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《木で作る「音」。》Bizen Works訪問インタビュー

1時間で150往復。NCルータで精密加工するお話。

Bizen Worksこだわりの指板を皮切りに、工房で重要なポジションを占める「NC」について、解説してもらいました。

備考:NC(=NCルータ)はコンピュータ制御の自動切削機で、プログラムされた通りの加工を行います。工場によって大量生産のための粗加工にも、超絶的に高い精度で精密加工するのにも使用されます。

NC加工した指板

坂本 コレがNC加工した指板です。コンパウンド・ラジアスは見ただけでは分かりにくいですが、Rのゲージを当ててみると、ポジションによってRが変化しているのが確認できます。

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坂本 NCでここまで高精度に加工します。ペーパーがけをする前の段階ですが、ほとんどツルツルですね。指板面のNC加工は刃を何往復もさせるんですが、弊社の指板加工はルータの「送り」を0.2mmに設定しています。片道削ったら、0.2mmだけ移動して、片道削りながら戻ってくるという往復を、1時間以上かけて150回ほど繰り返すわけです。線がうっすら残っていますが、あとは人の手で軽く仕上げるだけで、フレットが打てる状態になります。

──Rに違いが出ているのが分かりますね!この指板には、ほかにどんな特徴があるのでしょうか。

坂本 指板面の加工を終えてから、刃物を交換したNCでフレットの溝を加工します。フレットのタング(指板に埋め込まれる部分)の寸法に合わせて、コンパウンド・ラジアスのRに沿って切削します。当然フレットの種類によってタングの長さは違いますし、ローズとエボニーでは要求される溝の幅が違いますが、こうしたことにも対応しています。また、両端を残して溝を切っているのがミソです。

長年使用していると、フレットの端の部分で木が痩せてフレットのタングが飛び出てきたり塗装が白くなったりして、みっともなくなってしまう場合があります、このやり方ですと手間はかかりますがフレットのタングが指板の横からは見えませんので、そのようなトラブルも発生しません。それにわざわざ両端を残して壁にするのは指板の強度を確保するためでもあります。指板面のRに沿って溝を切るのも、そのぶん余計に削らず強度を確保するためです。こうした高精度な加工は、NCがあったからこそ実現できます。手作業では無理ですね。

──確かに、人間の手でできる気がしません!量産のためでなく、高い精度で加工するためにNCを活用しているんですね。

坂本 量産のためにNCを使っている工場も多いですから、NCとは量産のためのものだという思い込みは生まれやすいと思います。しかしNC本体の性能と入力するデータ次第で、このような精密な加工を任せることもできるんです。また、自分の手で木材を加工する代わりにNCが働いてくれますから、僕は作業の時間を節約できて、ニューモデルやプロモーションの企画やリペアなど、ほかの仕事をすることができるんです。

時間の節約といっても、NC加工の前に必要な手間はしっかりとかけています。木材は切ったり削ったりすると後で必ず動きますから、板材からいきなりボディを抜くような大胆なことはしません。まずはラフにカットして、寝かせている間に狂いを出させて、また切って、寝かせて、それを繰り返した最後の工程にサラっとNCを使用して高い精度を出しています。ですからこの指板についても、NCにかける前にたくさんの手間がかかっているんです。

指板面の切削は0.2mmごとに移動しますが、この精度で加工しているからと言って刃物をゆっくり走らせていたら摩擦熱がたまっていって狂いを出してしまいます。だから摩擦熱がたまりにくい速さで軽快に刃物を走らせるんですが、それができるように最終加工寸前までは手作業で追い込んでいきます。それでも木材は動くので、最後の最後に手作業で仕上げます。

ネック加工

これはNC加工を済ませたネックです。ネックグリップについても、ラフカットと狂い出しを重ねて、最終的な切削をNCで行います。どれだけ寝かせても新しい切削面が空気に触れたら狂いは少し出てしまうものですから、ネックグリップのNC加工では厚みを0.3mmと両サイドに2mm残して、最後は手加工で仕上げます。

