Providence(プロビデンス)のギターケーブルについて

[記事公開日]2014/10/8 [最終更新日]2018/4/15
[編集者]神崎聡

Providence(プロビデンス)のギター・シールド

プロビデンス(Providence)は株式会社パシフィクスの奥野猛氏によって1996年に設立されたブランドです。現在ではスイッチャーやエフェクターなど、ギター・ベース関係の幅広い製品を世に送り出していますが、元々シールドケーブル開発をメインとして発足しました。そもそも、当時在籍していた会社でのケーブルの扱いの軽さを見た奥野氏が「良いケーブルを作ろう」と、新しく開発し始めたのがブランド設立のきっかけ。Providence を直訳すると「神」、「摂理」といった意味を持ち、「国際商標」も取っています。創立者の奥野氏は、当初から「世界に通用するブランドにする」という目標を掲げ、プロビデンスの立ち上げに至ったと話しています。
《目指したのは革新的なパッシブサウンド》Providence Guitar訪問インタビュー

現在、楽器用シールドケーブルのラインナップはエントリーモデルとしての「Gold Link / Silver Link」、高いクオリティとリーズナブルな価格を両立させた「Platinum Link」、プロフェッショナル仕様のハイエンドモデル「Premium Link」の3種からなります。現在、楽器店では見ないことのない人気製品へと登り詰めたmade in Japanのプロビデンス・ケーブル。お気に入りの一本が必ず見つかるはずです。

プロビデンス製シールドの特徴

プロビデンスのシールド・ケーブルには、エントリーモデルである「Gold Link」、同じくエントリーモデルの「Silver Link」、通常モデルの「Platinum Link」、最上位モデルにあたるプロユースの「Premium Link」といった4つのラインナップが用意されています。比較的高価なモデルの多いプロビデンス製品ですが、エントリーモデルはギター初心者の方にも手が出しやすい価格帯となっています。

providence-plug 6.3mmのプラグシャフト、独自のL型プラグ
引用元:Providence.jp

また、プロビデンスのシールドケーブルには「独自構造」の「プラグ」が使用されています。プラグシャフト(先端)には「6.3mm」の物を使用。これにより、ジャックとの接地面積を大きく確保することができ、尚且つ「抜けにくい」シールドケーブルとなりました。

「L字型プラグ」は直角ではなく、「91度」に設定することで、プラグ本体に負担が掛からず、楽に抜き差しができるようになっています。これら独自構造がサウンドに与える影響はごく僅かですが、使用者のことを第一に考えた、国産メーカーらしい細やかな気配りと言えるでしょう。

ケーブルの主なラインナップ

Gold Link/Silver Linkシリーズ

Providence Gold Link LG401Silver Link LE501 上:Gold Link LG401
下:Silver Link LE501

高価格帯の多い同社のケーブル内でも、よりリーズナブルに求めることができるGold Link LG401。Platinum Link E205”’59ers”のサウンドを基本路線としながらも、ケーブル部の構造を見直して、価格を下げることに成功しています。特にシールドケーブルの重要な要素であるプラグは上位機種と同様のものが採用されており、価格以上の質感が感じられるケーブルです。

Silver Link LE501は、Light Editionという名の通り、ブランド内でも最もリーズナブルなモデル。ケーブル部には上位モデルのLG401と同等のものを採用。ケーブル自体を4色展開し、安価なモデルならではのバリエーションが嬉しいところです。パッチケーブル化されたLE501 Patch、カールコード版のLE502Cなど、いくつかの派生製品があります。

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Platinum Linkシリーズ

F201 model “Fatman”

Providence F201 F201 model 3.0m S/L

Platinum Link 「model “Fatman”(以下F201)」は、「低音」から「中音」にかけたローミッドが強調されているシールドケーブルです。いわゆる「太い音」になりますが、それだけでなく、しっかり音が抜けてくるのが本モデルの特徴です。

「高音」は比較的抑えられ気味で、「クリーン」や「クランチ」で使うとバランスの良いサウンドになります。しっとりとした「大人の音」を好む、ジャズプレイヤー向けのモデルです。

