エレキギターの総合情報サイト

マイナー・キーにおける固有和音

マイナー・キーを作る3つの音階上の音でできる和音はメジャー・キーに比べて数も多いですが整理してしっかりと覚えてください。
まずはメジャー・ダイアトニック・コードについてしっかりと頭に入れておきましょう。

固有和音

マイナー・キーは

  • ナチュラル・マイナー
  • ハーモニック・マイナー
  • メロディック・マイナー

の3つから構成されています。
これらのうち、ナチュラル・マイナーは平行調(曲のKeyって何?を参照)におけるメジャー・スケールと同じ音でできているので、
ナチュラル・マイナー上にできるコードは平行調におけるダイアトニック・コードと同じ、になります。

これにハーモニック・マイナー、メロディック・マイナーの2つの音階上にできる和音を含めて「固有和音(キャラクタリスティック・コード)
とよびます。

①ナチュラル・マイナー上にできるコード

平行調におけるメジャー・ダイアトニック・コードと同じですが、「階」が変わります(階についてはメジャー・ダイアトニック・コード「コードの階について」を参照ください) Cナチュラル・マイナー・スケール上にできるコード Cナチュラル・マイナー・スケール上にできるコード

②ハーモニック・マイナー上にできるコード

ナチュラル・マイナーの第7音を半音上げてできるハーモニック・マイナー上にできるコードは、 ナチュラル・マイナー上にできるコードと共通するコードが多くなります。 Cハーモニック・マイナー・スケール上にできるコード Cハーモニック・マイナー・スケール上にできるコード ナチュラル・マイナーとは異なるコードのうち、多用されるコードは「ⅠmM7」「Ⅴ7」「Ⅶ○7」の3つです。 「bⅢM7+」はJAZZでは使われますが、通常の場合はほとんど使われません。

③メロディック・マイナー上にできるコード

ナチュラル・マイナーと比べると 第6音 と 第7音 の2音が変化するのでできるコードはすべて異なりますが、 ハーモニック・マイナー上にできるコードとは共通するコードがあります。 またメロディック・マイナーはメジャー・スケールと第3音が異なるだけでもあるので、メジャー・ダイアトニックとも共通するコードがあります。 Cメロディック・マイナー・スケール上にできるコード Cメロディック・マイナー・スケール上にできるコード メロディック・マイナー上にできるコードの中でよく使われるのは「Ⅱm7」「Ⅳ7」「Ⅵm7(b5)」です。

ナチュラル・マイナー上にできるコード(7つ)
+ ハーモニック・マイナー上にできるコード(3つ)
+ メロディック・マイナー上にできるコード(3つ)
+ Ⅰm6(後ほど説明)
= 合計14のコード

がマイナー・キーにおける固有和音です。

マイナー・キーにおける主要和音

マイナー・キーの固有和音の中で「Ⅰ」、「Ⅳ」、「Ⅴ」をルートとするコードが主要和音です。

Cマイナー・キーの主要和音 Cマイナー・キーの主要和音一覧

主要和音のコード機能は以下のように表現します。

  • ⅠをルートとするⅠm7、ⅠmM7:トニック・マイナー・コード(Tonic minor:Tm)
  • ⅣをルートとするコードのⅣm7:サブドミナント・マイナー・コード(Subdominant minor:SDm)
  • Ⅳ7:サブドミナント(・メジャー)コード(SD)
  • ⅤをルートとするⅤm7:ドミナント・マイナー・コード(Dominant minor:Dm)
  • Ⅴ7:ドミナント(・メジャー)コード(D)

Ⅰm6コード

マイナー・トライアドにメロディック・マイナー上の第6音(長6度)を加えるとマイナー・シックス・コードができます。 Cm に長6度(A音)を加えると Cm6 になるということです。 このコードは3度堆積ではないので上の固有和音には含めていませんが、マイナー・キーでは「Ⅰm6」としてよく使われます。 よってこのコードも主要和音の中に入れて考えます。 Cm/Cm6 Cm6はメロディック・マイナー上にできる「Ⅵm7(b5)」を転回したコードでもあります。 Cメロディック・マイナー

マイナー・キーの代理和音

マイナー・キーの固有和音の主要和音以外のコードは、主要和音いずれかの代理和音になります。
(代理和音の基本的な考え方についてはメジャー・ダイアトニック・コード「代理和音」の項を参照)

マイナー・キーでの主和音である「Ⅰm」にとってのアボイド・ノートはナチュラル・マイナー上の第6音(短6度)です。
第6音は「Ⅰm」の5度音の半音上になってしまうため、テンション・ノートとする事はできません。

cm+note

cm+note_chord

主要和音の中で第6音を含むのはSDm(サブドミナント・マイナー)である「Ⅳm7」です。

nm_function

hm_chord2

このことから「コードトーンに音階上の第6音(主音から見た短6度音)を持つかどうか?」でコード機能が分けられます。

ハーモニック・マイナー上にできるコードの中で、「Ⅶ○7」はこの機能を分ける音を含みますが、このコードはドミナントの「Ⅴ7」に b9th の音を加えてできるコードという性格が強いため SDm ではなく、D(ドミナント)とします。

