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《美しい音を長くキープ》エリクサーOPTIWEBコーティング弦とは?

エリクサーOPTIWEBコーティング弦

2017年3月1日、エリクサーから新しい弦「OPTIWEB(オプティウェブ)」がリリースされました。「革新的なコーティング弦」と言われていますが、これはどういう弦なのでしょうか。また、そもそもコーティング弦とはどういうものなのでしょうか。今回は、このエリクサー「OPTIWEB」を使ってチェックしてみましょう。
 

「弦の劣化」はギタリストの悩みの種

エレキギターのように金属の弦を弾(はじ)いて演奏する楽器では、新しい弦の音が良く、また弾きやすいとされています。張ってすぐの音はブライトで張りがあり、また指をスムーズに運ぶことができて、気持ちがいいですね。しかし、しばらく弾いていくと弦は劣化して、音が物足りなくなっていきます。表面の輝きが徐々に曇って音に張りが無くなっていき、また指が滑りにくくなるなど感触も悪くなっていきます。あまり劣化が進むと、弾いていて指やピックが黒くなってしまうこともありますし、しばらくしまっていたギターを出してみたら弦が真っ赤だった、ということもありますね。このギタリストの悩みの種、「弦の劣化」に注目してみましょう。

弦はどうして劣化するのか?

弾いた後は布で拭くようにすると、弦の良い状態をいくぶん長らえることができます。しかしそれでも弦は必ず劣化して、音や感触が悪くなってしまいます。これはどうしてでしょうか。むしろ拭かない方がいいんでしょうか。

プレイヤーの手の脂や汗といった「汚れ」が、弦の劣化する第一の原因です。これはギタリストが弦に直接触れて演奏する以上、弾き始めた瞬間から進行していく「宿命」のようなものです。汚れの付着によって弦の均一な振動が妨げられ、自然な振動音や豊かな倍音が損なわれてしまいます。

それならば表面に付着した汚れを布などで拭きとれば、その原因を除去できるはずですね。しかし短い時間であっても、演奏している間は汚れが付きっぱなしになってしまいます。ワウンド弦(4〜6弦)の巻き線は隙間なくキッチリと巻かれていますが、巻き線の隙間に入り込んでしまった汚れは取り除くことができません。隙間は無数に存在しているため、まさに「汚れが入りたい放題」で、汚れはやがてサビを生じさせます。またプレーン弦(1〜3弦)は汚れが付きにくく取り除きやすい構造ですが、次第に表面が黒ずんでサビが発生し、弦のバランスが悪くなり、音質が低下してしまいます。

弦は劣化するとどうなる?

音に敏感なギタリストは、数十分もしないうちにサウンドの変化に気が付きます。汚れが蓄積するにつれて、特に高音域の響きが徐々に乏しくなっていくのです。わかりやすいのは、4弦以降の低音弦です。ピッキングした時の「パチン!」という張りのあるアタック感は、演奏時間と共に損なわれていきます。張りを失った弦の感触は新品のものと微妙に違いがあり、プレイのフィーリングも変わってしまいます。

劣化が進行していくと、新品ではツルツルピカピカだった表面が、黒ずんで滑りにくくなっていきます。ここまでくるとピックや指にかなりのストレスが生じて、指の運びやすさやピックの当たり方が変化するほか、フィンガリングノイズやピッキングノイズが増えるという影響が出ます。

どれくらいのスパンで弦交換すればよい?

演奏の頻度やプレイスタイルによって異なりますが、ギター弦は1週間から10日前後で、劣化の影響が大きくなると言われています。劣化の度合いが大きくなると、聴いて分かるほどに高音域が失われます。厳密にいえばこの失われ方は弦ごとに異なるので、弦全体のバランスも崩れてしまいます。それゆえライブや録音など本番の前には必ず弦交換をするもので、1曲ごとに弦を交換してレコーディングする、というギタリストもいるほどです。

劣化した弦で演奏すると、

  • バンド内の「音抜け」が悪くなる
  • コードを鳴らした時の明瞭さが不足する
  • ピッキングニュアンスが変わる
  • パワーコードのミュートがザクザク言わなくなる
  • ピッキングハーモニクスが物足りなくなる

