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【最強最新鋭】Fender American Elite Stratocaster徹底分析!

フェンダー・アメリカンエリート・ストラトキャスター

「フェンダー・アメリカンエリート・ストラトキャスター(以下、エリート)」は、

  • ストラトキャスター・プラス(1987~)
  • アメリカン・デラックス・ストラトキャスター(アメデラ)(1998~)

といった「高機能な高級ストラト」の最新アップデート版として、2016年にデビューしました。

現代の音楽シーンを見据えたサウンドと演奏性が考慮されている「モダン(現代的)スタイル」のフェンダー・ストラトキャスターとしては最高グレードのギターに仕上がっており、標準機「アメリカン・スタンダード・ストラトキャスター」が現在におけるストラトの王道ならば、演奏性と機能を追求したアメリカン・エリートは「最新鋭の最強ストラト」だと言えるでしょう。

ここではこのアメリカンエリート・ストラトキャスターに注目し、機能や特徴を追ってみましょう。


Fender American Elite Stratocaster Demo
「プレイヤーの腕前が試される幅広いトーンバリエーション」が、アメリカンエリート最大の特徴と言えるでしょう。さらに演奏性、フィーリング、そしてルックスが「エリート」の域まで高められています。

American Elite Stratocasterの特徴

「モダンスタイルの最高峰」という特別な位置にあるエリートは、ストラトキャスターの伝統的なルックスを維持しながら、最新のパーツや設計理念が優先的に注がれることで、外見的にも機能的にもさまざまな特徴を持っています。他のストラトキャスターにはない、エリートの特徴をチェックしてみましょう。

ヘッドデザイン

American Elite Stratocaster:ヘッド部分アメリカン・エリート・ストラトのヘッド

エリートのヘッドロゴは、立体的なアルミデカールで「Fender」と「STRATOCASTER」のふたつのみ記される、シンプルかつクールなデザインです。同社の他モデルと比べると、ブランドロゴの下に入る「MADE IN U.S.A.」や登録商標をあらわす「R」などが省かれています。これはアメデラから継承した「モダンスタイル最高グレード」の地位を象徴する、エリートのみに施される意匠です。トラスロッドの開口部をヒール側に移したことと新デザインのストリングガイドが採用されたことで、さらにスッキリと洗練された印象が演出されています。

ストラップロック

ストラップが外れてしまうのを防止する「ストラップロック」が標準装備されています。ストラップの着脱もラクで、ギターから簡単に外し、ケースにすっきり収めることができます。革ストラップとシールドも同梱されており、買ったその日からストラップロックの快適な着脱を体験できます。

ヒールカット

ネック・ジョイント部分ネック・ジョイント部分

アメデラやいくつかのシグネイチャーモデルで採用されてきた「ヒールカット」は、角をカットしたシンプルなものから一歩前進しました。ヒール自体を大きく斜めにカットした新しい形状が採用されて、ハイポジションでの演奏性がさらに向上しています。

ヒールをあまり小さくしてしまうと、ジョイント部での振動伝達を損なってしまい、ストラトの音ではなくなってしまいます。そのためこれまで四角いヒール形状を頑固に守ってきたフェンダーですが、ヒールカットに対するニーズを無視しきれず、重たい腰を上げたようです。現代のスタイルとしてはかなり控えめなヒールカットですが、振動の伝達効率を落としすぎずに演奏性をアップさせる、ぎりぎりの妥協点がこの形状です。

S-1スイッチ

S-1スイッチ少し浮き上がっているように見える

ボリュームポットに仕込まれたプッシュ/プッシュ式のスイッチは「S-1スイッチ」と名付けられています。エリートのいろいろな特徴は、現代流通しているエレキギターの中でも決して珍しくないかもしれません。しかしこのS-1スイッチだけは別で、出荷時にこれを搭載しているギターはフェンダーにしかありません。