7dim


以上、それぞれのコードのコード機能は次のようになります。

マイナー・キーにおける固有和音のコード機能

マイナー・キーにおける終止形(ケーデンス)

①サブドミナント・マイナー・ケーデンス

「Ⅳm – Ⅰm」に代表されるケーデンスです。
(左側はKey=Cmの例です)

サブドミナント・マイナー・ケーデンス

SDm→Tm

また SDm コードは数が多いため、SDm-SDm と連続して使われる進行も多様です。
多くの場合、後方に来る SDm は「bⅦ7」になります。

SDm→SDm→Tm

②ドミナント・ケーデンス

SDm ケーデンスに比べ、強い終止です。

D→Tm

tritone_resolusion

メジャー・キーではドミナント・ケーデンスとしては「Ⅴ7ーⅠ」だけでしたが、
マイナー・キーでは「Ⅶ◯7ーⅠm」という進行も使われます。

③サブドミナント・マイナー ー ドミナント・ケーデンス

SDmケーデンスとドミナント・ケーデンスを組み合わせた進行です。

sdm_d_tm

「Ⅶ◯7」は「bⅦ7」とルートの違いのみなので、「bⅦ7 – Ⅶ◯7」の形でのみ使用されます。

b7_7dim

マイナー・キーにおけるⅡーⅤ進行

メジャー・キーでの「ⅡーⅤ」は「Ⅱm7 - Ⅴ7」ですが、 マイナー・キでは「Ⅱ」になるコードが「Ⅱm7(b5)」(SDm)になります。 2_5_1 また「SDm - SDm - D」という形も使われます。 この場合は上で説明した「連続するSDm」とは違い、後ろ側にもいろいろな SDm が使用されます。 sdm_sdm_d_tm

ドミナント・マイナーを使ったケーデンス

ドミナント・マイナーというコードは、コードトーンにTm(トニック・マイナー)のアボイドノートである 短6度(Cマイナー・キーの場合のAb)の音を含みません。 そのためドミナントである「Ⅴ7」よりも変化に乏しく、使用頻度は低くなります。 5m7 ドミナントと同じような使われ方をしますが SDmーDm の流れでは、「Ⅱm7(b5)」や「bⅦ7」のようにコードトーンにトライトーンを含むコードからはコードの響きが大きく異なるため、ほとんど進行しません。 sdm-dm_tm

マイナー・キーにおける基本的なコードの流れ

マイナー・キーでは
Tm – SD – SDm – D(Dm) – Tm
という流れでコードは動きます。
メジャー・キー同様この中のどれかが省略されることはあります。
が、メジャー・キーよりも多くのコードが使われていることや、それぞれのつながりに原則的なつながり方があるため、あまりこのように考える事はありません。

minor_progression

マイナー・キーの固有和音の各コードスケールとテンション・ノート


  • ナチュラル・マイナー上にできるコード
  • ハーモニック・マイナー上にできるコード
  • メロディック・マイナー上にできるコード

ナチュラル・マイナー上にできるコード

ナチュラル・マイナー上にできるコードスケールおよびテンション・ノートは、平行調におけるメジャー・ダイアトニック・コードのスケール、テンションと同じものになります。

ただし、階が変わるので注意してください。

Ⅰm7 → 平行調における「Ⅵm7」と同じ(エオリアン・スケール)

エオリアン・スケール

Ⅱm7(b5) → 平行調における「Ⅶm7(b5)」と同じ(ロクリアン・スケール)

ロクリアン・スケール

bⅢM7 → 平行調における「ⅠM7」と同じ(アイオニアン・スケール)

アイオニアン・スケール

Ⅳm7 → 平行調における「Ⅱm7」と同じ(ドリアン・スケール)

ドリアン・スケール

Ⅴm7   → 平行調における「Ⅲm7」と同じ(フリジアン・スケール)

フリジアン・スケール

bⅥM7 → 平行調における「ⅣM7」と同じ(リディアン・スケール)

リディアン・スケール

bⅦ7 → 平行調における「Ⅴ7」と同じ(ミクソリディアン・スケール)

ミクソリディアン・スケール

ハーモニック・マイナー上にできるコード

ⅠmM7

ハーモニック・マイナー・スケール
ハーモニック・マイナー・スケール:指板

Ⅴ7

フリジアン・メジャー・スケール
フリジアン・メジャー・スケール:指板

Ⅶ◯7

オルタード・ダブルフラットセブン・スケール
オルタード・ダブルフラットセブン・スケール:指板

メロディック・マイナー上にできるコード

Ⅰm6

メロディック・マイナー・スケール
メロディック・マイナー・スケール:指板

Ⅱm7

ドリアンb2スケール
ドリアンb2スケール:指板

Ⅳ7

リディアンb7スケール
リディアンb7スケール:指板

Ⅵm7(b5)

ロクリアン#2スケール
ロクリアン#2スケール:指板

ギター博士の30日間ギターチャレンジ リハーサルスタジオ