フェンダー ブロンコ(Fender Bronco)

[記事公開日]2013/8/14 [最終更新日]2015/11/9
[編集者]神崎聡

フェンダーブロンコ(fender bronco)のエレキギター

フェンダー・ブロンコ (Fender Bronco) はフェンダーが1967年から1981年にかけて製造したエレキギター。ボディとネックはムスタングの物を使用していますが、ピックアップは1基でトレモロ・ユニットも異なります。他のムスタングとは異なり24インチスケールで2ピースメイプルのネック、ドット・インレイの施されたローズウッド指板で22フレット仕様となっています。

他のムスタングファミリーと同様、スチューデントモデル・初心者向けギターとして作られ、ショートスケールなので手の小さな奏者にも適しています。当初は練習用のアンプとセット販売でした。

1基のシングルコイル・ピックアップはブリッジ側に位置しており、ネック側にあるミュージックマスター、双方にあるムスタングと差別化されています。独特のトレモロ・ユニットはレオ・フェンダーの中で最も人気のないデザインであり、ブロンコにしか搭載されていません。現在ではコレクターズ・アイテムとして市場で取引される場合が多いようです。

Broncoの歴史

ブロンコは,当初はレッド・フィニッシュボディのみの販売で,ピックガードは白3プライ・タイプ,当初は11本のネジでボディに固定されていましたが、’69年頃には12本止めに変更されました。また当初のコントロール・ノブはフェンダー・エフェクターにも使用された下部が金属製のソンブレロ型だったのですが、’74年頃にはジャズ・ベースと共通パーツの7角形タイプに変更されています。

’75年後期にはボディ・カラーがブラックとホワイトの2色に設定されたのと同時に,コントロール・ノブがテレキャスター・カスタムと共通(ソンブレロ・タイプ)となりました。 ’77年からはピックガードが黒3プライ・タイプに,コントロール・ノブがフェンダー・ストラトキャスターと共通の黒いタイプに変更されています。

’80年に製造中止されました。

音の特徴

とにかく音が軽いのが特徴です。元々練習用に作られたギターなので、いわゆるフェンダーらしい音を出そうとすると、ピックアップなどをカスタマイズする必要があるでしょう。また、このモデルのために新たに開発されたトレモロ・ユニットはプレート全体が可動する方式で、低音のない本体の音をベンドさせると特徴的な音が出力されます。フロイドローズ搭載ギターのような大胆なアーミングはブロンコ最大の特徴と言えるでしょう。


Fender Bronco ROLLYカントリーもどき

シンクロナイズでは単なる6本のネジが支点になっていましたが,ブロンコのトレモロ・ユニットではプレートを受ける部分が溝状に加工された2本のスタッドを支点として動作するようになっています。

近年こそ,2本のスタッドを持ったシンクロナイズド・タイプのトレモロ・ユニットも珍しくないですが, ’67年という時期に,すでにこうした構造が考案されていたことは驚異的です。

ブロンコの主な使用ギタリスト

  • ミック・テイラー(ローリング・ストーンズ)
  • アンディ・パートリッジ(XTC)
  • オマー・ロドリゲス・ロペス(マーズ・ヴォルタ、アット・ザ・ドライヴイン)
  • アレックス・ターナー(アークティック・モンキーズ)

アレックス・ターナーはライブでの使用が確認されていますが、その他のギタリストはミュージック・ビデオやCDのジャケットでの登場にとどまっています。

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