ピックガードと木製テールピース

──パーツで目を引くのが、埋め込みのピックガードと木製テールピースです。貝殻のようなこの可愛らしいテールピースも、NC加工なんでしょうか?暖かみを感じる曲線と曲面でできていて、弦を通す穴も曲線を描いています。

坂本 こうした有機的なデザインも3DデータにしてNC加工し、手で研磨して仕上げます。エボニーなんかは、磨くととても美しい光沢が出ますね。表面には微妙なふくらみがあり、中心は緩やかに山折りになっていますが、自分が手で加工することをデータに変換しているわけです。ボディ材を貼り合わせるために使う「当て木」もボディ形状に合わせて若干小さく作ります。ボディのデータから何ミリ縮小する、と入力すればNCがその通りに作ってくれます。

──このテールピースにブランドロゴを入れて、キーホルダーを作りませんか?

坂本 でかすぎませんか(笑)。

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坂本 ヘッドに埋め込むブランドロゴ部分をNCで加工するのに、0.5mmの刃物ではまだもの足りないことを思い知ったので、思い切って0.2mmの刃物を取り寄せました。これがどれだけ使えるかはこれからの挑戦ですが、もっと精度が上げられて精密な加工ができると思うと楽しみでなりません。

──NCによるこのような加工は、やはり木工のことが充分解っていないと不可能なんでしょうか?

坂本 たぶんそうですよ。それでも何回も試して経験を積んでいけばいいとは思うんですが、たとえばハムバッカーのザグりひとつにしても、本体を収める約40mm×70mmの四角い穴と両耳部分の幅12mmの長穴と、どっちを先に空けたら仕上がりがきれいか、というのがあるんです。「先に四角い穴をあけてしまうと長穴を空けるときにココの木部がチップしやすいから、先に両耳の長穴を空ける」というのがひとつのノウハウとしてあります。それ以外にどういう加工にどういう刃物が適切かなど、そういったノウハウは経験で積み上げていくものです。いかにNCが進歩していると言っても、現在では「自分で木材を加工する代わりにNCが作業する」というつもりでプログラミングする必要があります。

所詮NCもただの道具ですから、どういう順番で切削するかは人間が決めるんです。弊社ではパーツの下穴やブリッジのネジ穴までNCで加工しますが、自分の手の動きをNCに落とし込んでいます。「3Dプリンタ」があれば家庭でどんな造形もできるって話題になりましたね。しかしながら、あれも3Dデータを自分で作れることが大前提です。やはり道具を使うのは人間なんです。

個人工房とは思えない規模の工房を見学しました!

──工作機械の使い方は、工場の運営方法として画期的だと思います!お隣の会社とシェアしてるんですね!

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坂本 お隣は住宅関係全般の仕事をやられている会社で、弊社工場の大家さんでもあります。ここにはもともと設置されていた機械もありますし、弊社立ち上げ時に僕が調達してきたものもあります。こうした機械は常時稼働しているわけではありませんから、お互いに空いている時に使用します。

ホンジュラスマホガニー 自由なギター作りができる、迫力のホンジュラスマホガニー

坂本 これが弊社所蔵のホンジュラスマホガニーです。この量で、全部キッチリ使って約60本ぶんくらいです。木材には番号を打って管理していますが、たとえばこれ(写真では、上から2番目と3番目の木材)なんかは、太い材木からボディ用とネック用を切り出しています。共木(ともぎ。両方とも同じ木材)でギターを作ろうと思ったら、同じ丸太から切り出した木材でボディとネックを作ることができるわけです。

材木の仕入れ

このサイズで仕入れていますから、この部分でボディを作るとか、ネックを作るとか、指板の接着面を柾目(まさめ。木目がまっすぐ)にする、といった「木取り」の自由があります。メイプルよりもマホガニーは強度的に弱いので、指板面に対して木目が垂直に走る柾目でネックを作るのが絶対条件です。しかしこのような木材で持っていれば、50年代のギブソンのように「ヘッド面に対して木目を平行に」で木取る、ということもやろうと思えばできます。ボディも自由に木取りできますから、木目のかっこいいところを選ぶことができますよ。僕はすべて自分でやりたいと考えているので、木材の貼り合わせもやりますし、木取りも自分でやりたいんです。

