立つ1970年代より、スミス氏は屋根裏部屋でコツコツと自作ギターを製作していましたが、氏の作品をいろいろなプレイヤーが愛用するようになっていき、遂にはサンタナ氏の目に留まります。サンタナ氏がプロトタイプを気に入って愛用したことでPRSの認知度が上がり、注文が殺到するようになって初めて工場を設立することができました。


An interview w/ Paul Smith 2015

丁寧な作り、プレイアビリティ、そして何よりエレガントなたたずまいにより、NAMMショウで公開された20本のギターは「NAMM20」として伝説になるほどの衝撃で迎えられます。ハムバッカーやフロイドローズを搭載したいわゆる「スーパーストラト」が席巻していた1980年代のエレキギターシーンにおいて、全く異なるアプローチのギターブランドとしてPRSは大きな成功を収めた唯一のブランドだと言われます。

PRSはブランドとしては後発ですが、開発にたっぷりと時間をかけ、常に進化を続け、クオリティを落とすことなくより良い楽器を提供しようとし続けてきたことにより、現在ではギブソンとフェンダーに次ぐ「第三のブランド」と称される程の支持を集めています。「古いPRSのギターがどんなに素晴らしくても、新しいPRSのギターはそれよりも素晴らしいもので、そうあるように努力し続けている。」創業者ポール・リード・スミス氏のコメントが、PRSのアイデンティティを如実に物語っています。日本ではエレキギターのイメージですが、現在ベースやアコギ、アンプなど幅広く製品を展開しています。

PRSギターの特徴

徹底的に美しいルックス

PRS Custom 24 - Black Gold WrapPRS Custom 24 - Black Gold Wrap

「世界一美しいギター」の称号はグレッチのホワイトファルコンに譲っていますが、PRSギターのデザインはモダンかつエレガントで洗練されており、また一見してPRSだと判る特徴的なものです。トップのメイプルやインレイなどの装飾、またカラーリングの美しい芸術性の高さもPRSの際立った特徴です。プレイアビリティとサウンドでPRSのユーザーになるプレイヤーも、多くはまず第一にルックスの格好良さに魅かれるといいます。
木目の美しさを活かすため、ボディにはピックガードが取り付けられません。

PRSギターはギブソンのレスポール・スペシャルをモデルとしており、屋根裏部屋で製作していた頃に作られた精巧なコピーモデルが残されています。試作を重ねるうちにボディのくびれやカッタウェイ形状、トップのアーチなど次々とアレンジを加えていき、現在のスタイルに落ち着きました。木目の美しさを一層引き出すと言われる複雑なカーブを描くアーチトップはPRSの技術の高さを象徴しており、本体の軽量化と据わりの良い重量バランスにも貢献しています。

10top

PRS:10top10topのCustom24

PRSの美しさの象徴とも言えるボディトップのメイプルですが、10本中1本の割合で最も美しい模様が出ているメイプルは「10top(テントップ)」と名付けられ、ヘッド裏に製造番号とは別に「10」が記入されます。これによってただでさえプレミアム感のあるPRSに更にプレミアム的な価値が付加されますが、そうでないギターが美しくないというわけでは全くなく、ユーザーとメーカーの美意識の違いもあり、「10topに劣らないレギュラー品」も多く存在します。


バードインレイ

PRS バード・インレイ指板に打ち込まれた鳥のシルエットのインレイ

フレットごとに異なる色々な鳥のシルエットの指板インレイを「バードインレイ」といい、PRSの大きな特徴の一つとなっています。開発当初はオプションの仕様でしたが、現在ではほぼ標準化しています。2008年まではインレイ全体で鳥のシルエットを作っていましたが、それ以降はアウトラインをインレイにすると言うデザインに変更されており、インレイの素材を何にするか、内側に何を打ち込むのかなど、多くのバリエーションがあります(最高級機種ではギター全体を覆うドラゴンのインレイを持つモデルなど存在します)。
創業者ポール氏の母親はバードウォッチが趣味で、自宅にあったガイドブックの鳥がデザインのモチーフになっているとのことです。

楽器としての性能

ダブルカッタウェイやアーチトップ、マホガニーセットネック、2基のハムバッカーなど、PRSギターは多くのモデルが共通したルックスやスペックを持っていますが、ネックグリップや仕込み角度、搭載するピックアップや電装系、ボディ形状や厚みなど、モデルごとに細かく違いが設けられています。これは「PRSはこういうギターです」という基本設計があり、それを元に各モデルで想定される音楽シーンやプレイスタイル、出したくなるサウンドにフィットするようにアレンジが加えられているからです。
モデルごとにいろいろな違いを楽しむことができますが、どのモデルも共通して弾きやすく、またどんなジャンルにも対応できる「使える音」を持っている優秀な楽器です。

ネックグリップ

PRSは独特の25インチというネックスケールを採用しており、ギブソンよりも若干弦に張りが出る、しかしフェンダーほどではないというバランスになっています。また、ギブソンが24.75インチ、フェンダーが25.5インチですから、25インチはおおむねその真ん中で切りのいい所であり、「ギブソンからもフェンダーからも、持ち替えに違和感がない」という設計でもあります。

そのネックグリップは平たい印象ですが、ギブソン系より若干薄く、アイバニーズほど薄くはないバランスになっており、特に手のサイズに自身のないプレイヤーに訴えるサイズ感です。「ルックスでPRSに惚れたプレイヤーが、次に虜になるのがこのネックグリップだ」と言われる中毒性の高い握り心地です。