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E205 model “59ners”

Providence E205 E205 3m ST-SS

世界的ギタリスト、「マイケル・ランドゥ」を唸らせたことで有名なモデルが Platinum Link 「E205 model “59ners”」です。プロビデンス製品の中でも「マニア向け」のモデルであり、ギタリストの「ピッキングニュアンス」をしっかりと伝えてくれる希有なシールドケーブルです。サウンドキャラクターはヴィンテージ寄りで、いわゆる「枯れた音」を鳴らすことができます。

音質特性としては、比較的「フラット」であり、超高音域にあたる「プレゼンス」が抑えられているのが特徴です。「歪ませて気持ちいい」というコンセプトを持って開発されたこともあり、ドライブサウンドによる「倍音」は目を見張るものがあります。

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B202 model “Bottomfreq’er”

B202 model B202 model 3.0m S/L

Platinum Link「B202 model “Bottomfreq’er”(以下B202)」は「低音特化」の音質特性を持つベース用シールドケーブルです。ドスの効いた「極太サウンド」なので、ハードロックやメタルといったジャンルで本領を発揮します。

そんなB202ですが、「LINEAR BASS’O OFC」という自社開発の芯線を使うことで、ベースに必要な低音成分を劣化させることなく、アンプ回路に伝達しています。上述のように、低音に特化した「極端な音」なので、完全ベーシスト向けのモデルです。

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P203 model “The Patch”/H207 model “Heartbreaker”

P203H207 上:P203 25cm S/S
下:H207 3m SL

「世界で最も有名なパッチケーブル」といえば同社の Platinum Link「P203 model “The Patch”(以下P203)」です。「パッチ専用」という異例のコンセプトを元を掲げ、プロを中心に世界中のミュージシャンが導入しています。紫色のフォルムがクールな、パッチケーブルの定番モデルです。

パッチケーブルは「音質」と「柔軟性」が同時に求められますが、当時は両方を完全に満たすモデルがありませんでした。同社は上記のF201とS101に使われている「2種類の絶縁体」を使うことで、ローノイズかつ高音質で、柔軟性に長けているP203の開発に成功しました。不可能と言われていた音質と柔軟性の両立を初めて可能にしたのです。

そんなP203を一般的なシールドケーブルの長さにしたモデルが Platinum Link「H207 model “Heartbreaker”(以下H207)」です。「P203をシールドとして使いたい」というギタリストの要望に応え、製品化しました。音質は極めて「クリア」であり、伸びやかな「高音」を出るので、クリーンからドライブサウンドまで使える万能モデルです。
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Premium Linkシリーズ

S101 model “Studiowizard”

S101 S101 7m SS

最上位モデルにあたる Premium Link「S101 model “Studiowizard”(以下S101)」は、ケーブルが長くなることによって発生する「ハイ落ち」や「レスポンスの低下」を限りなく抑えたシールドケーブルです。広いレコーディングスタジオで使われることを想定して作られており、アーティストやスタジオミュージシャンなど、プロレベルのギタリストがレコーディングで使用しています。

音質特性としては、「低音から中音」が多少出るものの、基本的には「フラット」な印象です。ローミッドが強調されていることで、音がしっかりと前に出てくるのが特徴です。ノイズに強く、レスポンスも速いので、レコーディングからライブまで、様々な場面で活躍します。
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Z102 model “Livewizard”

Providence Z102 Z102 7m LL

Premium Link「Z102」は「ライブ専用」として開発されたプロビデンス製品の中でも「異色」のモデルで、「ローノイズ」かつ「解像度の高さ」がウリの最上位モデルです。上記のS101同様、長く使っても音質の劣化が限りなく少ないため、広いステージで使っても音質の劣化を回避することができます。

上述にもあるように、特筆すべきは高い解像度による「音の分離」です。強く歪ませても音の分離が良いため、コードによる和音をしっかり聴き取ることができます。ライブ専用モデルということもあって「高音」が強く、突き抜けるようなギターサウンドを鳴らすことができます。

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