アイバニーズ(Ibanez)のギター徹底紹介!

[記事公開日]2016/3/1 [最終更新日]2022/12/21
[編集者]神崎聡

RGシリーズ

ibanez-rg

Ibanezの代表的モデルで最も種類が多く、また多くのシグネイチャーモデルのベースになっています。一般のストラトよりも大きく削られたカッタウェイ、薄い成形のネックグリップとフラットに近い指板、角を落としたヒールなどが特徴で、ロック系、テクニカル志向のプレイヤーに得にフィットするように作られています。

「ハム – シングル – ハム」という独特のピックアップの配列が特徴的なモデルや、スルーネック・モデル、7弦モデル、キルテッド・トップ・モデルなどバリエーションも豊富です。

ハード/ヘヴィ・ロックの王道「Ibanez RG」徹底分析!

Sシリーズ

Ibanez Sシリーズ 左から:S5470M、S5570Q、S5521Q、SIX20DBG、S621QM

軽量な極薄のボディを特徴とする「S」は、RGに並ぶアイバニーズの定番機種で、「ボディもネックも薄くて軽いけど、音は太くて丸い」という他にはなかなかない個性を持っています。この「極限までの薄さ」を追求するあまりセレクタスイッチが本体に収まらず、またアウトプットジャックはボディトップに設置されています。
先述のRGには様々なボディ材が使用されましたが、Sでは派生モデルも含めた全モデル一貫してボディにマホガニーを使用しており、極端に薄いボディから来る薄っぺらいイメージとは裏腹の、中音域の豊かな太く丸いトーンを狙っています。この「音の丸さ」を重視しているため、ハムバッカーをエスカッションでマウントするのが標準仕ですが、アイアンレーベル以外はアイバニーズのオリジナルピックアップを搭載しており、「Sとは何か」というコンセプトが明確にあります。こうした点が、どんな仕様も柔軟に取り入れるRGとの大きな違いとなっています。

《薄いボディに太いサウンド》アイバニーズ・Sシリーズ

AZシリーズ

Ibanez AZシリーズ

2018年に登場した「AZ」シリーズは、アイバニーズの看板モデル「RG」よりも丸みを帯びたボディに、全機種共通でローステッドメイプルを採用、よりトラディショナルな雰囲気を漂わせ「モダン・プレイヤーがギターに求める理想を実現した」エレキギターとなっています。

《ジャンルを超越したギター》Ibanez 「AZ」シリーズ特集
《ギタリストへの扉が開く》Ibanez「AZES」シリーズ

FRシリーズ

Ibanez FR 上:FR6UCS、下:FRIX6FEAH

「あらゆるジャンルに溶け込むデザインとサウンドを備える Free style Rock gear」というコンセプトのFRシリーズ。テレキャスター・タイプながらブラックを基調としたハードな印象の本機は、いかにもハード/ヘヴィネスな音楽にマッチしそうですが、Prestigeシリーズ「FR6UCS」では2ハムながら5wayのピックアップセレクターが選択でき、繊細な音色まで出力します。

一方Iron Label「FRIX6FEAH」はマホガニーボディにトップ材はアッシュを使用、シンプルな3wayのピックアップ配列で、ヘヴィなダウンチューニングにも対応するメタル専用ギターに仕上がっています。

《フリースタイル・ロックギア》Ibanez「FR」シリーズ

Artistシリーズ

Ibanez Artistシリーズ AR2619

「AR」のコード名で知られるIbanezでも最も歴史の長いモデルで、記念すべき第一号(#2612)は1975年のデビューでした。レスポール的なボディ構造とセットネック、2基のハムバッカーという仕様で、ギブソン系の伝統的なハムバッキングサウンドを狙った作りになっています。多くの愛用者がいましたが、1970年代後半から1980年代にかけて一斉を風靡したニューミュージックバンド「オフコース」のギタリスト鈴木康博氏の使用が有名です。

AR2619(Prestige)

