ギター・アンプヘッドの扱い方

[記事公開日]2020/9/9 [最終更新日]2023/9/30
[編集者]神崎聡

ギターアンプヘッド HIWATT「MAXWATT Custom Super-Hi 50」

アンプヘッドは「スピーカーキャビネットを装備していないギターアンプ」のことで、キャビネットを別に用意し、専用のケーブルで接続して使用します。コンボアンプとの違いは「好みのキャビネットを選択できる」ことで、組み合わせによって幅広い音作りを可能とします。

本体裏を見ると、「8Ω」や「16Ω」といった「スピーカー出力端子」が確認できます。Ωとは「抵抗値(インピーダンス)」のことで、使用するスピーカーのインピーダンスに合わせて、接続する端子を変えていきます。

例えば、使用するスピーカーが「16Ω」だった場合、アンプヘッドも16Ωの出力端子を使います。これは4Ω、8Ωも同様で、「アンプとスピーカーのインピーダンスを合わせて使う」ようにしましょう。

また、アンプヘッドとキャビネットを接続する際は、必ず「スピーカーケーブル」を使うようにします。シールドケーブルを使用すると故障の原因になる他、「発火あるいは感電」する恐れがあります。命に関わることなので、スピーカーケーブルの使用は厳守するようにしてください。

アンプヘッドの使い方

ヘッドアンプとキャビネットがつながっているのを確認 スピーカーアウト端子から
ケーブルでキャビネットと繋ぐ

アンプヘッドは、本体とキャビネットスピーカーを専用のケーブルで接続して使います。ケーブル類が間違いなく接続されていることを確認してから電源を入れるようにしましょう。
特に真空管アンプの場合、スタンバイスイッチを入れてからしばらく放置し、真空管をしっかり暖めてから音を出すようにしてください。次のページではマーシャルの定番アンプヘッド「JCM2000」の使い方を紹介しています。

Marshall JCM2000 の使い方・音作りの方法

アンプヘッドの持ち運び

アンプヘッドの持ち運びは「自動車」を使うと良いです。ヘッドだけとはいえ、実際に持ち運ぶとなるとそれなりの重量があるので、自転車や徒歩(電車)で持ち歩くのは難しいでしょう。万が一のことを考えても、車で運搬するのがベターな選択と言えます。

どうしても徒歩で持ち歩きたい方は、「小型アンプヘッド」の購入をオススメします。専用ケースに入れても3kg程度なので、片手で持ち運ぶことが可能です。小型とはいえ、小中規模のライブハウスで使える定格出力を兼ね備えているので、即戦力として最前線で使っていけます。

アンプヘッドの選び方

アンプヘッドは「定格出力(W)」に合わせて選ぶのがオススメです。大ホールや野外ステージで使う場合は「100W以上の大出力アンプヘッド」を、一般的なライブハウスなら「30W〜100Wの中出力アンプヘッド」を、小規模のライブハウスや自宅用なら「30W以下の小型アンプヘッド」を選ぶと良いでしょう。

また、真空管アンプはトランジスタアンプと比べると、最終的な音量が「40%大きい」と言われています。つまり、定格出力が同じ30Wのアンプでも、フルボリューム時の音量が真空管アンプの方が大きいので、自宅で使用する方は店頭で試奏してから購入するようにしましょう。

おすすめのアンプヘッド

アンプヘッドでライン録り

アンプヘッド:ラインアウト端子 ラインアウトを搭載した Marshall JVM head

エレキギターのレコーディングには「マイク録り」と「ライン録り」といった2種類の方法があります。マイク録りは音質こそ良いですが、セッティングやレコーディング環境を考慮すると、アマチュアにとっては敷居が高くなりがちです。そのため、最近ではライン録りでレコーディングをするギタリストが増えてきています。

また、各メーカーから「ラインアウト端子」を備えたアンプが続々と登場しています。ラインアウト端子から「D.Iやオーディオインターフェース」に接続することで、「スピーカーから音を出さずにレコーディング」することができます。

自宅に大きなキャビネットを置く必要も、面倒なマイキングも、防音対策も必要ありません。ラインアウト端子を備えているアンプはまだ少ないですが、これからのモデルには標準機能として搭載されることでしょう。

ラインアウトが搭載されていないアンプは、「ダミーロード」を使うことでライン録りを可能とします。有名なのがKOCHの「Dummybox DB60-HOME」で、アンプのスピーカー端子と接続することでライン録りができるようになります。自宅でマイアンプを使った練習、レコーディングをしたい方は導入をオススメします。

アッテネーターとは?

アッテネーター CREWS GB-VI

アッテネーターは「減衰器」のことをいい、アンプをドライブさせた状態で「音量だけを下げる」ことができる便利なアイテムです。真空管アンプはドライブサウンドを得るために、ある程度の音量が必要ですが、アッテネーターを使うことで、小音量でも十分歪ませることができます。

アッテネーターには「許容入力」がそれぞれ決まっているので、その範囲内で使用するようにしてください。例えば、許容入力が「100W」のアッテネーターなら、定格出力が「100W以下」のアンプを使います。正しい使い方をしないと故障の原因になるので、マイアンプの出力に合ったアッテネーターを購入するようにしましょう。

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電源ケーブルで音は変わる??

電源ケーブル

ギターアンプの電源ケーブルを良質な物に交換すると、「音が変わる」ことをご存じだったでしょうか。電源にこだわるギタリストは、ギターアンプの電源ケーブルを「オーディオ用」の製品に交換して使っています。

オーディオ用電源ケーブルは「抵抗成分が小さい」ため、「電圧降下が小さく」なります。これによりアンプの出力が上がり、同時に「音圧」が上がります。音圧が上がることで、同じセッティングでも、オーディオ用電源ケーブルの方が聴覚上「音が大きく聴こえる」ようになります。

一般的には「音量が上がった=音が良くなった」と捉える傾向にあるので、オーディオ用電源ケーブルは良い音に聴こえる、という訳です。

とはいえ、ギターアンプの電源ケーブルに数万円もする製品を使う必要はありません。元々アンプ自体が「大音量で鳴らす」ことを前提に作られているので、仮に高級なケーブルを使ったとしても、ボリュームを上げてしまえばその違いに気づく人は殆どいません。

ただ、電源ケーブルで音が変わることは事実ですので、ケーブルの交換を検討している方は、高くても数千円程度の物から選ぶことをオススメします。

アンプヘッドのケースについて

ギターアンプヘッド ケース アンプヘッドのハードケース:ROADREADY RRGAL32

アンプヘッドは基本的に「専用ケース」に入れて運搬します。特に真空管アンプは外部から衝撃に弱いので、持ち運びには専用のハードケースが必須です。ケースに収容するとかなりの重量になるので、「キャリーカート」などを別に用意し、現場に到着してからもスムーズな運搬ができるようにしましょう。


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