前の職場でも材木の仕入れには、相当な苦労を強いられました。値段はどんどん高騰していきますし、資金があっても無いものは無いんです。だから弊社立ち上げの時には、材木を本当に頑張って仕入れました。指板材なんかは、この規模の工房では多すぎですよね(笑)。しかし数が多いとその分、選ぶ楽しさも増えますから。資金的にもかなり無理をしたんですが、長い目で見れば材木の相場も上がっていく一方なので、今仕入れておいて損はありません。現金を持つか材木を持つかの二択だったら、僕は材木を持ちます。

──珍しい銘木より、実用的な木材をしっかり確保している感じですね!

カスタムNCルータ マスタークラフトマンの右腕を務める、高性能カスタムNCルータ

──コレがNCですね!

坂本 キットを買って、パーツをアップグレードして、自分で組上げました。パーツそれぞれの性能で加工精度が大きく変わるんですが、現在入手できるもののなかで最も高い精度が出せるパーツを取り寄せています。また精度だけでなく、安全のための装置や使い勝手を良くするスイッチを増設するなどのカスタマイズを施しています。Bizen Worksの中核と言っても過言ではない存在で、これがなかったらとても一人では運営できません。

ギター工房にはピンルータが置かれていることが多いですが、NCには大きなアドバンテージがあります。ピンルータは回転する刃物が固定されていて、材料を人間が動かして加工します。だから時には木目に逆らって切削しなければならないこともあります。木目に逆らうのは「アッパーカット」と言って、よほど切れ味の良い刃物でなければ「チップ(欠け)」や「逆目(さかめ)」が出やすいり削り方です。NCは反対に材料を固定して刃物が動きますが、どんな方向へも削れます。だからすべての切削面を、木目に従った「ダウンカット」で加工できるんです。これだけで切削面の仕上がりが段違いですし、後で磨くにしても作業がとてもスムーズに進みます。

──このようにNCをカリッカリにカスタマイズするのは、ギター工房なら一般的なんでしょうか?

坂本 いや、おそらく弊社だけでしょう(笑)。僕は70年代の車やバイクが好きで、自分でバラして修理することもありました。そういう経験があるからこそ自分でNCを組むのもカスタマイズするのも抵抗なくできたし、何かのトラブルがあっても自力で修理できます。このNCでは刃物の交換を人間が行う必要があるんですが、将来的にはあらかじめ数本の刃物をセットしておき自動で刃物の交換までやってくれる「ATC(Automatic Tool Changer)」にまで育てたいと思っています。ただしそこに到達するには、かなり勉強しなければなりませんね。

いくら高性能だからといっても、NCを導入したから業績が上がるという訳ではありません。しかしこういう技術がなければ一人で起業しようとはとても思えませんでした。今は一人でやっている個人工房ですが、将来的にはギターメーカーへの成長を狙っています。そのためには、このNCは無くてはならないものです。

坂本 さて二階へ移動します。二階は磨き&仕上げの部屋と、塗装の部屋です。小型バンドソーやボール盤、バフなどがスタンバっています。

──アコギのサイド材を曲げる道具、これはすごいですね!お手製ですよね!?

アコギのサイド材を曲げる道具

坂本 熱源はヒーターと白熱灯です。もともと生産ラインを作る仕事をやっていましたから、ここまでやることも僕としては普通のことです。サイドの形状を決める「型」もNCで切りだしていますから、弊社ではNCが本当に大活躍しています。

アコースティックギター

坂本 アコースティックもサイド&バック材を変えたサンプルを数本作りましたが、今のところお休みです。「Bizen Worksのギター」として発表できるものを開発したくて、現在研究中です。塗装ブースも自分で施工しました。塗装は換気扇で排気しながら行うんですが、弊社では反対側の壁に吸気用の吸気扇を配置して、空気が効率的に流れるようにしています。