などのような症状が現れるのに気が付くかもしれません。弾いている間は気が付かなかったけど、新品の弦に張り替えてみてびっくり、という経験をした人もいることでしょう。新品の弦の音と時間が経って劣化した弦の音では、非常に大きな違いがあるのです。


以上のようなことから、
「本番があるなら、本番ごと」
「日常的に新品の音や感触を大事にしたいなら、その都度」
「そうでなくても、月に一回程度」
というのが弦を交換する時期の一般的な目安です。しかしながら、持っているギターが一本だけならまだしも、手持ちのギターが2本、3本となってくると交換する作業が増えて大変ですし、弦を買うお金もばかになりませんね。「どうにかならないか?このままでは『弦貧乏』になってしまう」というのがギタリストの悩みでした。

エリクサー・ギター弦とは?

汚れが付着しなければ、弦は劣化しない!!

という考えで開発されたのが、「エリクサー・ギター弦」です。巻き弦をすっぽりと覆う独自のコーティングによって汚れが付きにくく、いつまでも新品の音と感触を維持できる「驚異的な寿命の長さ」を持つ弦です。エリクサーの登場は「ギター界の革命」と呼んでもおかしくない大事件で、コーティングを施していない従来の弦に「ノンコーティング弦(非コーティング弦)」という別名が付けられてしまうほどでした。また「出荷した良い状態のまま買う人に届けられる」という大きなメリットがあることから、現在ではエリクサーを張って出荷するというメーカーも増えています。


Why use ELIXIR Strings
説明は英語ですが、従来の弦では芯にまで汚れが浸透してしまうこと、コーティングを施すことによって汚れの付着を阻止できることが分かります。

エリクサー「OPTIWEB」コーティング弦とは?

他社のコーティングされていない弦と、エリクサー「OPTIWEB」コーティング弦。それぞれ6弦を拡大したものだが、OPTIWEBは全体がぴっちりとコーティングされているのがわかる。

OPTIWEB弦のパッケージ

新たに発表された「OPTIWEB」は、

  • POLYWEB(ポリウェブ)
  • NANOWEB(ナノウェブ)

に次ぐエリクサーの新たなラインナップとして開発された「革新的なコーティング弦」で、エリクサー公式サイトでは

「伝統的なエレキギター弦が持つ、クリスピーな音色と自然な感触を提供しながら、エリクサー弦に求められる長寿命も実現する、革新的なコーティングテクノロジー」

と説明されています。「クリスピー(crispy)」とは「パリパリとした」という意味で、おいしいピッツァの食感などに使われる表現です。エレキギターの伝統とともにみんなが親しんできた「弦の音と感触」に敬意を払いながら、「寿命」という弱点を克服した弦だ、ということですね。

4弦以降の低音弦に施されているコーティングがその名も「OPTIWEB」で、薄いフィルムで弦全体をすっぽりと覆っており、汚れを寄せ付けません。巻き線の隙間に汚れが入り込んでしまうこともなく、コーティングの内側には汚れが付いていない「新品の弦」が維持されています。コーティング自体は「1ミクロン(=1マイクロメートル。1000分の1ミリ)未満」という驚きの薄さ(血液中の赤血球の厚みが2ミクロン)でありながら、ハードなピッキングや度重なるフィンガリングに耐えることのできる強靭さを持っています。

プレーン弦にもエリクサー独自の特殊な耐腐食加工(アンチラスト加工)が施されており、コーティングではありませんが、サビの発生を防ぎ、音質や演奏性を維持することができます。

ギター博士がOPTIWEBコーティング弦を試してみた!

ギター博士が自身の愛機で実際にOPTIWEBコーティング弦を試し、弾き心地やサウンド、寿命をチェックしました。さて、どんな結果になったでしょうか。動画を見てみましょう。

博士はOPTIWEBコーティング弦の感触と音に対して、従来の弦と変わらない自然なフィーリングだと感じたようです。それでいて驚くほど寿命が長い、ということが分かりますね。では、動画で行われたそれぞれの実験について、もう少し詳しく考えていきましょう。

実験その1:音を聴き比べ!