左右対称のダブルカッタウェイ、メイプルトップ&マホガニーバックというボディ構造で2ハムバッカーという仕様は、70年代当時ではYAMAHA(https://guitar-hakase.com/995/)のSGに近く、SGとARはライバルとしてシェアを競っていました。ヤマハはコイルタップを「バイサウンドシステム」として推していましたが、アイバニーズはその先を行く「トリサウンドシステム」を開発します。
当時のトリサウンドは「ハムバッカー、タップ、フェイズ(位相反転)」というものだったようですが、現代ではフェイズが求められる機会は少ないため、本機に採用されているトリサウンドは「ハム、タップ、パラレル(並列)」という3タイプの切り替えになっています。
伝統を継承したレトロ感のあるギターですが、素早い弦交換ができる独自設計のテールピースなど、アイバニーズは当時から利便性や合理性をかくも追求していたのかと感じさせられる一本です。

Artistシリーズを…
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Roadcoreシリーズ

ibanez ROADCORE シリーズ

ROADCORE(ロードコア)シリーズは、ボーカルやコーラスを担当する「唄うプレイヤー」に向けてIbanezが提案するニュー・スタンダードとなるギターです。レトロ感を漂わせる個性的なルックスに、

  • ボディ材には素直な特性でピックアップの特徴を表現しやすいアルダーをセレクト、重量バランスを考慮してヘッド落ちがしにくいボディシェイプ
  • アコギからの持ち替えにストレスの少ないやや太めのネックシェイプ、コードを押さえるのに有利な250Rの指板、鳴りを重視して採用された4点留めボルトオンジョイント
  • 加工精度に信頼がおけるメイドインジャパンで、唄いやすいオープンなサウンド

という特徴を備えています。

まず伴奏がメインの仕事になるという想定から、特にコードの響きが美しくなるような工夫が込められています。精度の高いGOTOH製ペグを採用していながら、あえてHAPシステム(軸の高さを変えることで、ストリングガイドがいらなくなる)に頼らず、1,2弦と3,4弦にストリングガイドを使用、ナットにしっかりとした角度で弦が当たります。
また弦をボディ裏から通すので、ブリッジにしっかり弦がかかります。これらの工夫によって弦の「張り」が強調され、抜けの良いブライトなサウンドになります。加えてブリッジはボディにしっかり固定されており、弦振動の伝達効率が増強されています。

それでいてブリッジはボディにめり込むように落とし込まれており、弦高をしっかり下げることができます。これによってコードプレイだけでなくフレーズ弾きやテクニカルなリードプレイにまで、さまざまなスタイルの演奏に挑戦しやすくなっています。

ラインナップには3種類あり、

  • RC1720M:メイプル指板、ハムバッカー2基
  • RC1720S:ローズ指板、P-90 タイプ2基
  • RC2720:ローズ指板、ブロックインレイ、セイモア・ダンカン SHRP-1 「P-Rails」2基

モデルごとにそれぞれ異なったボディカラーが用意されています。

トップグレードの「RC2720」に載っているピックアップは、

  • P-90タイプ
  • バーポールピースのシングルコイル
  • ハムバッカーピックアップ

という3つのモードをロータリースイッチで切り替えることができ、トーンのバリエーションに優れます。

TALMANシリーズ

Ibanez TALMAN 上から:TM1702M、TM1730M、TM1803M

1990年代前半に登場し、一度は姿を消したものの多くの要望によってカムバックを果たしたTalman(タルマン)。ガレージ・シーンの香り濃くファンシーでファニーだった当時のモデルを現代的にアップデートさせての再登場です。シングルコイル2,3基搭載(TM1730Mのみ5wayセレクター)、ストラトキャスターとテレキャスターの「あいのこ」然としたルックスが特徴的です。3機種共通でアルダーボディにメイプル指板、指板Rは305㎜、トラディショナルなCシェイプネックと、伝統的なスタイルが踏襲されています。

Ibanezの個性派「Talman」装いも新たに限定復活

変形ギター

XPIR20E(Iron Label)

ibanez XPIR20E

シリーズ名になっている「Xiphos(ザイフォス[zaifəs])」は「古代ギリシャ人が使用した片手で使う剣」を意味し、「ステージに立つギタリストにとって、ギターは人殺しの道具である」というメタルミュージックの世界観を体現しています。この分野で著名なB.C.リッチジャクソンに負けない刺さりそうなボディシェイプに考え抜かれた演奏性とパワフルなサウンドが込められています。