豊富なオリジナルパーツ

PRSはほとんどのパーツを独自開発していますが、どれもベースとなったパーツを上回る機能と品質を持ち、楽器としての性能に一役買っています。

フェーズIIIロッキングチューナーフェーズIIIロッキングチューナー

i)ロッキングチューナー
PRSは1985年のデビュー当時からストリングポストで弦を固定する「ロッキングチューナー」を採用し、その時点での世界最高品質のペグだと称されました。以来モデルチェンジを重ねており、2015年時点では「フェーズIIIロッキングチューナー」が標準仕様になっています。ストリングポスト先端に弦をロックするツマミがあることはそれ以前の「フェーズII」と代わりありませんが、台座部分のカバーを外してギアを露出させ、軽量化させています。


PRSストップテイルピースPRSのストップテイルピース

ii)ブリッジ構造
フェンダーに代表されるシンクロナイズド・トレモロシステムを踏襲したPRSトレモロが基本ですが、堅牢な作りで安定性とサスティンに優れ、また本家より音程の可変域が多くなるように設計されています。
またトレモロレスモデルに搭載されるストップテイルピースは、60年代にギブソンの社長だったテッド・マッカーティー氏発案によるバーブリッジを踏襲していますが、オクターブピッチにあわせて立体的な加工がされています。弦ごとの微調整はできなくなっていますがパーツ点数が少ない分だけパーツ剛性が高く、音質とサスティンに優れています。
ホロウモデルに搭載されるピエゾ内蔵ブリッジはこの分野の第一人者であるL.R.Baggs社との共同開発で、バダスタイプでオクターブ調整ができるようになっています。


PRS ピックアップハムバッカー2基が基本スタイル

iii)ピックアップと電装系
PRSではフロントピックアップをベースピックアップ、リアをトレブルピックアップ、センターはミドルピックアップというように、サウンドの特徴で各ピックアップを称しています。
・熱く(=Hot)、太く(=Fat)、叫ぶ(=Scream)という意味のリア用HFS
・HFSとマッチングさせたフロント用Vintage Bass
・コイルの素材や製造機械などを1950年代と同一にした59/09
・新開発のミニハムバッカーnarrow408
など、サウンドの心臓部分であるピックアップも自社開発しており、各モデルごとに搭載されるピックアップが定められています。本来のサウンドだけでなくタップしたサウンドもオマケなどではなく、ちゃんと使える音になるように設計されています。

サウンド

・ギブソンとフェンダーの中間となるネックスケール
・フェンダーを踏襲したシンクロナタイプのトレモロ
・ギブソン的なマホガニーセットネック
という楽器本体の仕様から、PRSはギブソン・レスポールフェンダー・ストラトキャスターの中間と表現されることが多くありますが、粘りや荒々しさ、またギラギラした凶暴さを抑えた耳に心地の良いサウンドでありながら中音域がしっかり主張する、抜けとキレのある実用的なサウンドは他の何者でもないPRSのサウンドだと認知されています。


The Doobie Brothers - "Nobody" (Official Video)

弾きやすくサウンドバリエーションもあり機能性の高いギターなので、芸達者なリードギタリストが使用するイメージがありますが、ドゥービー・ブラザーズのトム・ジョンストン氏のようにコードプレイに徹しても、PRSはイイ音を出してくれます。

PRSのエレキギター・ラインナップ

PRS のエレキギターは、トップグレードの「プライベート・ストック」、標準グレードの「コア・モデル」、価格を抑えたグレードの「S2」、韓国で生産するスチューデントモデル「SE」と、グレード別に分けられます。

コアモデルとして「408」「P22」「ホロウボディ」「JA-15」などが、各グレードで共通するシリーズとして「Custom22」「Custom24」などが存在します。

prs-300

PRSの主な使用ギタリスト

  • ポールアレンダー(クレイドルオブフィルス)
  • リチャードウィリアムス(カンサス)
  • スティーヴンウィルソン(ポーキュパインツリー)
  • ブラッドギルス(ルビコン、ナイトレンジャー)
  • チャドクルーガー(ニッケルバック)
  • カルロス・サンタナ(サンタナ)
  • ニールショーン(ジャーニー)
  • ダランスミス(フューネラル・フォー・ア・フレンド)
  • キャットダイソン
  • アルディメオラ
  • ブラッドデルソン(リンキンパーク)
  • マークトレモンティ(クリード、アルター・ブリッジ)
  • デイヴナヴァロ
  • ライアンフィリップス(ストーリーオブザイヤー)
  • ビリーマーティン(グッドシャーロット)
  • ゲイリームーア
  • アレックスライフソン(ラッシュ)
  • ラリーラロンデ(プライマス)
  • 安藤まさひろ
  • KAZI (山嵐)
  • 桑田佳祐
  • JESSE(RIZE)
  • SCHON
  • DAITA
  • 長瀬智也
  • 野村義男
  • 福山雅治
  • 渡辺香津美
  • 薫(Dir en grey)
  • 新藤晴一(ポルノグラフィティ)

PRSのギターアンプ

PRS SWEET16
PRS SWEET16

PRSは高品質なギターアンプについてもいくつか製造しています。高級感漂う同社エレキギターと同様、見た目もゴージャス。そしてそのビンテージ・サウンドは王道ロックからブルースまで、幅広い音楽に対応できるアンプです。

PRSのギターアンプ - Supernice!ギターアンプ