博士の二つの演奏は、同じ機材で録音しています。張りたての普通の弦も、OPTIWEBコーティング弦も、パリっと歯切れのよい元気なサウンドでしたね。コーティングが弦の振動を妨げているようには全く聞こえません。むしろOPTIWEBコーティング弦の方がスピード感のあるアタックを持ち、煌びやかな高音の響きがあると博士は感じたようです。

しかしこれはエリクサーの弦自体の音なのであって、コーティングしているからこの音なんだ、という聞こえ方ではありません。どんな弦を張っているかを知らされなかったら、これがコーティング弦だと聞き分けられる人はいないでしょう。


ELIXIR Strings Introduces OPTIWEB Coated Electric Strings
波形を並べながら、普通の弦とOPTIWEBコーティング弦とを聴き比べています。こちらの動画でも、エリクサーの元気なサウンドが確認できます。

実験その2:手触りを比べてみる

  • スライドなどで「キュッ」と鳴るフィンガリングノイズ
  • 巻弦のザラッとした手触り

普通の弦で自然に感じられるこのような感触は、OPTIWEBコーティング弦でも同様に感じることができます。コーティングされているからと言ってヌルヌルする、ブレーキがかかってスライドしにくい、というようなことはなく、普通の弦と区別がつけられない自然な手触りと弾き心地です。
またOPTIWEBコーティングの被膜はものすごく薄いので、巻弦のギザギザが失われることもありません。そのためピックスクラッチも問題なく「キューン!」と鳴り響きます。「むしろ普通の弦より滑りが良くて、弾きやすく感じる」という人もいるでしょう。

実験その3:どれくらい長持ちする?

ノンコーティング弦 vs エリクサーOPTIWEBコーティング弦 ノンコーティング弦 vs. エリクサーOPTIWEBコーティング弦。2週間が経過した段階で、大きく差が出ているのがよくわかる。

1ヶ月が経過したコーティング弦1ヶ月が経過したエリクサーOPTIWEBコーティング弦。表面の美しさと共に、「ぷるん」とした弦の質感も健在。

ギター博士が体を張って1ヶ月にわたって実験をしてくれたおかげで、エリクサーOPTIWEBコーティング弦の寿命は驚異的に長い、ということが分かりました。また木に興味がある人は、OPTIWEBコーティング弦を張ったギター(サドウスキーSSHストラト)の指板材のキメの細かさにうっとりするかもしれませんね。

普通の弦を張って1ヶ月経過させると、博士が言うようにサビや汚れが目立ち、滑りが悪くなっていきます。サウンドも劣化しており、この状態ではプレイに支障が出る、と感じる人もいるでしょう。

ところが驚くべきことに、OPTIWEBコーティング弦は1ヶ月経ったというのに、張りたての弦が持つ美しいサウンドや弾きやすい感触を失っていません。1ヶ月くらいでは劣化してしまうことがなく、しっかり持ちこたえているのです。張ったばかりの時と変わらない滑らかな感触で、スライドやチョーキング、ビブラートといった演奏技法にも影響がありません。環境や体質などの影響ですぐ弦が錆びてしまうという人にとっては、とても助かる性能ではないでしょうか。

OPTIWEBコーティング弦は、新品のサウンドを長期的に維持することができます。エリクサーを愛用しているプロミュージシャンの中には、エリクサーを張りっぱなしでツアーを一本廻り切るという人もいるほどです。

実験のまとめ

ギター博士がチェックしたOPTIWEBコーティング弦は、確かに普通の弦と変わらない、むしろそれ以上の「感触と音」があり、また新品の状態が長期間維持できる、まさに「革新的な弦」です。

  • いつも良い音と自然な感触でギターを演奏したい人
  • 何台もギターを持っている人
  • たまにしかギターを弾くことができない人
  • 弦のサビに悩んでいる人
  • しょっちゅう弦交換するのが面倒な人
  • お店で弦を交換してもらう人

このような人たちに特にお勧めです。

ただし、これから弦交換の方法を覚えようという人だけは、スムーズに作業ができるようになるまでは普通の弦を使い、弦交換の練習を重ねるといいでしょう。高額な弦ですから交換に失敗すると悲しくなりますし、寿命が大変長いため、交換時期の来る頃には弦交換の方法を忘れてしまうかもしれません。
ギター弦の巻き方/交換方法