──各部屋に必ずエアコンがありますね。やはり室内の作業では必須ですね。

坂本 電気工事やクロス貼り、大掛かりな大工仕事以外のリフォームは、すべて僕一人でやりました。5月末からここのリフォームを始め、エアコンが設置できたのが7月の末でしたから、「クーラーがないと駄目だ!」という時期にはギリギリ間に合いましたね。それでも2か月で10kg痩せました。今のところリバウンドはなく、いい感じです(笑)。

店内の作業台やカウンター

店内の作業台やカウンター、テーブルも作りましたし、床を敷設したり扉や壁を塗装したりも自分でやりました。このテーブルは、厚さ65mmの無垢クラロウォルナットから作っています。お隣の社長さんからいろいろ教えていただいたんですが、同じ木工と言ってもジャンルが違えば常識が違ってきますから、大変勉強になりました。軒下や扉の塗装が残っていますが、もうイヤです(笑)。

──まるごとDIYですか!

独立までの経緯をお聞きしました。

工房見学を終えて、再びショールームに戻ってきました。飲み物とお菓子をいただきながらのリラックスしたインタビューは、まだまだ続きます。

──「ZEMAITISカスタムショップの工場長」というポジションは、工場勤務の職人としてはエリートコースど真ん中だと思います。その地位をあえて手放して独立したのも、「自分でやりたい」という思いがあったからなんでしょうか。

坂本 自分の年齢も考えていて、ただばくぜんとした「いつか独立したいな」という想いがずっとあったんですが、「やりたいな」と思っているだけでは、何も起きません。その想いを抱えたままNAMMショウを見に行ったんですが、そこで見る景色はそれ以前と全く違っていました。いったいどうやって作ったのか見当もつかないギターもあれば、「これでよく勝負に出たな」と思ってしまうギターもあって、とても刺激的でした。そこで「もうやろう。」と決心がついたんです。
もちろんいろんな条件がいい方に動いたというのもありますが。

ギター業界で、またこの規模で、しっかり利益を出していく難しさは十分に理解しているんですが、妻も後押ししてくれましたし、決心したら行動は早かったですね。社長に納得していただくまでに2カ月ほどかかりましたが、それでも最後にはご理解をいただいて送り出してもらいました。会社には感謝しかありません。しかもちょうど弊社の立ち上げとウチの二人目の出産が重なって(笑)、それはそれは大変でした。理解してくれた妻には感謝が絶えませんし、僕は今すごく楽しいです。独立して本当によかったな、と毎日感じています。

──やはり職人というものは、独立したいという気持ちを持つものなんですね。独立までのキャリアで苦労したことや、失敗した想い出などはありますか?

坂本 私はもともとプレイヤー志望だったんですが、19歳の時にアメリカに行きヴィンテージギターのバイヤーと出会い、職人の道に転向しました。そのまま一年間アメリカで毎日ヴィンテージギターのリペア、調節を教えてもらいながら、手持ちのカネは全部ギターにつぎ込んで、空き缶を拾ってリサイクル業者に売る貧乏生活をしていました。最後にはボロボロのギターを安く買って、キレイにリペアして売る、ということをしていました。帰国後は新規工場の立ち上げメンバーとして神田商会岐阜事業所の前身となる会社に入社しましたが、技術を教えてくれる先輩がそばにいませんでした。すべてが手探りだったのは苦労だったかもしれませんが、そのおかげでたくさんのことができるようになりましたし、とてもよかったと思います。技術的にできるかできないか分からないことにトライし続ける毎日でしたが、できた時はものすごく達成感がありますし、できなくても勉強になります。

会社員のうちは賃金をいただきながら失敗を重ねて勉強できるんです。今こうして独立した経営者になると、自分の失敗は勉強になるけど会社の損失にもなってしまいます。「この3日間、おれは何してた?!」と頭を抱えることもありましたね(笑)。

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──プレイヤー志望からの転向だったんですね。弾ける職人がギターを作るのには、メリットを感じますか?