PS120

ibanez PS120

ポール・スタンレー氏(KISS)のシグネイチャーモデルは1970年代に誕生した「アイスマン(Iceman)」をベースにしています。当時このタイプは富士弦楽器製造(フジゲン)で生産され、神田商会(グレコ)が日本国内で「ミラージュ」として、星野楽器が「アイスマン」として海外で販売しました。
装飾に高級感がありながら求めやすい価格の本機は、上位モデルと同じピックアップが搭載されているためかなり本物に近いサウンドになります。「Prestige」として国内で生産される上位機種になるとパーツがアップグレードされるほか、ヒール部が手に優しい滑らかな仕上げになります。

シグネイチャー・シリーズ

JEM7V JEM7V

ここではスティーヴ・ヴァイの「JEM」をピックアップします。
「JEM」は1988年以来、ヴァイのトレードマークとなっています。「RGシリーズ」を基調に、手が入るように大きくボディに穴をあけたモンキーグリップ、爪で深くえぐったようなブリッジ裏、葉がポジションマークになっている美しいインレイが外観上の大きな特徴で、ディマジオの「エボリューション」ピックアップがサウンドメイキングの要になっています。


Steve Vai Answers live in Tokyo July 8th 2014
スーパーギタリストスティーヴ・ヴァイが自身のシグネイチャーモデル「JEM」、7弦ギター「ユニバース」を使用するようになったのは、フランク・ザッパのバンドを辞してソロ活動を始めた頃で、以来、この二つのモデルは彼自身のトレードマークになっています。音楽への強い探求心、斬新な発想、誰も追いつく事の出来ない高度なテクニックで、アルバムを発表するたびにリスナーに驚きと感動を伝え続けています。

JEMを…
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アイバニーズのホロウボディ・ギターのラインナップ

アイバニーズのホロウボディ AS73FM Green Valley Gradation

アイバニーズはフルアコ及びセミアコの分野でも歴史が長く、ARTSTAR/Artcoreという二つの異なるコンセプトを持ったシリーズを展開しているほか、ジョージ・ベンソン氏やパット・メセニー氏など、多くのトッププロのシグネイチャーモデルを発表しています。ホロウボディはすでに楽器として完成されており革新的なアイディアが入り込む余地は少ないと見られていますが、本家ギブソンのスタイルを受け継ぎながらも独自性のあるギターを発表しています。

アイバニーズのホロウボディ・ギターについて

その他のアイバニーズ製品

Ibanez のアコースティックギター

アコギは近年のアイバニーズが積極的にシェア拡大を目指している分野です。アウトボードプリアンプ同梱で話題となった高級エレアコ「AE」を筆頭に、アコースティック本来の鳴りを極力失わずエレキギターと違和感がないネックを採用した「AEGシリーズ」、大振りなボディの「AELシリーズ」、エレクトリック・ガット・ギター「GAシリーズ」、またウクレレなど、エレキギターと同様こちらも豊富なラインナップを揃えています。

Ibanez(アイバニーズ)のアコギについて – アコースティックギター博士

Ibanez のエフェクター

TS808 TUBE SCREAMER

アイバニーズはエフェクターやギターアンプの製造も行っています。特にオーバードライブ・エフェクターの「チューブスクリーマー」シリーズはゲイリームーア、スティーヴィー・レイヴォーンらも愛用する、この分野の定番商品です。
チューブスクリーマーは真空管アンプを気持ちよくブーストしてくれることで有名になり"名機"と呼ばれ、後発のエフェクターの中にはチューブスクリーマーを基に作られたモデルが多数存在します。

アイバニーズのエフェクター一覧 – Supernice!エフェクター
チューブスクリーマーってどんなもの?TS系オーバードライブ特集 – Supernice!エフェクター

ギターアンプ

TSA5TVRTSA5TVR

ギターアンプでは持ち運びが便利な小型ギターアンプをリリース。主に自宅練習用のものから、50年代のレトロなテレビを思わせるライトグリーンのキュートなルックス/チューブスクリーマー回路とリバーブを搭載した5Wチューブ・アンプ「TSA5TVR」などをリリースしています。

アイバニーズのギターアンプ一覧 – Supernice!ギターアンプ

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