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Knaggs Guitarsについて

Knaggs Guitarsのヘッド

「ナッグス・ギターズ(以下、ナッグス)」は、木の美しさをいかんなく発揮させた木工技術と独自設計のブリッジを特徴としており、エレキギターの伝統的なスタイルと革新的な設計を共存させる、気鋭の高級ギターブランドです。PRS(ポールリードスミス)創業メンバーだったジョー・ナッグス氏が独立し、2009年に設立しました。ナッグス氏はポール・リード・スミス氏の右腕として20年以上のキャリアを持ち、最高技術責任者としてプライベート・ストックの責任者をも勤めていましたから、氏の独立は業界では大きなニュースとなりました。

ナッグスのギターは、ナッグス氏本人とPRS時代の同僚クラフトマンらによるチームで作られています。プライベートストックの責任者でもあったナッグス氏が同僚を引き連れてPRSを退社したのは、PRSにとっては会社の存続に関わる大事件だったようです。ナッグス氏は2009年8月一杯でPRSを退社しましたが、この時期PRSではモダンイーグル、スワンプアッシュスペシャル、Custom22、SC245といったモデルが製造終了になるほか、カラーバリエーションに大きな制限がつきました。公式な情報が得られている訳ではありませんが、ナッグス氏らの退社と無関係だとは決して言えません。

とはいえこれ以後PRSの品質が落ちることはなく、むしろ高級機の仕様がレギュラーラインに採用されるなどグレードはアップしています。また現在Custom22やSC245は復活しており、カラーバリエーションも充分すぎるほどに充実しています。PRSクラフトマンの層がいかに厚かったか、またいかにPRSがただでは転ばないかがわかりますね。ただし「独立したナッグス氏と連携してカスタムショップのような付き合いをする」というPRS公式の説明もあり、これでPRSとナッグス氏との関係が険悪になったわけでもないようです。

Knaggs Guitarsの特徴

専用ブリッジ

独自設計の二つのブリッジはナッグスの大きな特徴で、機能性を追求すると共に豊かな倍音とサスティンを目指しています。

チェサピーク・ブリッジ

severn-tier2-ocean-blue チェサピーク・ブリッジ:Severn Tier 2 Ocean Blue 引用元:knaggsguitars.com

ナッグス氏が自ら設計した「チェサピーク・ブリッジ」は、削り出しで成形したベースプレートに6個のサドルが沈み込むように収まり、余計な共振が抑えられるとともにサスティンが向上します。またブリッジプレート上にリアピックアップがマウントされるので、テレキャスターを彷彿させるエッジの効いた歯切れの良さがトーンに加えられています。
 このブリッジには固定式とトレモロ付きがありますが、トレモロユニットはブリッジプレートと蝶番(ちょうつがい)で連結されています。このためトレモロモデルであっても「ブリッジプレートにリアピックアップがマウントされている」ことがきちんとトーンに反映します。またプレートがボディへ効率的に振動を伝達するので、音の立ち上がりとサスティンが向上します。

インフルエンス・ブリッジ

Kenai-King-of-Spades インフルエンス・ブリッジ:Kenai King of Spades

「インフルエンス・ブリッジ」は、チューン・O・マチック的でありながらブリッジとテールピースがベースプレートを介して一体化していることを特徴としています。インフルエンスブリッジは本体に質量があるためサスティンに有利で、ボディと接する面積が広いことから振動伝達の効率にもすぐれます。

極めて高度な木工技術

木材に曲面を削り出すことを「カービング(carving)」と言い、マシンに頼らない手彫りを「ハンドカービング」と言います。プライベートストックで発揮されたナッグス氏のカービングは世界的に評価されており、20007年には楽器フェアで開催されたハンドカービングセミナーため来日もしています。ナッグスのギターにはギター全体にカービングが施され、ボディトップには流れるような滑らかさがあり、ボディバックには身体にフィットするコンター加工が、また一見平面に見えるところもうっすらと曲面を描かれ、ネックジョイント部にも剛性と美しさを共存させた成形が施されます。

Knaggsギターのボディ・バックCreation Series serial # 1 – ‘The Black Pearl’ (Photo: Larry Melton)

全てのギターがセットネック仕様となっているのは、ナッグスのこだわりです。接合面はボディ形状に応じて可能な限り広く取られており、振動の伝達に優れています。またモデルごとに異なる表情を見せるヒール部分は、手作業によって美しく仕上げられています。

2017サウンドメッセ展示モデル

ピックガードにも銘木を使用するのもナッグスのこだわりの一つで、高級感の演出に大いに貢献しています。グレードの高いモデルになると、インレイやパーフリング(木を埋め込む装飾)などが施され、いっそうゴージャスな様相になります。木製ピックガードはサウンド面にも貢献します。一般的な樹脂製のピックガードは倍音を吸収してしまう性質がありましたが、木製ピックガードはボディとともに振動に反応し、抜けの良いナチュラルな響きを醸し出します。