坂本 弾きやすさや音の抜けなど「道具としての使い勝手が分かる」というのは、ある程度弾いてきた者が作るメリットではないでしょうか。ギターを弾いてきた僕からすると、弾けないと自分が作ったギターが良いものなのかが分からない、とも思います。「自分が良いと思うギター」でないと世には出せません。とはいえ今では言うほど弾けませんよ(笑)。でも、時間ができたらバンドを再開したいとも思っています。

ブランディングと会社の未来

──いまのところ反響はどうでしょうか?

坂本 おかげさまで、オリジナルモデルのオーダーを頂いていて、現在製作中です。今のところBizen Worksのプロモーションは公式サイトとSNSだけなんですが、それでも試奏ご希望のお問い合わせや「どこに置いていますか?」というお問い合わせはいただきます。圧倒的に東京からのご連絡が多い印象ですね。雰囲気のいい落ち着いた店内でお客様とお話してギターを作るのが僕の理想なんですが、実際に見てもらわなければ話が進みませんから、東京や大阪で取り扱っていただける小売店さんを探していこうかとも考えています。

bizen-neck 製作途中のネック。それぞれポジションマークや指板に違いが確認できます。

また、Bizen Worksのことをもっとたくさんの人に知ってもらうために、サンプル動画を撮影して動画サイトで公開する予定です。地元のプレイヤーさんに、弊社のギターを弾きまくってもらいますよ。

──これからBizen Worksの規模を拡大するにあたって社員を雇うとするならば、どんな人に来てほしいでしょうか?

坂本 第一に、ギタークラフトの学校を卒業していなければ、という条件はありません。作業法や技術は現場で伝えることができると考えています。そんなことよりも向上心があって、働く意欲があるほうが大事ですね。ここでいろんな経験を積んで欲しいし、失敗を恐れずにどんどんいろんなことに挑戦して欲しいと思います。

職人にはいろんな考えの人がいますが、僕はこちらがウンザリするくらい質問してきたり、また意見を遠慮なく言ってきたりしてほしいと思っています。僕はお隣の社長さんがなにか作業していたら「何を作っているんですか?」と聞いちゃいます。自分の知らない道具や工法のことを知ると、とても勉強になりますよ。最近は遠慮がちな人が多いように感じていますが、僕にはガツガツ来てほしいですね。

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また、ギターに限らず、いろんなことに興味を持っている人に来てほしいです。今の自分にはギターのことしか考えられませんが(笑)、好奇心は「もの作り」においてとても重要だと思います。趣味のバイクのピストンに穴があいてしまったことがあったんですが、詳しい友人からいろいろ教わりながら、特殊工具も調達して、自分でエンジンをばらして修理するわけです。そうすることで、エンジンにおける「ものの道理」というものがわかってきます。これ自体はギターと関係ありませんが、そういう経験があったので工作機械のベアリング交換やメンテナンスなどが自分でできるようになりました。店内のリフォームを自力でやった時も、ギターと関係ないかもしれないけれど、ものすごく勉強になりました。この経験は、絶対にいつか役に立つと思っています。

自分で全部やりたくて始めたBizen Worksですが、立ち上げてわずか3か月で、一人の限界を思い知らされています。リペアとオーダー、新機種の開発、事務作業とても一人では回せません(笑)。いくらNCで自動化したとはいっても、磨く工程はあるわけですし。人を雇うことも今後検討していくことですが、それなら働きや技術に見合った給料を払いたいですし、少人数で回すことになるので僕の右腕になるくらい、しっかりとした技術を身につけてもらいたいです。

──ありがとうございました。


以上、愛知県春日井市「Bizen Works」から、木に対するこだわりもさることながら、「NC」と「自分でやりたい」がキーワードになりそうな取材でした。カフェのような落ち着いた雰囲気のショールームがあって、爆音で試奏する防音室があって、ギター好きならばこそ感じることのできる楽しさに溢れていて、また来たくなる工房です。暖かみのある設計と高精度の加工が共存した美しいギターは、皆さんにもぜひ一度体感して欲しい感触でした。