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ギター博士から一言

実はワシはこの「エリクサー」かなり前から使っておっての、とても気に入っておるんぢゃ!
例えばLIVEなどの時、まずリハーサルがあり、例え張り替えたての弦だとしても、照明などで手に汗もかきやすいような環境で弾いたりすると本番までに弦のコンディションがベストでなくなってしまう…これはよくあることなんぢゃ…
本番前に弦を張り替えたとしても、それはそれでチューニングに不安が残る課題もあったりと…
そういう時の問題をこの「エリクサー」は解決してくれたんぢゃ!
リハの後軽く拭けば本番でも張り立ての輝きを維持してくれるんぢゃ!
レコーディング時などでも、ノンコーティングと比べてフィンガリングノイズも少なめで、気持ちよくレコーディング出来たという印象があるのぉ!
そして、経験上は弦が切れた記憶もほとんどないかもしれん…
これだけでも素晴らしいのじゃが、ワシみたいにギターを複数使用する人にとって、あまり弾かないギターも弦はサビていくという悩みもこの「エリクサー」は解決してくれたゾィ!
そして、劣化に強いということはケースなどに保管する時もフレットに優しいという結果的に楽器にもいい影響があったようにワシは思っておるんぢゃ!
価格以上のパフォーマンスを約束してくれるこの「エリクサー」を是非一度試しておくれよ!

エリクサー「OPTIWEB」のラインナップ

「OPTIWEB」のラインナップ

エリクサー「OPTIWEB」コーティング弦は

  • 1~3弦:腐食防止処理を施した「Anti-Rust」プレーン弦
  • 4~6弦:革新的なコーティングを施した「OPTIWEB」ワウンド弦

という組み合わせで、以下の5タイプのラインナップでリリースされています。

モデル名 1弦と6弦の太さ
スーパーライト 0.09-0.42 「超細い」という名だが、現代では標準的なゲージ
カスタムライト 0.09-0.46 4~6弦が太め
ライト 0.10-0.46 ギター博士も愛用している、太めのスタンダード
ライトヘヴィ 0.10-0.52 4~6弦が太め
ミディアム 0.11-0.49 昔はこれが標準だったので「中くらい」という名前。
ダウンチューニングにぴったり

表:OPTIWEBコーティング弦のラインナップ

1セットで¥1,500を上回る価格に、最初はびっくりするかもしれません。しかしこれは、サウンドや感触もさることながら「従来の弦をはるかにしのぐ長い長い寿命を持った弦」です。エリクサー公式でその寿命は「ノンコーティング弦の3倍~5倍」とされていますが、演奏の頻度やピッキングの強さなどの具合によってさらに長期間、新品の状態を維持することもできます。全く弾かないのであれば、理論上永久に錆びません。これからギターと付き合っていく長い期間を考えれば、トータル的に安く収まるというわけです。

おまけ:OPTIWEBの交換時期は?

エリクサーは「弾かなかったら永久に錆びない」という長い長い寿命を持っていますが、それではいつ弦交換するのでしょうか。それは、「弦の金属が疲労した時」です。

エリクサーのコーティングは、その薄さからは考えられないほど高い耐久性を持っています。そのため弦は長く美しい状態を保つことができます。反面、ギターを演奏していくと、弦には「金属疲労」が蓄積されていき、いつか弦切れが発生します。このことから、エリクサーの場合は、きれいな状態で突然弦が切れるということがたまにあります。

  • チューニングがよく狂う
  • オクターブチューニングが合わない
  • 感触やサウンドに変化が生じた

などの症状が現れはじめたら、いくら見た目がきれいでも、弦切れが起きる予兆です。見た目に美しい弦を外してしまうのは何だかもったいない気もしますが、特に本番を間近に控えているようなタイミングならば、弦交換するのがベストです。

なお、度重なるピッキングによってささくれてきたように見えても、コーティングの一部が削られているだけであって、コーティングはまだ存在しています。その状態であれば音は良い状態を保っていますので、手触りなどが気にならなければ使い続けるのもよいでしょう。

「弦は切れるまで使う」
「サウンドや感触がある程度衰えても、それほど気にならない」

という人は、弦が切れるまでの間、コーティングの限界に挑戦するのも面白いかもしれません。


以上、エリクサーの新製品「OPTIWEB」コーティング弦に注目しました。今回発表したOPTIWEBに限らず、エリクサーのギター弦は美しい音と弾きやすい感触を長くキープできるという、まさに革新的なギター弦です。コーティング弦をまだ試していないという人は、ぜひこの未体験の長寿命を体感してみてください。