Knaggs Guitarsのサウンド

選び抜かれたマテリアル、またそれを活かす加工技術により、反応がよく粒が揃う、そして高密度なトーンになっています。反応が早く倍音を多く含むトーンからはヴィンテージギターに対するリスペクトを強く感じさせられますが、サスティンが豊かでエフェクタとの相性もよい現代的なサウンドです。


Steve Stevens plays his Knaggs Guitar(At Billy Idol Concert)
マイケル・ジャクソン氏や氷室京介氏との共演も有名なスティーヴ・スティーヴンス氏は、「ケナイ(後述)」をベースとした自身のシグネイチャーモデルをリリースしています。台数限定で、売り上げの一部が音楽振興団体に寄付されるほか、購入者の中から抽選で1名様に、スティーヴンス氏本人による個人レッスンが受けられる(!)という魅力的な特典が付きました。

Knaggs Guitarsのラインナップ

ナッグスのオリジナルギターは、圧倒的な高級感とプレイアビリティ、そしてトーンによって、私たちにため息をつかせます。
エレキギターラインナップには、ブリッジの名称にちなんだ二つのシリーズがあります。

  • Chesapeake(チェサピーク):弦長25.5インチ(フェンダー系)、Chesapeakeブリッジ搭載
  • Influence(インフルエンス):弦長24.75インチ(ギブソン系)、Influenceブリッジ

そしてそれぞれの派生モデル、またそれぞれに3段階あるグレードと、細分化されていきます。各モデルにはネイティブ・アメリカン由来の河川名や地名が充てられ、独特の雰囲気を演出しています。

3段階のグレードは、

  • Tier(ティア)1:模様の美しい木材をふんだんに使用し、インレイやパーフリングによる意匠を凝らした最高グレードモデル
  • Tier2:インレイやパーフリングなどの装飾を控えた基本モデル
  • Tier3:トップ材を省略するなど、さらにもう一歩シンプルにまとめて価格を抑えたモデル

という形で分けられますが、そもそもナッグスは高級ギターのブランドなので、お求めやすい価格と言っても40万円台近辺になります。

Chesapeake Series

チェサピーク・シリーズは、弦長25.5インチのネックをはじめとするフェンダーを意識したスタイルと「チェサピーク」ブリッジを特徴とします。ダブルカッタウェイでストラト的なSevern(セヴァーン)とシングルカッタウェイでテレキャス的なChoptank(チョップタンク)の二つがあり、ボディシェイプに大きな違いがあります。フェンダー的なスタイルというコンセプトのもと、両者には共通する部分が多くありますが、ネックのジョイント部分の加工やネックグリップなど渋い所に違いが隠されています。またハカランダに近いと言われるココボロが指板に使用されます。

Severn(セヴァーン)

Knaggs Chesapeake Series:Severn Tier 2 Hickoryburst、Tier 2 Trembuck’ in Spring and Sunflower、Tier 2 Medoc

「セヴァーン」はチェサピーク湾に注ぐ川の名前で、ナッグス氏がストラトを遠くまで連れて行った、と表現できるオリジナルギターです。フィギュアドメイプルトップのボディに銘木製のピックガードが充てられており、高級感に満ちています。バック材にはトーンバランスを熟慮して厳選されたアルダーやスワンプアッシュが使われます(ティア3はアッシュorアルダー単体ボディ)。ネックジョイント部は船舶を思わせる形状に手彫りされており、「河川」というテーマが色濃く反映されています。

スリムな握り心地のネックグリップは1961年製のヴィンテージ・フェンダー(恐らくストラト)から採寸したもので、「61」と名付けられています。指板のRは、丸すぎず平らすぎずというところを狙っており、ヴィンテージギターと現代のギターの中間あたりです。

Severnを…
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Choptank(チョップタンク)

Knaggs Chesapeake Series:ChoptankTier 1 serial Winter Solstice、Tier 3 Aged Ivory、Tier 2 in Aged Scotch


Burn – Deep Purple バーン 紫の炎 cover Guitar☆Man #008:通販サイトの企画でナッグスギターの試奏レポートをした際に気に入って買ったと言うチョップタンク。ボディの杢が物凄い存在感を発揮しています。ストレートかつ太い存在感のあるサウンドですね。

「チョップタンク」もセヴァーン同様、チェサピーク湾に注ぐ川の名前です。テレキャスターをルーツとしながらカーヴィングの施されたスタイリッシュなボディ、3シングルを基本としたピックアップ配列など、様々なアレンジが加えられています。特に滑らかに削られたトップと身体にフィットさせるための大胆なコンター加工は、見る角度を変えると表情が変わる杢を一層引き立てます。