S-1スイッチは、プッシュするごとに

  • 一般的なストラトの通常モード
  • 特殊配線のスペシャルモード

二つのモードを切り替えられるようになっています。

S-1スイッチ考察

スペシャルモードでどんなトーンが得られるのか、フェンダー公式サイトでは公になっていませんが、 ・二つのシングルコイルをシリーズ(直列)に繋いだ「疑似ハムバッカー」の太い音 ・特殊トーン回路を使用した丸みのある音 ・位相を反転(フェイズ)させた細い音 といった通常のストラトとは全く違う世界観のトーンが手に入ります。 通常シングルコイルのシリーズ接続は音量と共にノイズも増やしてしまいますが、エリートではノイズ対策が施されたノイズレスピックアップを使用しているためその心配がありません。ちなみにアメデラでは、疑似ハムバッカーのほかに ・位相反転させたフロントと、直列させたリア&センターのハーフ ・位相反転させたフロントとノーマルリアの直列 といった極めてマニアックな組み合わせが得られました。 American Elite Stratocaster HSSAmerican Elite Stratocaster HSS Shawbucker リアピックアップをハムバッカーに換装したHSSモデルでは、また一味違う配線になっていると言われています。ここまでマニアックな配線を最初から組み込んでくるギターはフェンダー以外にはなく、ギターよりも先にアンプの修理/開発で身を立て、テッド・マッカーティ氏(伝説的なギブソンCEO)をして「ラジオ屋」と言わしめたフェンダーの真骨頂がいかんなく発揮されています。

ソフトタッチ・ノブ

ボリュームとトーンのコントロール・ノブは、表面のギザギザ部を滑りにくいゴム製にした「ソフトタッチ・ノブ」が採用されました。

2点支持トレモロ&ブロックサドル

2点支持トレモロ

「シンクロナイズド・トレモロユニット」と言えば6本のネジでボディに設置されるのが伝統的なスタイルですが、アーミングの操作性を向上させるため、現代版では2本のネジで設置される「2点支持」タイプが主流になっています。

さらにエリートでは鉄板を曲げて成形する「ベントサドル」よりも立ち上がりとサスティンに優れる「ブロックサドル」が採用されていますが、この2点支持トレモロとブロックサドルの組み合わせは、一部のアーティストモデルを除いてはエリートのみの仕様です。

また、「ポップイン・アーム」はネジを使わず抜き差しするだけで着脱できます。

グレードの高いウッドマテリアル

機能面だけでなく、エリートには「モダンスタイルの最高峰」にふさわしい木材が使用されます。ネック材、指板材、ボディ材共に、木目や色調の美しい、グレードの高いものがセレクトされるほか、アメスタでは3ピースだったボディがエリートでは2ピースになっています。


SCANDAL 「少女S」/ Syoujo S ‐Music Video
ガールズロックバンド「SCANDAL」のMAMI氏は、2007年より実兄の名をとって「ゆうや君」と名付けたアメデラをトレードマークとしていました。S-1スイッチによる豊富なサウンドバリエーションは、多彩なトーンを使用するアーティストやさまざまなジャンルをプレイするスタジオミュージシャンの強い味方です。

デラックスからエリートへ。どう変わったのか?

アメリカンエリートは、先代のアメリカン・デラックス(アメデラ)からどのような変化をしたのでしょうか。共通点や相違点をチェックすることから、エリートの特徴を詳しく追ってみましょう。

american-deluxe-vs-elite上:American Deluxe Stratocaster、下:American Elite Stratocaster
見た目には違いがほとんどわからないが…

1)ネック周り

American Deluxe American Elite
グリップ 厚みを抑えつつ、スリムすぎないバランスを持っている「モダンCシェイプ」。塗装はウレタンで、サラサラに仕上げられており、これらのスペックはアメスタと同一。 開放弦からハイポジションに向けて、モダンCから徐々に肉厚になりDシェイプにまでなる「コンパウンド・バックシェイプ」。塗装はさらさらなさわり心地のウレタン
指板R ナット部9.5″(241 mm)から徐々に平らになっていき、22フレットで14″(355.6 mm)になる「コンパウンド・ラジアス指板」。弦高を下げても音詰まりが起きない高機能な指板。 コンパウンド・ラジアス指板は、アメデラからそのまま継承。パールを使用したポジションマークが大型化し、視認性が向上。
フレットのサイズと数 押弦とチョーキングに有利であり、かつ大きすぎない「ミディアムジャンボ」の22フレット。 アメデラの仕様をそのまま継承。
ナット幅 1.685″(42.8mm) アメデラ同様。
調整法 トラスロッドはヘッド側にあり、調整ではネックを外す必要がない。また、ジョイント部に「マイクロティルト」が仕込まれている。アメスタと同一仕様。 ネックを取り外す必要はなく、ヒール部についたアジャストホイールでロッド調節できる。マイクロティルトは無し。
ロッドの挿入法 メイプル指板はネック裏から、ローズ指板は指板側から挿入。 メイプル、ローズ共に指板面から挿入。

