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ギブソン SG カスタム(Gibson SG Custom)

Gibson SG Custom

「高い、重い、パワーがありすぎる、フェンダーに比べハイポジションが弾きにくい」という仕様が当時としては不評であり売り上げが低迷したことで、1960年を以て今で言うレスポールタイプは廃版となりました。翌1961年、レスポールのフルモデルチュエンジ版としてリリースされたのが現在のSGです。SGカスタムは、このときレスポール・カスタムのモデルチェンジ版として発表された高級仕様機です。

発表当時はレスポールの名を冠していましたが、1963年にレス・ポール氏本人からの要請がありこの名前は使えなくなり、代わりに「ギブソンのソリッドギター(Solid Guitar)」と言う意味で「SG」の名称が決まります。

Gibson SG Custom の特徴

存在感のある3つのハムバッカー

SG Custom 3-pickup

レスポール・カスタム同様、SGカスタムもハムバッカーピックアップを3基搭載しています。デフォルトの状態ではセンターピックアップを単体で使用することはなく、3点のピックアップセレクタースイッチでフロント、センター+リアのフェイズ、リア、という切り替えになります。フェイズは位相(+とー)が逆の二つのピックアップを使用する事で得られる、ローエンドが削られた細く鋭いクセのある音です。セレクタースイッチは通常のトグルスイッチのような外観ですが、複雑な配線が可能な特別性が使用されています。

ピックアップは3つですが、ボリュームもトーンも2つで、センターピックアップはリアと連動するようになっています。3つのピックアップをそれぞれ鳴らしたりフロント+センターのミックスを使えるようにしたりといった多機能化を選ばず、あくまでシンプルなコントロールにまとめられているので、ギブソンの他の楽器から持ち替えても馴染みやすくなっています。また、ピックアップを2基に減らしたSGカスタムもリリースされています。

フェイズサウンドを好まないユーザーも多く、センターピックアップを断線させて通常の2ピックアップのSGとして使用したり、逆に3つのピックアップをそれぞれ使用できるようにしたりといった改造が流行りました。

レスポール・カスタムを継承するルックスと方向転換

Gibson SG Custom 引用元:http://en.wikipedia.org/wiki/Gibson_SG

前モデルであるレスポール・カスタムとは一線を画すデザインながら、ヘッドに輝くダイアモンドインレイ、ネックとヘッドを縁取る多層バインディング、ゴールドパーツ、漆黒で高級感のあるエボニー指板と1フレットから配置される白蝶貝のブロックインレイ、といった高級感を演出する仕様はそのまま受け継がれています。しかし縁を斜めに削った(べベルド・エッジ)ボディ形状からボディのバインディングは付けられず、また「ブラックビューティー」と称されたグロス(つや有り)ブラックからホワイトに変更されます。このホワイトというセレクトはバインディングがないことを逆手にとった、機転の利いたセレクトだと考えられます。70年代中頃までは「フレットレス・ワンダー」という名の極めて低いフレットが採用されていました。

極めてかっこいい「スウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロ」

スウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロ

この長い名前のトレモロユニットは、SGで初めて採用された新開発のユニットで、他のギターにはないSGの大きな特徴です。アームのバーは中央に関節が設けられており、使用しない時には折り畳んでおきます。他のどのトレモロユニットも、ボディに向かって、またはその反対にアームを動かす事で音程を変化させますが、このユニットはボディに平行にアームを動かす事で音程変化を生む仕組みになっています。内部機構が複雑になるためチューニングが狂いやすく、また使い勝手が悪いことで短命に終わりましたが、逆にヴィンテージ市場ではプレミアムが付いています。存在感のあるごついルックスがとてもかっこいいので、今なお愛用者がいます。

Gibson SG Custom のサウンド

メイプルトップを排して軽量化したSGのサウンドは、レスポールと比べ低音域が抑えられた、軽く柔らかい印象です。逆に言えば低音がもの足りずコシが無いとも言えますが、そのぶんマホガニー特有の暖かみを持ち合わせた「押しの強い中音域」と称されるように、中域が豊かに響きます。それゆえアンプ直のシンプルなシステムでの演奏なら一聴してSGと分かる個性を持っています。

SGカスタムはSGスタンダードとピックアップが共通で、楽器本体は同一仕様です。そのため特徴的なリア+センターのフェイズサウンドをのぞけば、サウンドに違いはほぼありません。指板がエボニーなので硬い印象のサウンドになる、金属量が多いトレモロユニットが鳴りに影響する、といったニュアンス的な違いがあるようですが、この違いは左手の触感や楽器本体の重量バランスなど、サウンドよりもプレイアビリティに影響する要素だと考えられています。

ラインナップ

Gibson SG Custom のルックス

ヴィンテージライクなSGカスタムはホワイトまたはブラックのカラーリング、板バネ式トレモロまたはチューン・O・マチック搭載という仕様で、ギブソン・カスタムショップのヒストリックコレクションとして生産されていましたが、エボニーの希少性もあり生産台数が少なく、大変レアな楽器です。

SGS3

gibson-sgs3

3ピックアップ、スウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロ搭載と言う点で本来のSGカスタムに最も近いギターがこのSGS3です。フロントとセンターに’57クラシック、リアには’57クラシックプラスがマウントされ、3ボリューム仕様となっていますが、ローズウッド指板に台形のポジションマーク、バインディングはネックのみ、ヘッドにはクラウンインレイという仕様で、ネック部分はSGスタンダードのものとなっています。

SG Deluxe

gibson-sg-deluxe

ヘッドにダイアモンドインレイを配したSGという意味では、このSGデラックスがSGカスタムの後継者と考えていいでしょう。まずAAグレードのメイプルトップが目を引きますが、杢(もく)を重視しなかった60年代とは違い、現代ではメイプルの杢が高級感を演出します。ヴィンテージPAFを再現した’57クラシックピックアップを3基、またボディ直付けのビグズビー・ビブラートユニットが搭載されています。

SG Deluxe を…
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主な使用ギタリスト

オリー・ハルソール(Ollie Hansall、1949-1992)

ブリティッシュロック界でバンドを渡り歩いてきたサウスポーのいぶし銀プレイヤー。ロックとR&Bをベースとしながらも、ジャズやプログレまたゴスペルやソウルなどをにおわせる演奏が人気を集めました。

エリオット・イーストン(Elliot Easton)


The Cars – Drive (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
日本での知名度はそこまでではありませんが、エリオット・イーストン氏の所属するザ・カーズは70年代から80年代にかけ、革新的でユニークな音楽と、レコードに劣らぬ完成度の高いライブを武器に、大きな成功を収めたニューウェーヴ・バンドでした。1984年のシングル「You Might Think 」は、マイケル・ジャクソンの「Thriller」や、シンディ・ローパーの「Girls Just Want to Have Fun」など多くの強敵を押しのけ第1回MTVアウォードを受賞しています。

アラン・ホールズワース(Allan Holdsworth)

現在ではピ−ヴィーで自身のシグネイチャーモデルをリリースしていますが、ソフト・マシーンに在籍していた70年代には、ピックアップカバーを外したSGカスタムを使用していました。美しく正確なフィンガリングは多くのプレイヤーのお手本と言われていますが、あまりに凄すぎて参考にならないとも言われています。