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ギターアンプのキャビネットについて

ギターアンプ:キャビネット

キャビネットとは?

キャビネットは「スピーカーユニット」と「スピーカーボックス」を組み合わせた物のことで、エレキギターの「出音を決める」重要な機材です。最終的な出音は「ギター+アンプ+キャビネット」といった3つの機材を組み合わせて構成されますが、割合としてギターは「10%」、アンプは「40%」、キャビネットは「50%」の影響があると言われています。

スピーカーユニット

スピーカーユニット

スピーカーユニットは「スピーカー本体」のことであり、専用のケーブルでギターアンプと接続します。各メーカーから様々な製品が販売されており、それぞれサウンドに特徴を持っています。
「口径」や「出力」も製品によって異なり、音作りに拘るギタリストは、ユニット選びから慎重に行います。

スピーカーボックス

スピーカーボックス

スピーカーボックスはユニットを納める「木枠」であり、その構造はモデルによって異なります。後面がオープンになっている「後面開放型」や、後面を閉じている「密閉型」、密閉型に穴を空けた「バスレフ型」などがあります。
※画像はモニタリング・スピーカーのスピーカーボックスです。

キャビネットの選び方

キャビネットは「用途」と「ジャンル」に合わせて選ぶようにするとよいでしょう。積載スピーカーの「口径」、「積載数」「許容入力」、キャビネット本体の「構造」、「重量」など、様々なポイントを比べながら自分好みのモデルを探しましょう。

また、スピーカーに使われている「マグネット」も出音に影響を与えます。ヴィンテージサウンドなら「アルニコ」、音抜けの良いモダンサウンドなら「セラミック」、ハイパワーなら「ネオジウム」という具合に、理想のサウンドに合わせてスピーカーを選ぶように意識してみましょう。

自宅練習用なら「8〜12インチ1発」のコンパクトなモデルがオススメです。ライブ用なら「12インチ2発〜4発」のモデルが無難ですが、非常に重量があるため、運搬が困難です。運搬用のキャリーなどを用意して対応するようにしましょう。
スピーカーユニットについて

キャビネットの種類

密閉型、後面開放型、バスレフ型

openair-closedback-bassreflex 左から:密閉型 Bugera 412H-BK 4×12、後面開放型 Roland Blues Cube Artist、バスレフ型 Hartke 410XL

密閉型とは本体後面を塞ぐことで、スピーカーボックスの内部を完全に密閉しているキャビネットのことです。内部には吸音材が取り付けられており、ユニットの裏側から出力される「逆相」の音を外部に漏らさないために密閉されています。
密閉型は「太く」、「箱鳴り」のするサウンドが特徴です。別名「クローズバック」とも呼ばれ、マーシャルのキャビネットに多く採用されています。

後面開放型は「オープンバック」と呼ばれる構造で、本体後面が完全に開いているキャビネットのことを指します。スピーカーユニット正面から出力される「正相」の音だけでなく、逆相も同時に出力されるため、正相と逆相が混ざったサウンドが最終的な出音となります。「音抜けの良いサウンド」であり、突き抜けるような高音が特徴です。
最も有名なトランジスタアンプであるローランドの「JC120」や、フェンダーの「Twin Reverb」などに採用されてる構造です。

バスレフ型は主にベースアンプのキャビネットに採用される構造です。密閉型スピーカーボックスの正面に「ダクト」と呼ばれる穴を空け、そこから内部で増幅した「低音成分」をスピーカーと同時に出力することで、低音の効いた「迫力あるサウンド」を鳴らすことができます。

ストレート、スラントについて

Marshall 1960A、Marshall 1960B 左から:Marshall 1960A、Marshall 1960B

世界で最も有名なキャビネットといえば、12インチスピーカーユニットを4基積載しているマーシャルの「1960シリーズ」ですが、このモデルには「1960A」と「1960B」の2種類が存在します。

1960Aは「スラント」と呼ばれるタイプであり、「上部2基が上向き、下部2基が正面」となっています。上部を上向きにすることで、出音に広がりを持たせることが狙いです。

1960Bは「ストレート」というタイプで、「4基全てが正面」を向いているのが特徴です。そのため、スラントよりもパワーのあるサウンドになりやすく、ロックをメインとするギタリストがストレートを好む傾向にあります。

実際にはそこまで顕著な差はないので、好みで選んで問題ありません。ただ、プロレベルになるとレコーディングに影響してくるため、人によってはどちらを使用するか検討するようです。

材質による違い

ギターアンプのキャビネットには「合板」が使用されることが多いです。合板は低コストかつ音のバランスが良いことが挙げられ、木目には「合成皮革」などを貼り付けてカバーしています。

高級アンプには「ホワイトパイン」などの「単板」が使用され、合板のキャビネットよりも「中高音域の鳴り」と「音の艶」が出やすいという特徴があります。反り返りやすい単板を職人の手作業によって組み立てられることから、単板のキャビネットは非常に高価なモデルが多いです。