ネックの材質・形状について

ネック周りの大きな変更点は

  • ポジションごとに徐々にグリップが変化する「コンパウンド・バックシェイプ」
  • ヒール部に開口したトラスロッド

ポジションごとにグリップを変化させるネックは、近年のハイエンドギターで徐々に広まっている仕様です。

2)ペグとブリッジ

American Deluxe American Elite
ブリッジ 2点支持、ポップインアーム アメデラ同様。
サドル ブロックサドル アメデラ同様。
ペグ ストリングポストの高さに違いが設けられた、ロック式ペグ ストリングポストを低いものに統一したロック式ペグ

金属パーツについては、ペグのストリングポストが短いものに統一されました。ペグ単体ではたったこれだけの変更ですが、これにより弦のテンションを変えずに指板面からヘッド面への落差を抑えることができ、ヘッド部の剛性アップ、またよりストレートな振動伝達が実現しています。

3)電気系

American Deluxe American Elite
ピックアップ Noiseless™ N3 Single-Coil Strat New 4th Generation Noiseless
コントロール 1ヴォリューム+S-1スイッチ、フロントトーン、センター+リアトーン(ノー・ロード) アメデラを継承。
セレクタスイッチ 5Way 5Way

ノイズレスピックアップは第4世代になり、低域の押し出しを強化させたトーンになっています。ストラトの柔軟性はそのままに、ロック系のサウンドによりフィットするアレンジとなっており、シリーズ接続時にはさらにファットなトーンが得られます。

トーンがリアピックアップにも効くようになっているのは、エリートのみならず現代版ストラトの標準仕様です。「ノー・ロード」は、ソニックの「フルアップ・トーン」と同様に、全開時に電気抵抗を完全に「ゼロ」にする機能で、トーン回路を経由しない伝統的なストラトのリアの音も問題なく出すことができます。

アメリカン・エリートのカラーバリエーション

アメリカン・エリートのカラーバリエーション

エリートは、ボディカラーと指板材の組み合わせで様々なバリエーションを持っています。サンバーストやブラックといった定番カラー、アメデラから継承したエイジド・チェリーサンバーストに加え、エリート用の新しいカラーリングとして
スカイバースト・メタリック:外周に向けて濃くなっていくメタリックブルー
アルミニウムブレーズ・メタリック:燃えるようなオレンジのメタリック
がデビューしました。

フェンダーの「白」は、レギュラーカラーとなった1975の翌年にモントリオール(カナダ)オリンピックが解されることにあやかって「オリンピックホワイト」と名付けられたと言われています。特別な色調になっているというわけでななく、フェンダーにおける「普通の白」がオリンピックホワイトです。これに細かいラメを混ぜたのが「オリンピックパール」で、エリートではオリンピックパールのみ、ピックガードがべっ甲柄になります。

また、エイジド・チェリーサンバーストとタバコサンバーストではボディ材がアッシュ材となり、大きく浮き出る木目が目を引きます。

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アメリカン・デラックスのカラーバリエーション

アメリカン・デラックスのカラーバリエーション

最終的なアメデラのカラーバリエーションでは、アメリカン・エリートと同様サンバーストやオリンピックホワイトが存在する他、ブラックは省かれ、べっ甲柄ピックアップを搭載した「AMBER」、紫色の「Burgundy Mist Metallic」が存在します。

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生き残ったアメリカン・デラックス

トップグレードの座をエリートに譲り渡したアメデラですが、「アメリカン・デラックス・ストラト・プラス」が引き続き生産されています。アメデラ・プラスは大きな特徴だったS-1スイッチの代わりに「パーソナリティ・カード」を差し替えることで回路を変更できるという斬新な機能を備えています。


Fender American Deluxe Strat® Plus HSS

パーソナリティ・カードには4種類あり、

  • スタンダード:通常のストラトの配線。
  • カッター:フロントトーンがトレブル(高域)カット、センタートーンがロー(低域)カットになる。
  • スプリッター:HSSモデル用。リアハムバッカーでトーンがバイパスされ、センターとのハーフトーンではコイルタップされる。
  • ブレンダー:SSSモデル用。ピックアップセレクタのポジションそれぞれで、使用していないピックアップをブレンドできる回路。フロントトーンがマスタートーンに、センタートーンがブレン量を調節するブレンダーになる。

SSSモデル、HSSモデル共に3種類ずつセットされます。

ギター本体としては

  • コンパウンド・ラジアス指板
  • ロック式ペグ
  • 第3世代ノイズレスピックアップ

といったアメデラの仕様を持ちながら、

  • 2点支持トレモロ&ベントサドル
  • 通常仕様のヘッドデザイン
  • 伝統的な四角いヒール

というアメスタなど一般的なストラトの特徴も備えており、アメスタとエリートの中間に位置するグレードになっています。

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