ネックグリップは程よい厚みがあり、CシェイプとVシェイプの間くらいの感触です。がっしりと握り込むのに適したグリップは、テレキャスターに慣れているプレイヤーならば手にした時から馴染むと言われます。このグリップは「52」と名付けられていますから、恐らく1952年製のヴィンテージ・テレキャスターから採寸したものと考えられます。ジョイント部分の削り方はセヴァーンと異なり段差ができていますが、こうしたジョイント部分の形状やボディ/ネックが接合される面積、またジョイント位置の違いによって弦の振動が影響を受け、このモデル固有のトーンが作られます。

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Influence Seriese

インフルエンスシリーズは、ギブソンを意識したスタイルと弦長24.75インチのネック、そしてインフルエンス・ブリッジが特徴です。またどのモデルでも外周近くを滑らかに掘り下げたボディトップ、身体にフィットするバックコンター、カッタウェイに合わせたネックジョイント部など、全体に施されたカーヴィングの美しさは芸術の域に達しています。

インフルエンスシリーズにはレスポールライクなKenai(ケナイ)、これを中空にしたChena(チェナ)、左右対称ボディでダブルカッタウェイのKeya(ケヤ)、またこれをセミアコにアレンジしたSheyenne(シャイアン)があります。

Kenai(ケナイ)

Knaggs Influence Seriese:KenaiTier 2 in Indian Red、Tier 3 in Faded Onyx、Tier 3 in Winter Solstice

「ケナイ」の名称はアラスカ州にある街の名前が由来で、メイプルトップ/マホガニーバックのボディ、マホガニーネック、2基のハムバッカーピックアップといった、伝統的なレスポールのスペックを継承しています。弦長24.75インチ、ナット幅約43ミリ、指板R12インチ(305mm)、ミディアムサイズのフレットというネック関係の寸法はギブソンを踏襲しています。「59」と名付けられたグリップは、1959年製レスポールのグリップを再現しているのではないかと言われ、シリーズ内で最も厚みがあり、スムーズな演奏性とコシのあるトーンを両立させています。

ボディ厚はネックジョイント部分からボディエンドへと、徐々に厚くなっていきます。ボディトップの美しい曲線はもちろんの事、バックにも大胆なコンター加工が施されますが、一見平らに見えるボディバックもなだらかな曲面になるよう処理されています。これらの加工は美観の演出だけでなく、トップ/バックのバランスをとり、鳴りを最大限に引き出し、また重量バランスをとるという楽器に必要な機能も考慮されています。

ギブソン系のスタイルということもありコイルタップは付きませんが、ハムバッカーのままでも高域を豊かに含むシャープなトーンを得る事ができます。

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Chena(チェナ)

knaggs-chenaTier 1 in Winter Solstice、Tier 2 in Aged Scotch

「チェナ」の名称は、アラスカに流れる河川が由来となっています。先述したケナイのボディをブリッジ部分以外くり抜いたもので、レスポール的なサイズながらフルアコ的なボディ構造を持っています。寸法やパーツなどほとんどの部分でケナイと同一ですが、豊かな鳴りを確保するためにバック材のみ若干厚さを増しています。この構造からフルサイズに引けを取らないふくよかなトーンが得られますが、甘い中にしっかりとコシがあり、ロックにも良好です。

Chenaを…
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Keya(ケヤ)

knaggs-keyaTier 2 in Golden Natural

「ケヤ」は北アメリカを流れる河を名称の由来とする、左右対称のダブルカッタウェイモデルです。メイプルトップ/マホガニーバックのボディ、マホガニーネック、2基のハムバッカーピックアップという基本スペックはパーツ/マテリアル共にケナイと共通していますが、バックのマホガニーが若干薄くなっていることから重量は軽く、またメイプルが比較的主張するタイトでブライトなトーンバランスになっています。また操作系が1ヴォリューム1トーンにまとめられています。

ケナイと大きく異なるのはネックで、弦長と指板Rは同じですがナット幅約42mm、「85(85年製初期PRSを採寸した?)」と名付けられたスリムなグリップで24フレットあり、演奏性を重視した現代的な設計になっています。ダブルカッタウェイはシングルカッタウェイに比べてジョイント部分の剛性が不足しやすいのですが、そこのところも考慮したボリューム感のあるヒールが採用されています。

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Sheyenne(シャイアン)

Knaggs SheyenneSheyenne Tier 2 Fire

「シャイアン」もケヤ同様に、北アメリカを流れる河を名称の由来としています。ケヤをセミアコにしたギターとはいえ、ボディ幅が若干広くなり、また操作系はギブソン的な2ヴォリューム2トーンに、そしてネックグリップも変わっているので全く違う楽器になっています。一見大きめな印象のボディは、トップ/バックの絶妙なアーチによって違和感無く抱えられ、「63(63年製のSGかES-335を採寸した?)」と名付けられたネックグリップはナット幅約43mmで若干薄めに作られており、テクニカルなプレイにも良好です。

マホガニーのセンターブロックはジョイント部分からブリッジ下までで、ボディエンド側は空洞になっています。これによりセミアコの引き締まったサウンドイメージは残しながら、ボディトップの振動をより活かしたふくよかな丸いトーンが強調されています。

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