また、メサ・ブギーのキャビネットには「側面に鉄板を取り付けた」モデルもあります。鉄板が入ることで音の輪郭がハッキリし、「硬い音」になる傾向があります。ハードロックやメタルをメインとするギタリストに好まれています。

キャビネットをリリースしているブランド一例

ギターアンプ・ブランドのほとんどはキャビネットも製造しています。ここでは数多くのキャビネットをリリースしているブランドを一部紹介していきたいとおもいます。

マーシャル

マーシャルのキャビネットで最も有名なのが「1960シリーズ」です。スラントタイプの「1960A」と、ストレートタイプの「1960B」は、世界中のスタジオやライブハウスに設置されています。1960シリーズはいわばアンプキャビネットの「世界標準」であり、ロックシーンには欠かせないものとなっています。

スピーカーにはCELESTIONの「G12T-75」を4発、許容入力は余裕の「300W」となっているため、殆どのギターアンプで使用することができます。他には上記のG12T-75を2発積載した「1936」や、「1922」などのモデルがあり、幅広い選択肢の中からチョイスすることができます。

メサブギー

Rectifier Standard ARMOR

メサブギーのキャビネットは高価なモデルが多いですが、価格以上の性能を持っていることでも知られています。最もポピュラーなのがCELESTIONの「Vinateg 30」を4基積載した「Rectifier Standardシリーズ」でしょう。中には側面に「鉄板」を取り付けた「ARMOR」というキャビネットもあり、非常に人気の高いモデルとなっています。

そして、メサブギーはキャビネットを作り上げる部品にも強いこだわりを持っています。キャビネットの木枠には厳選された「バーチ材」を使用。これにより、他社製品よりも密閉度と強度を兼ね備えたキャビネットを作り上げることに成功しました。

積載しているCELESTIONのスピーカーユニットも、大量生産されている中国製ではなく、一つ一つ丁寧に仕上げられたイギリス製のモデルを採用しています。通常よりも生産コストがかかるため、同社のキャビネットが高価になってしまうのも頷けます。

BLACKSTAR

Blackstar Series One 412 Pro A Cab Series One 412A

BLACKSTAR のキャビネットはリーズナブルな価格を実現しながらも、「シンプル」で使いやすいと評判です。スラントタイプの「SERIES ONE 412A」と、ストレートタイプの「SERIES ONE 412B」がメインモデルとなります。許容入力は「240W」、CELESTIONの「Vintage 30」を4基積載しており、マーシャルキャビネットをイメージさせるデザインが特徴です。

他にはVintage 30を2基積載したハンドメイド仕様の「Artisan 212 Cabinet」や、リーズナブルな価格の「HTV212」、8インチスピーカーを4基積載した「HT METAL 408」など、様々なタイプのキャビネットを取り扱っています。

フェンダー

Super-Sonic 60 212 Enclosure Super-Sonic 60 212 Enclosure

フェンダーと聞けばコンボアンプをイメージする方が多いでしょうが、スピーカーユニットを1〜2発積載したキャビネットを多数リリースしています。マーシャルやメサブギーのような大出力モデルは少なく、フェンダー特有のキラキラとしたサウンド鳴らす「小〜中出力モデル」が多いです。

フェンダーのキャビネットはアンプとセットで扱われ、「Super Champ SC112 Enclosure」や「Super-Sonic 60 212 Enclosure」、「Hot Rod Deluxe 112 Enclosure」など、同じ名称のアンプヘッドを使用することを前提に開発されているモデルが多いです。

HUGHES&KETTNER

CC412AV

HUGHES&KETTNERのキャビネットは大出力から小出力まで、それぞれの用途に合わせたモデルを多くリリースしています。CELESTION の Vintage 30 を4基積載したスラントタイプの「CC412AV」や、ストレートタイプの「CC412BV」、キャビネットの容量を増やしてヘヴィサウンドを追求した「CC412AW」などが、ラウド系ギタリスト向けのモデルが中心です。

それに対して、許容入力が「30W〜60W」といった「Tube Meister」という小出力キャビネットも扱っています。CELESTIONの10インチスピーカー、「TEN 30」を1基積載した「Tube Meister110」や、Vintage 30を1基積載した「Tube Meister112」などはリーズナブルな価格設定となっており、キャビネット初心者に人気の高いモデルです。

CARVIN

CARVINはロサンゼルス発祥の世界的音響メーカーで、あの「スティーブ・ヴァイ」が同社のアンプとキャビネットを使用していることで有名です。スティーブ・ヴァイのシグネチャーモデルであるVintage 30を4基積載した「C412T」や、12インチオリジナルスピーカーを2基積載した「212E」などが人気です。

MADE IN USAということもあってか、アメリカンサウンドのメサブギーアンプと相性が抜群です。基本的にはラウド系サウンドを得意とするため、ハードロッカーやメタラーにオススメしたい1台です。

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